TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、9月7日(木)〜10日(日)にかけてギリシャのラミア拠点に開催される2023年WRC第10戦アクロポリス・ラリーギリシャ(グラベル)に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン、セバスチャン・オジエ/バンサン・ランデの3クルーをエントリーし、チームとしての今季8勝目を狙う。オジエの今季のWRC参戦は、これが6度目。勝田貴元/アーロン・ジョンストンは4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドでシリーズ伝統のラフグラベルラリーに挑む。
(以下、チームリリース)
WRC第10戦 アクロポリス・ラリー・ギリシャ プレビュー
長い歴史を誇るラフグラベル・ラリーのアクロポリスで
2023年シーズン8回目の優勝を目指す
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、9月7日(木)から10日(日)にかけて、ギリシャで開催される、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第10戦「アクロポリス・ラリー・ギリシャ」に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)の4台のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場。伝統のグラベル(未舗装路)ラリーで、今シーズン8回目の優勝と選手権のリード拡大を目指します。
2021年にWRCの一戦に復帰したアクロポリス・ラリー・ギリシャは、1951年に初めて開催され、WRC創設初年度の1973年からシリーズに含まれていた長い伝統を誇るグラベル・ラリーです。山岳地帯を中心に展開するステージは、大きな石や段差が多くあるなど全体的にとても荒れています。また、例年気温も非常に高くなるためコンディションは非常に厳しく、WRCイベントの中では耐久力が求められるラリーに位置づけられています。WRC復帰初年度の2021年は珍しく雨が多く降ったため湿った路面での戦いとなり、ロバンペラが初出場ながらWRCキャリア2勝目を獲得。昨年はアクロポリスらしい灼熱のラフ・グラベル戦となりましたが、TGR-WRTは勝田の総合6位が最上位と苦戦。国際格式開催70周年の記念大会となる今年もまた、昨年と同じように高気温下での戦いとなることが予想されます。
2023年のWRCは残すところ4戦となり、TGR-WRTは67ポイントのリードを築いてマニュファクチャラー選手権をリードしています。また、ドライバー選手権についてもロバンペラが首位、25ポイント差で前戦フィンランドを制したエバンスが2位と、好位置につけています。今回は彼らふたりのレギュラードライバーに加え、2011年のアクロポリス勝者であるオジエがサードドライバーとして出場。オジエは今季フルタイムでの出場ではありませんが、それでも出場した5戦のうち3戦で優勝しており、ドライバー選手権でも5位につけています。さらに、前戦のフィンランドで総合3位に入り、通算4回目となるポディウム登壇を果たした勝田は、今回はマニュファクチャラー登録外ドライバーとして4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDをドライブします。
ラリーは、大会名称の由来でもある首都アテネのアクロポリスで7日(木)に開幕。古代アクロポリスのモニュメント下でセレモニアルスタートが行われ、その後市街地のウォーターフロントに新たに設けられたステージで1.48kmのスーパーSSが1本行われます。グラベルステージを舞台とする本格的な戦いは8日(金)から始まり、アテネの西側に位置する美しいビーチリゾート「ルートラキ」を起点に、デイ2として5本合計101.98kmのステージを走行。デイ2は昨年と同様日中のミッドデイサービスが設定されず、タイヤフィッティングゾーンでのタイヤ交換および、簡易的な整備作業のみで全ステージを走ります。また、同じステージを2回走行するのはSS2/4「ルートラキ」のみとなるため、金曜日のステージ出走順が一番手となるロバンペラにとっては、昨年と同じく不利な路面コンディションでの戦いとなる可能性があります。選手達は5本のステージを走りながら北方へと移動し、ラミアに設けられたサービスパークでデイ2を終えます。9日(土)のデイ3は、ラミアのサービスパークを中心に、3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は141.52kmと、4日間で最長の一日になります。そして、最終日となる10日(日)のデイ4は、3本合計62.91kmのステージを走行。そのうちSS14の再走となるファイナルステージのSS15「グラムメニ2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全部で15本で合計307.89km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1235.17kmとなります。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
ここ数戦で我々はいい結果を残すことができているので、ギリシャでも好調が続くことを期待していますが、アクロポリスがいかに難しいイベントであるかは分かっています。昨年は我々チームにとって非常に難しいラリーになりましたが、そのことが今回より良い結果を出そうというモチベーションに繋がっていますし、ラフでドライなグラベルコンディションにも対応できるようにGR YARIS Rally1 HYBRIDの開発を続けてきました。もちろん、現在のようなドライコンディションが続けば、カッレとエルフィンはラリーの序盤で最も厳しい路面コンディションに直面することになると思いますが、彼らと共にいい結果を目指して戦えることを願っています。また、今回セブと再び勝利を目指すことができるのも素晴らしいことです。
カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
ラリー・フィンランドの後、ギリシャに臨む前に少し休みを取ることができて良かったです。伝統的なイベントであるアクロポリスでは、過去2年間山あり谷ありでした。2021年に初めて優勝した時は本当に良かったですし、昨年はタフな週末になってしまいました。今回もまた出走順一番手で金曜日のステージを走ることになるので、簡単には行かないと思いますが、チームと一緒になって、このようなコンディションに対応できるように改善を続けてきたので、多くのポイントを獲得できるようにベストを尽くして戦います。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
フィンランドで優勝することができたのは良かったですが、ギリシャは全く違うラリーです。エストニアとフィンランドのスムーズでハイスピードな道とは対照的に、アクロポリスは一年で最もラフなグラベルイベントのひとつです。そのため、クルマのセットアップに関しても大きく異なり、今年前半に出場した他のラリーに近いものが求められます。過去2年間、ギリシャではあまり運に恵まれず、もし今年路面がドライだったら、金曜日に出走順2番手で走るのはきっと大変だと思いますが、自分としてはいつものようにベストな仕事をするだけです。
セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)
いい夏休みを過ごしてきましたが、GR YARIS Rally1 HYBRIDと共にギリシャで戦いに復帰することに興奮しています。ギリシャという国もラリーもとても好きなのですが、残念ながら私のキャリアの大部分において、このラリーはWRCの年間カレンダーに含まれていませんでした。しかし、WRCの一戦に復帰してくれたことで、このラリーでいい戦いをしたいというモチベーションが高まっています。過去に一度優勝していますし、いつもと同じように今回もまた優勝を目指して戦います。通常この種のグラベル・ラリーでは、ドライコンディションであれば私の出走順は助けになってくれるはずですが、2年前はウェットでマディなラリーになりましたので、どうなるか様子を見たいと思います。このようなラリーでは、もちろん速さは必要ですが、トラブルなく走り切る必要もあります。路面は岩だらけで、タイヤにもクルマにも厳しいラリーだといえます。