WRC最終戦として11月16日〜19日に開催されるフォーラムエイト・ラリージャパン2023の開催地周辺の6市町(愛知県豊田市、岡崎市、新城市、設楽町、岐阜県恵那市、中津川市)では、ラリー開催に向けて地元の小学生を対象としたラリー教室が開催されている。
7月に豊田市の上鷹見小学校 (愛知県豊田市上高町宮下60/対象児童71名)、新城市の東郷西小学校 (愛知県新城市平井字東原37-1/255名)と鳳来中部小学校 (愛知県新城市長篠字竹田14/144名)、8月には設楽町の奥三河総合センター(愛知県北設楽郡設楽町田口字向木屋2-10/67名)で開催。さらに2学期となった9月には、岡崎市の奥殿小学校(愛知県岡崎市奥殿町仲西73/84名)、下山小学校(愛知県岡崎市保久町市場16/17名)、そして新城市の鬼久保ふれあい広場(愛知県新城市作手白鳥鬼久保5/31名)と千郷小学校(愛知県新城市杉山前野4-1/170名)、そして中津川市の西小学校(岐阜県中津川市駒場301-1/529名)と実施されている。
教室では、ラリードライバーの新井敏弘とコ・ドライバーの槻島ももが、ラリーとはどんな競技なのかについて講義。競技マシンが一般の道を封鎖して1台ずつ走ってそのスピードを競うことや、マシンにはドライバーひとりではなく、コ・ドライバーとふたりで乗車し、事前に下見をして作ったペースノートを読み上げながら走ることなど、ラリー独自の競技スタイルや魅力を分かりやすく解説。さらに現在のラリーカーやラリージャパンの会場では、水素や太陽光といったクリーンエネルギーを使って大会を運営することなど環境に配慮した様々な施策が行われていることを伝え、持続可能な社会について考える機会も設けられた。
講義ではラリーの内容だけにとどまらず、「夢をかなえるために」というテーマで、2005年と2007年に世界ラリー選手権プロダクションカー (PWRC)チャンピオンになった新井の生い立ちの話、自分の良いところをどう見つけるか、長所をどう伸ばしていくか、そのための努力を続ける大切さを児童に伝えていた。
ラリージャパン開催地元ということもあり、児童たちにとっては生まれる前から、WRCでもステージの一部が使用される全日本ラリー選手権の新城ラリーが開催されていたという環境。比較的ラリーについての認知も高いようで、参加者の中には、昨年のラリージャパンを実際に観戦したり、リエゾンで声援を送ったという児童も。この教室で、実際に目の前に立つラリードライバーに興味を持つ児童も多かった。
また、フォーラムエイト・ラリージャパン2023のパートナーである「学研教室」からも講師が派遣され、『未来の車のひみつ』クイズなども実施。ラリーの知識だけでなく、次世代車両の説明や、地球環境のためにできることについての講義も用意された。
講義の後には、各学校の校庭や広場でデモンストレーションランも披露された。新井は昨年まで使用していたスバルWRX STIに乗り込み、激しいエキゾーストノートと砂を巻き上げながら校庭内を走り回る姿に、児童たちは拍手喝采。学校の先生を助手席に乗せての走行を披露する場面も見られた。児童たちがラリーカーを実際に見たり触ったりする機会も設けられた。さらに、両選手にサインをねだる児童もいて、それぞれがこのラリー教室を堪能した。
ラリー教室は10月にも予定されており、この後、名古屋市内と豊田市内の2か所で開催される予定だ。
(Yoshiaki Aoyama)