2023年シーズンWRC第12戦セントラルヨーロピアン(ターマック)は、10月26日(木)に初日の2SSを走行し、ヒョンデのティエリー・ヌービルが、Mスポーツ・フォードのオィット・タナックに1.2秒差をつけて首位に立った。5.8秒差の3番手にはトヨタのセバスチャン・オジエがつけている。
ドイツ、チェコ、オーストリアと、WRC史上初の3カ国を舞台に行われるセントラルヨーロピアンラリー。10月26日木曜日は、午後1時にチェコの首都プラハの中心部でセレモニアルスタートを実施し、競馬場のチュケーレ・アリーナを舞台とするSS1「Velka Chuchle(2.55km)」へ向かう。SS1走行後はドイツへと戻り、8.92kmのSS2「Klatovy(8.92km)」で締めくくる、11.47km。
大観衆が集まったセレモニアルスタートに引き続き行われたSS1を制したのは、前戦チリ後にヒョンデへの復帰を発表したタナック。0.7秒差の2番手タイムにアクロポリス以来の登場となったオジエ、1.0秒差の3番手タイムにヌービルが続いた。このステージを1.6秒差の4番手タイムで駆け抜けたエサペッカ・ラッピ(ヒョンデ)は、ジャンプスタートにより10秒のペナルティが科された。
SS1前のリグループ後、「急遽スケジュールの変更があり、しっかり準備ができなかった」と振り返ったカッレ・ロバンペラは、ベストのタナックから4.0秒差の9番手タイム。ロバンペラとドライバーズ選手権タイトルを争うエルフィン・エバンスも3.9秒差の8番手と出遅れたが、「ここでのタイムはそれほど重要じゃない」と落ち着いた表情で語る。
国境を越えてドイツへと戻り、日没後にナイトステージとして行われたSS2。降雨があり、フルウエットが予想されていたが、ステージは想定ほどは濡れていない状態だ。この難しいコンディションでベストをマークしたのは、ウエットタイヤを選ばなかったヌービル。タナックとオジエをかわし、トップに浮上した。首位で初日を終えたヌービルは「僕はソフトタイヤを選んだけど、ウエットタイヤとどちらが正解だったかは分からない。インカット防止用デバイスにライトが反射して参ったけど、クリーンな走りができたよ」と、笑顔を見せた。
1.2秒差の総合2番手は、このステージでセカンドベストのタナック。5.8秒差の総合3番手にオジエが入り、以下5.9秒差でロバンペラ、8.3秒差でテーム・スニネン(ヒョンデ)、10.1秒差で勝田貴元(トヨタ)というオーダー。このステージでオーバーシュートを喫したエバンスは、ベストから7.8秒差のSS8番手タイムに終わり、首位から10.7秒差の総合8番手につけている。
競技2日目はSS3〜SS8の6SS、SS走行距離は121.8km。オープニングのSS3は、日本時間10月27日の16時50分にスタートする。
WRCセントラルヨーロピアン SS2後暫定結果
1. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) 6:06.9
2. O.タナック(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +1.2
3. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +5.8
4. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +5.9
5. T.スニネン(ヒョンデi20Nラリー1) +8.3
6. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +10.1
7. P-L.ルーベ(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +10.4
8. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +10.7
9. E.ラッピ(ヒョンデi20Nラリー1) +13.6
10. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +15.0