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フォーラムエイト・ラリージャパン開催直前ファンミーティング、EVカート対決はティエリー・ヌービルが優勝

©Jun Uruno

WRC最終戦フォーラムエイト・ラリージャパン2023は、11月16日(木)〜19日(日)の開催を目前に控え、11月11日(土)、東京のシティサーキット東京ベイで「ENJOY! Rally Fan Meeting in TOKYO/ODAIBA」を開催した。

シティサーキット東京ベイは、EVカート専用のサーキットで、マシンは全日本カート選手権EV部門の車両開発を担当するTOM’Sが手がける。11月22日までは本格開業前のプレオープン期間となっており、会場を貸し切りにしてのイベント開催となった。

抽選には定員の200名を上まわる応募があったという。この日はまず、2004年に日本初開催のWRCで優勝を飾ったペター・ソルベルグと、息子で今季はWRC2を戦ったオリバー・ソルベルグがステージに登場した。
ペターは「スバルの母国で初めて勝った時の気持ちは、今でも特別なものだ」と当時を振り返った。また、現在の最高峰カテゴリー、ラリー1マシンがハイブリッドシステムを導入されているなど新しい技術がモータースポーツに採用されていることについて、「例えば先日、南アフリカのイベントに参加した時には12時間の停電が発生した。フル電動マシンではこれでは競技が成立しない。色々な方式で柔軟に考えていいと思うが、自分はエンジンの音が好き。ガソリンの匂いだけでも心に残ったりする、そんな効果もあると思う」と語った。そのペターが日本初のWRC制した頃はまだ幼かったオリバーは「スバルのマシンの間をオモチャのクルマで走り回っていたことを覚えているよ」と思い出話を披露した。

Jun Uruno

続いては、今回のラリージャパンでラリー1マシンを操るトヨタの勝田貴元、エルフィン・エバンス、ヒョンデのティエリー・ヌービル、マルティン・ウィダグ、Mスポーツ・フォードのアドリアン・フルモーによるトークショーが行われた。勝田が「最終戦がジャパンになるので、特別な思い。楽しみながら力を出し切りたい」、エバンスが「昨年のジャパンでは2番手につけていたがパンクで逃してしまった。その経験を踏まえて前向きにトップを争いたい」と優勝宣言をすると、昨年のラリージャパンの覇者であるヌービルは「ここにいる人のほとんどはトヨタを応援すると思うけど、残念ながらみんなをガッカリさせるような昨年と同じ結果を狙うよ」、「ティエリーの言うように、いい勝負を見せたい」(ウィダグ)とコメント。今季初めてのラリー1マシンでの参戦に挑むフルモーも「ラリージャパンは初参戦だけど、チームとしていい結果を出したい」と、いずれも一歩も譲らない。

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その熱い気持ちは、その後に行われたEVカートによるレースでも大いに発揮された。トークショーに参加した7人に加え、レッキのみに参加するために来日していたオリバーのコ・ドライバー、エリオット・エドモンソンも加わって8台でのレースとなったが、10分間の練習走行時から、テール・トゥ・ノーズの応酬で激戦の予感。ウィダグ、エドモンソンのコ・ドライバー勢もドライバー陣に劣らない速さを披露した。練習走行のタイムによってグリッドが決まり、ポールポジションはオリバーが獲得。しかし、スピンによる逆走のペナルティが不問となってポールとなったため、“真のトップタイム”はヌービルがマークした。

10周によるレースは、序盤ヌービルが先行。一時は2番手の勝田にかなりの差をつけての圧勝かと思われたが、その差を一気に詰めてきた勝田がヌービルをパスして場内は大盛り上がりに。さらに終盤には、ヌービルがスウェーデンの雪壁よろしくバリアに当て込ながらのアグレッシブなパスで首位を奪還し、そのままゴール。2位にオリバー、3位に勝田が続いた。

Jun Uruno

好レースを披露した選手たちには、ラリージャパングッズの扇子と手ぬぐいが贈られたほか、上位3人には、ラリーの開催エリアである豊田市の特産である大ぶりのブランド梨『愛宕梨』と中津川市名物の五平餅が贈られた。『愛宕梨』には初競りで50万円の値がついたという情報に、周囲からはどよめきも。

最後は観客と選手が肩を寄せ合う距離まで集まっての記念撮影とサイン会まで行われ、ラリージャパン開幕直前の週末を大いに満喫したようだ。開幕前日の15日(水)には、豊田市駅東口まちなか広場で16時半から「ENJOY! Rally Fan Meeting in Toyota City」が行われる。こちらは、参加の事前申し込みは不要だ。

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