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WRCジャパン:安定のエルフィン・エバンスが3日目も首位をキープ、勝田貴元は6番手に浮上

©Toyota

2023年シーズンWRC第13戦ラリージャパン(ターマック)は、11月18日(土)に3日目の8SSを走行し、トヨタのエルフィン・エバンスが首位をキープ。1分15秒0差の総合2番手にセバスチャン・オジエ、1分40秒6差の総合3番手にカッレ・ロバンペラと、トヨタがトップ3を独占している。4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1をドライブする勝田貴元は、4回のベストタイムをマークし、総合6番手まで順位を上げた。

ラリー3日目は、愛知県の豊田市/岡崎市/新城市を舞台とする8SS、84.68km。午前中に「Nukata Forest(20.32km)」と「Lake Mikawako(14.78km)」を走り、岡崎中央総合公園に設けられた「Okazaki City SSS(2.84km)」を2回実施。岡崎でのタイヤフィッティングゾーンを挟んで、Nukata ForestとLake Mikawakoをリピートし、「Shinshiro City(6.70km)」と「TOYOTA Stadium SSS(2.10km)」を1回ずつ走行する。

2日目を終えた段階で、首位のエバンスと1分49秒9差で2番手のオジエ、2分6秒6差で3番手のロバンペラがつけており、上位3台をトヨタが独占。すでにセーフティリードとも言えるアドバンテージを手にしたエバンスだが、「ここまで良い戦いができているけど、まだラリーは長い」と、慎重に語る。前日デイリタイアを余儀なくされたヒョンデのティエリー・ヌービルは、マシンを直してリスタート。ダニ・ソルド(ヒョンデ)とアドリアン・フルモー(Mスポーツ・フォード)のふたりは、マシンのダメージが大きく、再出走を断念した。

前日の雨から一転、豊田スタジアムのサービスパークは青空が広がったが、ステージが設けられた地域は山がちで木々が生い茂っており、時折雨がぱらつく時間帯もある。路面が乾くと判断した勝田貴元(トヨタ)とオィット・タナック(Mスポーツ・フォード)はソフトタイヤを5本。それ以外のクルーはソフトタイヤとウエットタイヤを組み合わせてサービスを後にした。

Hyundai Motorsport GmbH


この日最長の20.32kmを走行するSS9。先頭スタートのヌービルがコースインするが、先に走行していたセーフティカーがステージ上でストップ。これにより赤旗が出され、ヌービル、勝田、タナック、エサペッカ・ラッピ(ヒョンデ)の4人にはノーショナルタイムが与えられることになった。このステージは総合2番手につけるオジエが、首位のエバンスに3.1秒差のSSベスト。ロバンペラは14.4秒差のSS3番手タイムをマークした。

前のステージでのトラブルもあり、15分ほど遅れてスタートしたSS10は、勝田がヌービルに1.1秒差のベストタイム。8番手を走るタナックとの差を18.8秒に縮めた。「僕の目標はEP(ラッピ)に追いつくこと。可能かは分かりませんが、できる限りプッシュします」と、勝田は視線は約1分先を走るラッピを射程にとらえている。このステージでは、ラッピがWRC2のアンドレアス・ミケルセン(シュコダ)とグレゴワール・ミュンステール(フォード)をパスし、総合4番手に順位を上げた。

リグループを挟み、選手たちは大勢の観客が集まった岡崎中央総合公園の特設コースへと挑む。スタート直後に白煙を上げながらドーナツターンを披露し、ファンからの歓声を背に、公園内に設置されたステージを駆け抜けていく。1回目の走行となったSS11はエバンスがタナックに0.2秒差のベスト。ラリー1勢はそのまま2周目のSS12へと挑み、こちらもエバンスが連続ベストタイムを決めた。SS11では、タナックがニコライ・グリアジン(シュコダ)をかわし、総合6番手へとポジションを上げている、

M-SPORT


クルーはサービスへと戻らず、岡崎中央総合公園のタイヤフィッティングゾーンで、タイヤの交換と簡易的な整備を実施。午後のセクションに向けてタナックとヌービルはソフトタイヤのみを選択、それ以外のクルーはハードとソフトを組み合わせてステージへと向かった。

午前中の2SSをリピートするSS13、日差しが入りほぼドライアップしているものの、日陰の部分は依然として滑りやすく、インカットによる泥も出ている。午前中は赤旗が出されたためにアタックできなかった勝田だが、オジエに2.8秒、タナックに4.2秒差をつける一番時計をマークしている。タナックはミケルセンを抜いて総合5番手、勝田がミュンステールとグリアジンをかわし、総合7番手に浮上した。

SS14、雪混じりの雨が降り始めたが、コンディションはほぼドライ。ここでも勝田がヌービルに0.8秒差をつけて連続ベストタイム。勝田がミケルセンを抜いて総合6番手へとポジションを上げている。続くは1回のみの走行となるSS15「シンシロ・シティ」。高速コーナー中心のショートステージも勝田が制し、前日に続いてこの日も3連続ベストタイムを決めた。

長い1日を締めくくるのは、この日も豊田スタジアムのスーパーSS。自由席の前売りチケットは完売、前日を大きく超える数のファンがスタンド埋め、大歓声のなかSS16を制したのは、前日のSS8に続いてラッピ。1.5秒差のSS2番手にタナック、2.1秒差のSS3番手にヌービル、2.6秒差のSS4番手に勝田が続いた。

Toyota


リスクを避け、安定したペースを刻んだエバンスが、盤石の展開で首位をキープ。総合2番手につけるオジエとの差は1分以上離れており、大きなアドバンテージを持って最終日に挑むことになった。総合3番手にロバンペラが入り、依然としてトヨタがトップ3を独占する。総合4番手はラッピ、総合5番手はタナック。総合6番手の勝田は、この日のスタート時点で約25秒もあったタナックとの差を14.9秒まで短縮してみせた。最終日と言えども84.08kmという距離が残されており、「明日もできる限りのプッシュをします」と、勝田はさらなるポジションアップを諦めていない。

競技4日目はSS17〜SS22の6SS、SS走行距離は84.08km。オープニングのSS17は、11月19日の7時05分にスタートする。

WRCラリージャパン SS17後暫定結果
1. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:28:20.8
2. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:15.0
3. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:40.6
4. E.ラッピ(ヒョンデi20Nラリー1) +3:09.3
5. O.タナック(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +3:35.3
6. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +3:50.2
7. A.ミケルセン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +5:11.3
8. G.ミュンステール(フォード・フィエスタ・ラリー2) +5:19.6
9. N.グリアジン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +5:54.6
10. K.カエタノビッチ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +12:51.6



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