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WRCアクロポリス事前情報:ラフ路面と酷暑の難関グラベルラリー、ジュニアWRCはタイトル決戦

©Hyundai Motorsport GmbH

WRCは今週、長い歴史と大きなチャレンジが待ち構えるギリシャで第10戦を迎える。初開催は1953年と今年は記念すべき70周年にあたるアクロポリスラリーは、シリーズが創設された1973年にWRCカレンダーに加わっており、今回が67回目の開催。このイベントに5回参戦しているFIA総裁のモハメド・ビン・スライエムも、ラリーのスタートに参加する。

カレンダーの中でもマシンやクルーに最もタフなイベントのひとつで、石が散乱する厳しいグラベル路、高い気温と立ちこめる埃と、アクロポリスラリーは克服するのが手強いラリー。タイトル争いも大事な曲面を迎えており、残り4戦で獲得可能なポイントは最大120だがランキングの上位3人の差は36と、シリーズ終盤までエキサイティングな戦いとなりそうだ。

72台のエントリーを集め、うちハイブリッドのラリー1は10台。ラリー2は37台、ラリー3は14台、ラリー4は9台、エントリーレベルのラリー5も2台がエントリーしている。

■ラリー1マシン勢エントリー状況
トヨタ・ガズーレーシングWRT:選手権リーダーのカッレ・ロバンペラ、2番手につけるエルフィン・エバンスに加え、WRC8冠のセバスチャン・オジエが今季6度目の参戦を果たす。日本の勝田貴元は、今回は4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドをドライブする。

ヒョンデ・シェル・モビスWRT:エストニア、フィンランドではテーム・スニネンがドライブしていた3台目のヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド、今回はダニ・ソルドがステアリングを握る。エサペッカ・ラッピと、2022年の覇者、ティエリー・ヌービルがラインナップを固める。

Mスポーツ・フォードWRT:オィット・タナックとピエール-ルイ・ルーベがフォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1でエントリー。地元ギリシャのジョルダン・セルデリディスは、マニュファクチャラーズ選手権のポイントノミネート外で参戦する。

■サポートカテゴリーエントリー状況
WRC2部門には30台がエントリー。その筆頭は、選手権リーダーで2021年チャンピオンのアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRSラリー2、トクスポーツ)だ。選手権2番手で追うのは、PHスポールのヨアン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2)。前戦フィンランドで部門初優勝を飾ったミケルセンのチームメイト、サミ・パヤリもエントリーしている。そのほか、オリバー・ソルベルグ、Mスポーツ・フォードのアドリアン・フルモー(フォード・フィエスタ・ラリー2)、キプロス出身のアレクサンドロス・ソウロフタス、ギリシャの強豪ランブロス・アサナソウラスもエントリーしている。

フォード・フィエスタ・ラリー3のワンメイクシリーズ、ジュニアWRCは、このアクロポリスが今季最終戦となる。選手権首位に立っているのはウィリアム・クレイトンだが、この最終戦は獲得ポイントが2倍になるため、2024年のWRC2部門にフォード・フィエスタ・ラリー2で4戦に参戦できる特典をかけての戦いは、まだ可能性が残されている。

■ラリールート

TOYOTA

イベントは9月7日、ギリシャの首都アテネにある歴史的遺産アクロポリスの前で伝統となっているセレモニアルスタートを行った後、アテネのオールターマックのスーパーSSが開幕ステージとなる。

金曜日はルートラキを出発した後、タイヤフィッティングゾーンを挟んで5ステージを走行。18.10kmのLoutrakiは2022年と逆方向の走行。Pissiaの最初の7.48kmは、最後に使用されたのは10年以上も前の区間だ。ルートラキをリピートした後、ルートは北のラミアへと向かい、LivadiaとElatiaを1回ずつ走行する。

土曜日は3SSを、ラミアでのサービスを挟んで2ループする。最初のPavlianiとKaroutesの後、リグループを挟んで2022年にはパワーステージとして設定されていたEleftherohoriを走行。序盤に新設の11.95km区間を含むKaroutesは、28.49kmと今イベント最長のステージだ。

日曜日は、昨年は土曜日に設定されたアクロポリスラリー伝統のTarzanから始まる。その後、Grammeni(19.77km)を2回連続で走行。2回目は、パワーステージに指定されている。

■ラリーデータ
開催日:2023年9月7日〜10日
サービスパーク設置場所:ラミア
総走行距離:1235.17km
総ステージ走行距離:307.89km(SS比率24.9%)
総SS数:15

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3
JWRC

■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
カッレ・ロバンペラ(#69)
エルフィン・エバンス(#33)
セバスチャン・オジエ(#17)

[ヒョンデ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#11)
エサペッカ・ラッピ(#4)
ダニ・ソルド(#6)

[Mスポーツ・フォードWRT]
オィット・タナック(#8)
ピエール-ルイ・ルーベ(#7)

■2022年アクロポリス・ラリーギリシャ最終結果
1 T.ヌービル/M.ウィダグ(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) 3:34:52.0
2 O.タナック/M.ヤルベオヤ(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) +15.0
3 D.ソルド/C.カレラ(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) +1:49.7

■近年のウイナー
2022年 T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド)
2021年 K.ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)
2013年 J-M.ラトバラ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
2012年 S.オジエ(シトロエンDS3 WRC)
2011年 S.オジエ(シトロエンDS3 WRC)



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