WRCでフォード・フォーカスRS WRCを走らせるMスポーツが2010年シーズンのIRCにマニュファクチャラー登録を行なった。これでフォード・フィエスタS2000はシュコダ・ファビアS2000やプジョー207S2000、あるいはプロトン・サトゥリアネオS2000とともにIRCシリーズを追いかけることとなる。
1月19日に開幕するラリーモンテカルロにはすでに2台のフィエスタS2000がエントリーしており、その1台はMスポーツのエース、ミッコ・ヒルボネンがドライブする。
Mスポーツのマネージングダイレクター、マルコム・ウィルソンは語る。
「マニュファクチャラー登録が認められたということは、IRCは我々のフィエスタS2000にとって新たな市場となりうるということだ。しかしそれ以上に、我々のマシンに乗ってくれているユーザーたちがIRCに参戦するチャンスを得られたことがうれしい。昨年のIRCスコットランドへのゼロカーデビューも含め、フィエスタS2000の一連のテストはすこぶる順調にいった。開幕戦のモンテカルロでの公式戦デビューをとても心待ちにしている」
IRCシリーズのゼネラルマネージャーを務めるマルチェロ・ロッティはこの登録を全面的に歓迎している。
「いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのMスポーツを我々のシリーズに迎えることができて大変うれしい。この後押しを受けて、もっともっと観客の皆さんを楽しませるようなTV放送を推し進めていくことを約束するよ。まちがいなく、息を呑むような僅差のバトルが繰り広げられることだろう」
現在、IRCに登録しているマニュファクチャラーでS2000マシンを持っているのはアバルト(グランデプントS2000)、プジョー(207S2000)、プロトン(サトゥリアネオS2000)、シュコダ(ファビアS2000)、そしてMスポーツ(フィエスタS2000)。デビュー前でフィエスタの実力は未知数とはいえ、昨年の速さとも考え合わせるとシュコダとMスポーツの二強、あるいはプジョーも加えた三つ巴の戦いが繰り広げられるものと予想される。
クリスチャン・ロリオーの開発したフィエスタS2000は将来のWRカーベースとなるもの。シャシーの熟成等も考慮に入れるとできるだけ多い台数をできるだけ幅広い選手権に参戦させてデータを収集したいところだろう。現時点でフィエスタの使用を明言(SWRCなど含む)しているのはマルティン・プロコップ、ナッサー・アル‐アティヤ、チェビー・ポンス、ヤンネ・トゥオヒノなどなど。Mスポーツにとっては、カスタマービジネスとしてもおいしいところだ。