ERCズリン:ヤン・コペッキーがイベント11勝目、ヘイデン・パッドンのタイトルが確定 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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ERCズリン:ヤン・コペッキーがイベント11勝目、ヘイデン・パッドンのタイトルが確定

©@World / Red Bull Content Pool

ERC第7戦チェコラリー・ズリン(ターマック)は8月20日に、競技最終日となる3SSを2ループする92.40kmを走行。選手権リーダーのヘイデン・パッドン(ヒョンデi20Nラリー2)が、ラリーリタイアに見舞われながらも、最終戦を残して今季のERCタイトル獲得を確定させた。

5位でフィニッシュすればタイトル確定という中で、土曜日を5位で折り返していたパッドンは、タイトルを確定するために堅実な走りを見せていたが、午前のループ最後のSS10(16.69km)のスタートから9kmの高速左コーナーでワイドになり、木をなぎ倒しながら数百m先でストップ。右リヤの足周りにダメージを負い、ここでラリーリタイアとなってしまった。

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しかし、選手権争いでタイトルの可能性を残していたマルティン・セスクが今回11位に終わりポイント獲得を逃したため、1最終戦ハンガリーを前にパッドンのタイトル獲得が確定した。ニュージーランド出身のパッドンは、ヨーロッパ人以外では初めてのERCチャンピオンとなる。

「今日はトラブルでリタイアしたのにタイトルが決まるなんて、なんだか妙な気分だが、チームとともにやり遂げたことを心から誇らしく思う」とパッドン。今季はズリンまでの6戦中、優勝1回、2位4回、3位1回と、一度もポディウムを逃していなかった。
「今季はいいラリーが6回、悪かったのが1回。全体としてとてもいいシーズンになったし、今後に向けて礎になるものだ。今年、ERCを戦えた時間は素晴らしかった。本当に様々なイベントがミックスされていてチャレンジも多く、戦いも厳しかった。世界で最も優れたラリー選手権のひとつだと思うし、今後も参戦していけたらと思う」

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一方、ラリーの優勝は、地元チェコの絶対王者ヤン・コペッキー(シュコダ・ファビアRSラリー2)が、イベント最多勝利記録を更新する11度目の優勝を飾った。アグロテック・シュコダ・ラリーチームから参戦したコペッキーは、2番手のミクロス・チョモス(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)に14.9秒差をつけての首位で最終日を迎え、最終的にリードを14.3秒でまとめる絶妙なペースコントロールを見せた。

同じくチェコ出身で優勝候補のひとりだったが前日に大きく後退したエリック・カイス(ファビアRSラリー2)が、日曜日最初の2本でベストタイムを連発した後、コペッキーは続くSS10でトップタイムをマークし、リードを11.1秒として日中サービスに戻ってきた。SS8とSS9では「スライドしすぎる」とマシンに自信を持てなかったというコペッキーだったが、サービスでセッティングを変更し臨んだ午後のループでは調子を取り戻した。
「難しいラリーですごく疲れたが、すごくハッピーだよ!」とコペッキー。

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チョモスは2位でフィニッシュし、ハンガリー人として初めてERCラウンドでのポディウムに上がった。

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なお、チェコラリー・ズリンはこの日、WRCプロモーターとの2年間の契約延長が合意に達し、2025年までERC戦を開催することを発表した。
ERCの最終戦、ハンガリーのナイレジハザを拠点とするラリーハンガリー(ターマック)は10月6日〜8日に開催される。

ERCズリン最終結果
1 J.コペッキー(シュコダ・ファビアRSラリー2) 1:53:18.5
2 M.チョモス(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +14.3
3 S.ワグナー (シュコダ・ファビアRSラリー2) +48.2
4 A.ブレジック(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +51.1
5 F.マレス(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +51.9
6 D.ストリテスキー(シュコダ・ファビア・ラリー2) +1:00.4

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