今季はヒョンデからワークスドライバーとしてWRCに参戦しているエサペッカ・ラッピだが、2024年にオィット・タナックがチームに復帰することが発表されたことで、ラッピの来季のシートは見通しが立たなくなった。チームはタナック復帰の発表の際「2024年のラインナップを最終確定するまでに、あらゆる選択肢を模索する」と伝えている。
これまで2024年のヒョンデに関しては、ラッピはチームに残留し、ティエリー・ヌービル、テーム・スニネンにオィット・タナックに加え、4台体制に拡大するのではと見られていた。
しかし、今回のチームからの発表は「チームは来シーズンに向けて、残りの枠についてあらゆる選択肢を模索しており、現在のWRCおよびWRC2の全ドライバーと話し合いを行っている」としており、憶測とは異なる見解を示している。この示唆が、ラッピがチームに加わらないことを意味するものではないが、今季、一貫性のない内容となっていることから、ラッピのシートは保証されてはいないともとれる。
ラッピは、前戦WRCチリでは開幕ステージでクラッシュ。3月のメキシコでも、首位に立っていながらコースオフを喫している。
チリでのリタイアを受けて、ヒョンデのチーム代表であるシリル・アビテブールは「ここのところ厳しい内容が続いたうえでチリにやってきた。チリは、ラッピと相性がいいはずと思われていたので、シーズンの終盤に向けてエサペッカとの関係を再構築することが目標のひとつだった。リタイアするまではいいペースをつかんでいるようにみえたので、チームの士気はかなり下がったが、気持ちを立て直して進んでいかなくてはならない」と語っている。
2024年の可能性として、ラッピとシートを争うと見られるのは、ヒョンデからWRC2に参戦しているエミル・リンドホルムとパラグアイのファブリツィオ・ザルディバール。今季、ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドのサードカーをシェアして参戦しているダニ・ソルドは、最終戦のラリージャパンに参戦することが決まっている。
(Graham Lister)