WRCフィンランド:カッレ・ロバンペラ「様子を見ながらプッシュする」イベント前記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCフィンランド:カッレ・ロバンペラ「様子を見ながらプッシュする」イベント前記者会見

©Toyota Gazoo Racing WRT

WRCラリーフィンランド、スタート前に行われたミートザクルーイベントでのインタビューの内容(抜粋)。選手権リーダーとして今大会を迎えたトヨタのカッレ・ロバンペラ。タイトル争いでは連覇の可能性も濃厚となっている中、いまだ勝利を挙げていない母国ラウンドでの勝利を狙うかという質問に、理想と現実のバランスを取るクレバーな回答で対応した。

●ミートザクルーイベントインタビュー出席者

M-SPORT

カッレ・ロバンペラ=KR(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
エサペッカ・ラッピ=EP(ヒョンデ・シェル・モビスWRT)
マルティン・ヤルベオヤ=MJ(Mスポーツ・フォードWRT)
ヤリ‐マティ・ラトバラ=J-ML(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
ピエール・ルイ・ルーベ=P-LL(Mスポーツ・フォードWRT)

Q:ヤリ‐マティ、レーシングスーツを着てラリー1マシンで母国のラリーに向けて準備万端。最初のステージに向けて今の気分は。
J-ML:ここまで、本当にいい気分。信じられないほどの数の人々がこのサービスや、シェイクダウンにさえも集まってくれている。道にもたくさんのクルマが停まっていて、ラリーカーが通れなくなりそうなくらい。こんな光景は見たことがない。だから、このラリーフィンランドでドライブできるのは、最高の機会だ。心から楽しんでいるよ。レッキでもいい時間を過ごした。ノートを全部新しく作らなきゃならなかったけどね。

Q:カーナンバーに97を選んだのはなぜ?
J-ML:97は、WRカーが導入された年(1997)だ。96年にグループAの時代が終わり、97年にWRカーがやってきた。父は97年の終わりにフォード・エスコートWRCを購入した。これまで見たなかで、最も素晴らしいマシンだった。ダッシュボードのボタンは飛行機のよう、シートもステアリングも何もかも素晴らしかった。だから、97には最高の思い出がある。それにこの年は、いとことカナダに2週間ほど出かけたんだけど、その時にたくさんの素晴らしいことを経験した。だから、97はいい数字なんだ。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:“歩くラリー辞典”のあなたにクイズです。1997年のフィンランドで起きた特別なことは何でしょう?
J-ML:答えになりそうなことはたくさんあるけど(笑)。
Q:ひとつだけ選んでください。この年以来、起きていないことです。
J-ML:3人のフィンランド人が同時にポディウムに上がった。
Q:正解! それが誰かまで答えられたらボーナスポイントです。
J-ML:3位がヤルモ・キトレート、フォード・エスコートWRC、優勝がトミ・マキネン、三菱ランサーエボリューション、2位がユハ・カンクネン、フォード・エスコートWRC!

Q:素晴らしい! カッレ、このような知識はお持ちですか?
KR:間違いなくないね。素晴らしいよ。でも、自分はこの時には生まれてもいなかったから(笑)、そこは大目に見てよ。

Q:超地元のユバスキラでのイベントに向けて、今の気分は。
KR:もちろん、最高の気分だ。ヤリ‐マティも言ったように、メチャクチャな数の人がシェイクダウンから集まってくれた。これまでよりも格段に多い。サービスパークはいつも人でいっぱいで、たくさんのファンが応援してくれる。それに、母国のラリーでの気分は、いつも特別だ。

Jaanus Ree / Red Bull Content Pool

Q:フィンランドではまだ勝利がありませんが、今回、ポディウムの頂点をどれくらい目指していますか。選手権争いでは必ずしも勝利は必要ではありませんが、母国での勝利です。
KR:そうだね、ちょっと、50、60って感じかな。簡単ではない。このラリーで勝つには、最初から最後まではすべてのリスクを冒さなくてはならない。もちろん、選手権争いでは、シーズンを通してポイントに関してクレバーにならなくてはならない。その心構えは持ち続けておきたい。だから、少しハードにプッシュするのと、ハードになりすぎない、の間かな。様子を見ながらプッシュするよ。

Q:今の時点ではプッシュしすぎない、と。シェイクダウンの後にリスクについて話していた人が、隣で見つめていますよ。エサペッカ・ラッピ、あなたは今回、すべてのリスクを冒して優勝を狙うと話していました。まだそのつもりでいますか?
EP:いくらかは、リスクを負うよ。それは間違いない。でも、リスクを冒しても速さが足りなかったら、それを続けるのは無茶だよね。ある段階で、最悪の形で終わってしまう。

Q:フィンランドではすでに優勝経験がありますが、また勝ちたいと。
EP:そうだね、その通りだよ。でも、同時に、彼(隣に座っているヤリ‐マティ・ラトバラ)がまだプロで走っていたあの時、彼はもっと速かった。自分に追いついて、追い抜いて、それでリタイアした(笑)。それで、自分たちがリードして優勝を手にしたんだ。だから、あの時は自分たちがいい走りをしたからだけではなかった。いい走りはしたけど、最速ではなかった。でも、これもゲームの一部だ。今年は、彼は一番速く走るよ。何が起きても不思議ではない。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:別のフィンランド優勝経験者に。マルティン・ヤルベオヤ、オィット・タナックのコ・ドライバーです。ここで何度も優勝を味わっていますが、秘訣はなんですか?
MJ:ほかの人より速く走ること。

Q:(笑)そんな単純な話ではないと思いますが、ヤリ‐マティも触れていたように、新しいステージがあったり、過去のステージが復帰したりと、ノート作りも忙しかったのでは。
MJ:新しい部分が多いから、コ・ドライバー側は作業も増えるし、ステージの未知の部分が多い。でも、もちろん速いステージだし楽しめる道だ。

Q:エストニアではスタートの時点でペナルティを負うなど厳しい結果になりましたが、気持ちを切り替えて今回を迎えた。何か不安はありますか。優勝を目指してプッシュしていきますか?
MJ:ステージが始まる時点でみんなとイコールだから、この時点ですでにいい状況だ。でも、みんなといい戦いをして、日曜日を迎えたいね。

M-SPORT

Q:日曜日までは長い道のりが待っています。ピエール-ルイ、先週はフィンランド国内で参戦していましたが、大雨でとても難しいコンディションでした。いいプリペアになりましたか? この週末は雨になると思いますか?
P-LL:もし嵐が来るとすれば、その準備はしっかりできたよ。確かに、先週は天気がメチャクチャだったけど、このタイプの道を走る経験を積むことができるのは、自分にとっていいことだ。生まれ育ったコルシカとはまったく違うからね。時速200kmの高速でワイドな道と違って、コルシカはもっと短い低速コーナーが多いからね。

Q:この週末に向けて自信は高まっていますか?
P-LL:そうだね、自信だけでなく、たくさんのことが必要だ。クレイジーなイベントだからね。昨年から成長できていることを願うよ。だから、目標はみんなにもっと近づいて、昨年からステップアップすることだ。

M-SPORT

Q:SNSを通じて世界中から質問が届いています。KEBさんから。「この週末で、一番いいステージはどこですか」。カッレから。
KR:まだ分からないけど、新しいステージ、昔使われていたけど自分にとっては新しいのは、ミュヒンパーだけど、かなりいいステージの感じ。砂利掃除をするという点では一番難しいかもしれないから、自分たちにとってはベストではないかもだけどね。ルーズなグラベルが多い。でも、ステージ自体はとてもいいよ。

Q:EPは?
EP:同じ。

Q:(苦笑)。ヤリ‐マティ、もっと言葉を増やして答えてもらえますか。
J-ML:ステージの性格という点では、ミュヒンパーだね。ラリーフィンランドの中でも屈指の好ステージだと思う。でも、カッレも言ったとおりルーズグラベルが本当に多いから、1回目はあまり楽しめない。だから、ほかのステージでは、モクシ‐サロイネンかな。

Q:マルティン、コ・ドライバーの視点ではいかがですか。
MJ:ミュヒンパーは走ったことがないから、1回目の走行で、ヤリやみんながラリーの前に言っていたことが理解できた。

Q:ピエール-ルイはいかがですか。
P-LL:みんなと同じような感じ。金曜日のステージは素晴らしいね。でも、パワーステージも、とてもいいね。スキーのゲレンデハウスか何かでフィニッシュするのは、あまり見ないから、とても印象的だ。

Q:ヤリ‐マティ、Yarnaさんから質問です。「今回、自分にどれくらいチャンスがあると思いますか?」。
J-ML:OK、シェイクダウンではたぶん9番手タイムで、ラリー1勢では一番遅かった。これを見る限り、1kmあたり1秒以上ロスしている。これが現実的な目標だと思う。1kmあたり1秒遅れくらいに留まれれば、このペースを維持できれば上々じゃないかな。

Q:Mr.Roven Peraさんからロバンペラに質問です。「ラリードライバーになっていなかったら、何をしていたと思いますか」。
KR:郵便屋さんかな。
Q:めちゃくちゃ速い郵便屋さんになりそうですね(笑)。
KR:でも、そうなったら、あまりエキサイトしないだろうからね。

Q:JK4R6さんから、みなさんに。「いま、刺激を受けている人は誰ですか」。ドライバー、コ・ドライバー、またはラリー以外でも。EPから。
EP:父だと思う。自分が小さい頃、父がラリーをしていたから自分も走るようになったと思うからね。

Q:カッレは?
KR:同じ。

Q:(笑)このふたりは、答えやすい雰囲気を作ってますね。ヤリ‐マティ、同じって言わないでくださいね?
J-ML:同じ(笑)。

Q:お決まりですね(笑)。この3人には簡単な質問でしたね。Mr.ヤルベオヤ、あなたは同じじゃないですよね?
MJ:ごめん、同じ。
Q:マルティン、父親以外に刺激を受けている人を教えてもらえませんか
MJ:母(笑)。

Q:そう来ますか!  では、Auntieさんから、真剣なラリーの質問です。「今年のステージはよりワイドで高速で、シケインもあります。ラリーフィンランドは、もっと狭くてシケインがない方がいいと思いますか?」。カッレから。
KR:ナローなステージもいいけど、2回目の走行では轍が深くなるから、広い道のままのラリーフィンランドでも楽しいと思う。今年はそれほどシケインは多くないから、そう悪くはないよ。

Q:EP、答えてくれますか? “同じ”ですか?
EP:同じ〜。

Q:同じ〜! ヤリ‐マティ、あなたは分析や説明が上手だから、もっとたくさん答えてくれると信じていますよ。
J-ML:カッレも言ったように、ナローな道は2回目は轍が深くなる。特に雨が降った時はね。でも、ラリー1マシンでは、ワイドな道ではものすごく速く走る。だから、このようなマシンで小さな道を走るのは、もっとチャレンジングになると感じている。広くて速い道ではダウンフォースがたくさん得られて安定するからね。でも、自分が歳をとったからかもしれないけど、狭い道の方が自分にはちょっと合っているかも。今回はそっちの方がちょっとタイムが良くなるかもね(笑)。

Q:ピエール-ルイ、マルティン、ほかに付け加えることはありませんか?
MJ:今年の道はとても良くて、最高のステージに数えられると思う。だから、今年、この設定をしてくれて良かった。
P-LL:今年走るステージは、本当に素晴らしい。これまでよりも格段にワイドになっている。だから、マシンの中ではちょっとクレイジーになっちゃうくらい。すごく楽しめると思うよ。



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