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ダカール2024:ダカール連覇中のナッサー・アル‐アティヤがステージ5で今大会初のステージウイン

©Red Bull

ダカール2024は1月10日、サウジアラビアのアル・ホフフ〜シュバイタ間に設定された118kmのステージ5を走行。ダカール2連覇中のナッサー・アル‐アティヤが今大会初めてのステージウインを獲得した。

この日のショートステージは、イベントの山場となるエンプティ・クオーターの砂漠に向かうルートとなった。500kmを超えるリエゾンの後に迎えたステージは、砂丘の連続だ。

アルティメイトクラスの多くがこのステージを慎重に走る中、アル‐アティヤは全力で走行するアプローチを選択。今大会からマシンをプロドライブ・ハンターにスイッチしたアル‐アティヤは、ハンターで初めてのステージウインをマークした。これでアル‐アティヤがダカールでトップタイムをマークしたマシンは7台目となる。
「今日はこのステージを獲らなくてはならないと分かっていた。明日は600kmあるし、道を切り開く役目になったとしても気にならない。いくらかタイムをロスするかもしれないが、重要なのはあのロングステージを走り切ることだ」と語るアル‐アティヤは、これで総合2番手に躍り出た。

明日は4輪と2輪のエントラントが別々のコースを走行するため、4輪のカテゴリーにとって次の2日間の課題はバイクのラインがないこともポイントとなる。これを懸念したのか、カルロス・サインツ(アウディRS Q e-tron E2)は、明日有利なスタート順を得るために、この日は抑えた走りを見せた。
「次のステージで誰の戦略がベストなのかが分かるまで、2日待つ必要があると思っている」と胸の内を明かしたサインツは、アル‐アティヤに2分20秒差の総合3番手となっている。

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依然として首位を守っているのは、地元サウジアラビアのヤジード・アル-ラジ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)で、アル‐アティヤは9分のギャップを維持している。サインツのチームメイト、マティアス・エクストロームは4番手、同じくアウディを駆るダカール勝利14回を誇るステファン・ペテランセルも6番手に留まっており、アウディ勢3台がトップ6に食い込んでいる。
「今日のステージはこれまでよりもかなり短かったので、不思議な一日だった。明日からの2日間は砂丘で、バイクのラインがないことを承知で臨まなくてはならない」とペテランセル。

一方、TGRのルーカス・モラエス(トヨタGRダカールハイラックスEVO T1U)には波乱の一日となった。ステージ走行中に体調を崩し、満身創痍の状態でフィニッシュラインにたどり着いた。
「ステージの中盤までは順調だった。その後、気分が悪くなり始め、マシンを転倒させてしまった。さらに気分が悪くなってきたが、マシンをなんとか走らせることができた。ひどい一日を乗り切ったので、この先も走行を続けていく」とモラエス。

チームメイトのセス・キンテロは、前日のステージで牽引された後、この日は走行に復帰した。
「昨日のトラブルの後、メカニックの作業が朝の5時まで終わらなかった。それから、7時にはステージに出発した。まだ戦いに残れているのは、かなりすごいことだと思う」とキンテロ。

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セバスチャン・ローブ(プロドライブ・ハンター)と、ジニール・ドゥビリエ(トヨタGRダカールハイラックスEVO T1U)は戦略が対照的となった。ローブが意図的に後方に控えたのに対し、ドゥビリエはステージ勝者のアル‐アティヤに数分差まで迫った。
「今日抑えて、明日いいスタート順を得るというのがプラン。今日はタイムをロスしたが、明日は大きな勝利につながることを期待している」とローブ。

11日〜12日、シュバタヤ〜シュバタヤ間に設定されるステージ6は、新しい取り組みの48時間ステージとなっており、コンペティターは2日間で549kmのステージを走行。夜は砂丘に分散されたビバークでそれぞれ過ごす。

ダカール2024 カー部門 暫定結果(ステージ5終了時点)
1 Y.アル-ラジ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)17:24:04
2 N.アル‐アティヤ(プロドライブ・ハンター) +9:03
3 C.サインツ(アウディRS Q e-tron E2) +11:31
4 M.エクストローム(アウディRS Q e-tron E2) +19:42
5 M.セラドーリ(センチュリーCR6-T) +31:00
6 S.ペテランセル(アウディRS Q e-tron E2) +34:12
7 V.ザーラ(MINIジョン・クーパー・ワークス・ラリープラス) +37:07
8 G.ドゥビリエ(トヨタGRダカールハイラックスEVO T1U) +41:51

ランドクルーザー300GRスポーツで市販車部門を戦うチームランドクルーザー・トヨタオートボデーは、ステージ4で三浦昂がドライブする500号車にパワーステアリングのトラブルが発生。それでも部門1番手のタイムでこのステージを走り切った。500号車をサポートしながら後方を走行していた501号車のロナルド・バソは、299kmステージの60km地点で左フロントをヒット。ペースは上がらなかったが、部門2番手のタイムで走り終え、累積順位で2台が部門1‐2を維持している。
「朝、リエゾンを走り出したらパワステの油温が上がってきた。前回トラブルが出た時はアシストがなくなり、ステアリングが重くて大変だったので、ずっとケアしながら走った。無事にゴールできてほっとしている」と三浦。

HINO600シリーズで参戦する日野チームスガワラは、ハイスピードコースとなったステージ4、前日からのクラッチ滑りのトラブルに菅原照仁がドライビングで対処。多くの観客が集まったことからトラック部門は予定の25km手前でのフィニッシュとなったこのステージを、19番手タイムで終えた。累積順位は総合13番手となっている。

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