ヒョンデは、今季最終戦となる第13戦ラリージャパン(ターマック)でティエリ・ヌービル、エサペッカ・ラッピ、ダニ・ソルドの3ドライバーを起用。前戦セントラルヨーロピアンラリー(ターマック)での勝利の勢いを持続して、ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドのクルーが、昨年見せたラリージャパンでの1-2という成績の再現を目指す。
2022年に新しいフォーマットになったラリージャパンは、選手権を戦うチーム、クルーにとって新しいチャレンジ。一定でないターマック路面はスリパリーで、加えて樹木の多い森林ステージでは落葉がさらに滑りやすく、またSS2/5 Isegami’s Tunnelに見られるような狭いトンネルは、ラリージャパンを特徴づけ、ドライバーにとっては正確性に加えスピードも重要となる。
今回のラリージャパンで新たに設けられた2.10kmの豊田スタジアムのスーパーSSは、アクロポリスのように多くの観客がマシンのアクションを楽しめる皮切りとなるステージで、しかもこのステージは初日だけでなく金、土両日も走行。また、ステージ数は昨年の19から22ステージへと増えることで総距離も30km延長される。
チーム代表シリル・アビテブールは「昨年のラリージャパンで1-2フィニッシュを決めたことはマシンがここで勝てることを証明している。また、セントラルヨーロピアンラリーでの勝利、モンテカルロとクロアチアでの表彰台獲得はターマックでの好成績を収めるだけのパフォーマンスがあることを表している。我々の目標はこの勢いと、ティエリー(ヌービル)とダニ(ソルド)の日本での経験をあわせ、最大限の結果を収めること。23年の理想的な締めくくりである優勝を目指す」と語る。
ヌービルは、「文化や雰囲気が素晴らしく、とても楽しみな国でのイベントだ。ファンはWRCを心から楽しんでいて、きっと今年はより多くの人が我々を応援してくれると思う。実は、昨年日本に来るまでこれほどたくさん僕のファンがいるとは思いもせず、とても感激した」と、ラリーを楽しみにしている。「特にこの時期のコンディションはトリッキーなので成功を収めるには、アンダーステアを出さないようにすることで、正しいタイヤ選択が重要になる。この勢いを保って、またひとつ素晴らしい結果を得たいと思っている」
「初めてのイベントなので、問題なくフィニッシュすることが目標」と語るのはラッピ。「できるだけ良い成績でシーズンを終えたいし、再び表彰台登壇を果たしたい。そのためにはたくさんのことをする必要があり、その中でもタイヤ選択が重要。セントラルヨーロピアンラリーでは早々にリタイアしてしまったが、ターマック2連戦でもあるしシーズン最終戦でもあるので好成績を収められることを証明したい。良い雰囲気で熱心なファンが多いと聞いているので、その人たちの前で良い姿を見せてシーズンを締めくくりたい」
「昨年は車両火災で、十分な距離を重ねることができなかった」というソルドは「ラリージャパンはステージが細くツイスティで難しいが、良いイベントだ」と語る。またヌービル同様「ロードセクションにはたくさんの情熱的なファンがいて、ラリーへの敬意が感じられる。多くのステージが山奥にあり、マシンを見ることができないからだと思うが、雰囲気がとても素晴らしい」と言う。「成功の鍵は良いペースノートと良いセットアップ。運転しやすくコーナリングが良いマシン作りが重要。もちろん優勝したい」