今週開催されるWRC第12戦セントラルヨーロピアンラリー(ターマック)は、カレンダー初開催、ドイツを拠点にチェコ、オーストリアの三カ国にステージが設定される独特のイベントだ。ヒョンデから参戦するベルギー出身のティエリー・ヌービルは、この三カ国でラリー参戦の経験を持っているが、今回のWRCラウンドではその経験は活かされないだろうと断言している。
WRCトップレベルのドライバーの中でもこの三カ国すべてで走行経験があるのはわずかだが、ヌービルは自分が有利になるのではという見方を否定している。
「どれもずいぶん前の話なので、あの時の経験が役に立つとは思っていない。エリアも違うし、それほど長い距離でもなかった」とヌービル。
「今回のラリーで一番役に立つのはクロアチアラリーでの経験じゃないかな。イベントの性格が少し似ているからね」
WRC初タイトルの望みはすでに消えているが、ヌービルは2023年シーズンを勝利で終えたいと意欲を見せている。
「優勝のためだけに戦う。それ以外の目標はない」とヌービル。
「タイトル争いという点では選手権は終わったので、目指すのは再びポディウムに上がることと、できればトップフィニッシュだ」
天候が変わりやすいことが予想されていることについてヌービルは「タイヤチョイスは、グラベルクルーとかなり話し合わなくてはならないだろうし、最善の戦略がどれなのか、十分に分析しなくてはならない」
ヌービルは、10月25日に行われたシェイクダウンでは、トップタイムをマーク。今季2勝目に向けて、順調な滑り出しを見せている。
(Graham Lister)