2023年WRC第8戦ラリーエストニア(グラベル)は、7月22日(土)に3日目の9SSを走行し、トヨタのカッレ・ロバンペラが首位をキープ。34.9秒差の2番手にティエリー・ヌービル、45.4秒差の3番手にエサペッカ・ラッピと、ヒョンデのふたりが続いた。3台目のトヨタGRヤリス・ラリー1をドライブする勝田貴元は、2分32秒5差の7番手につけている。
土曜日は、午前中にサービスパークの南側に設置された2SSをリグループを挟んで2回ずつ走行。タルトゥでの中間サービスを経て、別の2本のステージを同じように2回ずつ走行し、木曜日にも行われたサービスパーク周辺のショートステージで締めくくる9SS、102.61km。最長でも16.48km(SS14/SS16)と、ステージ数こそ多いものの、10km前後の比較的短いSSが中心となる。
オープニングのSS9、先頭スタートから解放されたトヨタのロバンペラが「滑りやすいし、今回最悪のステージだった」と語りながらも、総合2番手につけるヒョンデのヌービルに1.6秒差のベストタイム。4.0秒差の3番手タイムにトヨタのエルフィン・エバンス。彼と僅差で総合3番手を争うヒョンデのラッピは、4.6秒差のSS4番手タイムをマークした。
ジャンプスポットが連続するSS10もロバンペラが連続ベスト。2.0秒差のSS2番手タイムがヌービル、3.4秒差のSS3番手タイムでエバンスが続く。このステージでは、SS5番手タイムのオィット・タナック(Mスポーツ・フォード)が、WRC2に参戦するガス・グリーンスミスをかわし、ついにポイント圏内のトップ10に入ってきた。
カネピでのリグループを挟み、朝の2ステージを再び走行する。SS11はロバンペラがラッピに1.9秒差のベスト。ロバンペラはSS12も制し、午前中に行われた全SSでベストタイムを並べた。SS12ではスタートから3.6km地点で、総合2番手につけていたヌービルがパンク。ベストのロバンペラから10.9秒も遅れ、首位との差は一気に20.3秒にまで広がった。
大きなアドバンテージを手にしたロバンペラは「ステージ中はずっとハードにプッシュし続けた。ジャンプは難しいけど、ファンにとっては最高のエンターテイメントだしね。僕自身も後半はドライブを楽しむことができた」と、笑顔で振り返っている。
タルトゥでのサービスを終えたクルーは、午後のセクションへ。SS13、「あまりプッシュできなかった」とこぼしながらもロバンペラが、総合2番手のヌービルに3.6秒差をつけるベスト。ヌービルの6.9秒後方には総合3番手のラッピ、ラッピと総合4番手のエバンスの差は2.5秒と、3人による接戦が続いている。
SS14もロバンペラが、ヌービルに3.8秒差のベスト。カネピでのリグループを行い、クルーはSS13/SS14と同じステージをリピートする。SS15、「それほどハードにプッシュしなかった」と語るロバンペラがエバンスに2.4秒差のベスト。さらにSS16でもヌービルを2.7秒上まわってみせる。
ここまですべてのSSでベストタイムを並べてきたロバンペラは、木曜日に行われたタルトゥのサービス周辺のショートステージを走るSS17も一番時計で締めくくり、総合2番手につけるヌービルとの差を34.9秒にまで拡大し、完璧な1日を終えた。「本当に良い日になったね。最終ステージの雰囲気も素晴らしかったよ」と、ロバンペラは納得の笑顔を見せた。
午前中のパンクにより、総合3番手のラッピに6.7秒差にまで迫られたヌービルだったが、午後は安定したペースを刻み、その差を10.5秒に戻した。ラッピと総合4番手エバンスの差は7.3秒、表彰台争いは最終日も熾烈を極めることになりそうだ。1分41秒5差の総合5番手にヒョンデのテーム・スニネン、2分25秒5差の総合6番手にMスポーツのピエール-ルイ・ルーベ、様々なトラブルに苦しめられた勝田は、2分32秒5差の総合7番手。初日48番手からスタートしたタナックは、ラリー1勢最後尾の総合8番手まで、順調にポジションを上げている。
競技4日目はSS18〜SS21の4SS、SS走行距離は61.08km。オープニングのSS18は、日本時間7月23日の14時09分にスタートする。
WRCエストニア SS17後暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:05:29.3
2. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +34.9
3. E.ラッピ(ヒョンデi20Nラリー1) +45.4
4. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +52.7
5. T.スニネン(ヒョンデi20Nラリー1) +1:41.5
6. P-L.ルーベ(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +2:25.5
7. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:32.5
8. O.タナック(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +5:55.2
9. A.ミケルセン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +7:37.1
10. S.パヤリ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +7:52.9