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MORIZO Challenge Cupが開幕、注目の初ラリーを制したのは山田啓介

©TOYOTA

全日本ラリー選手権JN-2クラスのサブカテゴリーとして、若手育成を目的に創設された「MORIZO Challenge Cup」が、初めてのラリーとなる「Rally三河湾2024 Supported by AICELLO」で開幕を迎えた。今大会は全日本選手権ラウンドとしても初開催の一戦。数々の波乱が起きるなか、FIT-EASY Racingの山田啓介/藤井俊樹組が接戦を制して優勝を飾った。

(以下、発表リリース)


MORIZO Challenge Cup 第1戦 Rally三河湾2024 Supported by AICELLO
「MORIZO Challenge Cup」が初開催
山田が貝原との接戦を制して優勝

TOYOTA

3月1日(金)〜3日(日)にかけて、愛知県・蒲郡市を拠点に2024年シーズンの全日本ラリー選手権(JRC)第1戦「Rally三河湾2024 Supported by AICELLO」が開催され、今季から導入された若手育成カテゴリー「MORIZO Challenge Cup」において、FIT-EASY Racingの山田啓介/藤井俊樹組が優勝を飾りました。

MORIZO Challenge Cup(MCC)は、若手ドライバー育成を目的に導入された全日本ラリー選手権JN-2クラスのサブカテゴリー。JN-2クラス車両規定をベースとしたトヨタGRヤリスで争われます。全日本ラリー選手権全8戦で開催され、25歳以下(一部条件付きで29歳以下)のドライバーが対象となります。1位~3位までの上位入賞者にMCC独自のポイントが与えられ、シリーズ年間成績優秀者には、フィンランドのTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamにおいて、ラリー講習への参加権利が与えられます。

開幕戦のラリー三河湾には、大竹直生選手、山田啓介選手、貝原聖也選手、KANTA選手、中溝悠太選手、稲葉摩人選手、星涼樹選手、最上佳樹選手の8名がエントリー。車両の関係で参戦を見送った稲葉選手以外の7名は、ターマック(舗装)を舞台とするバリエーション豊富な14のスペシャルステージ(SS・タイムアタック区間であり、タイムが計測されるコース)でスピードを競います。

ラリースタート前日のセレモニアルスタートでは、大会オーナーであるモリゾウ(豊田章男会長)が全選手へ熱いエールを送り、若手ドライバー達の真剣勝負の幕があがりました。

ラリー初日、序盤から素晴らしい速さを見せたのは、フィンランドでの豊富なラリー参戦経験を持つ大竹選手でした。SS2で初ベストタイムをマークすると、SS4からSS7まで連続ベストタイムを刻み、2番手につける貝原聖也選手に13.1秒の差をつけました。ところが、この日を締めくくるSS8でオーバースピードからコースオフ。車両のダメージが大きく、ラリー続行を諦めることになりました。

この結果、SS3でベストタイムを記録し、その後も安定したペースで走行していた貝原選手が初日を首位で折り返しました。4.1秒差の2番手に山田選手、大きく離れて3番手に中溝選手、4番手にKANTA選手がつけています。

ラリー最終日、SS9を制した山田選手が貝原選手をとらえて首位に浮上。貝原選手はSS10でベストタイムを獲りますが逆転には至らず、SS12を制した山田選手が合計タイム差を20.1秒に拡大します。逆転を狙う貝原選手は、難しいコンディションとなったSS13で山田選手を20.4秒引き離す圧巻のベストタイムをたたき出し、0.3秒ながらも山田選手を上まわって首位に立ちました。

しかし、SS13において貝原選手はスローパンクチャーに見舞われており、最終SSとなったSS14で大きくタイムロス。これで山田選手が逆転し、MORIZO Challenge Cupの初優勝、そして全日本ラリー選手権JN-2クラスにおいても、昨年の久万高原以来となる勝利を飾りました。2位に貝原選手、3位にはKANTA選手が入り、MORIZO Challenge Cupのポイントを獲得しています。

■山田啓介(MCC1位/JN-2クラス1位)
僅差の展開となった最終日は、クルマの状態を確かめつつ、できる限りのプッシュをしようと挑みました。特に午前中は、今できるベストの走りができたと思っています。SS13で貝原選手に逆転されてしまったのは、想定よりも抑えすぎてしまったことと、貝原選手の素晴らしい走りが理由です。今回、優勝できたことはうれしいですし、ぜひフィンランドにも行きたいです。次戦までは1カ月あるので、クルマをしっかり準備し、今回スピードを見せていた大竹選手に肩を並べられるように仕上げたいです。

■貝原聖也(MCC2位/JN-2クラス2位)
ラリー三河湾は、バリエーションに富んだSSが多く、勝ったり負けたりの展開になりました。SS13の終盤からスローパンクチャーしていたようで、最終SSでタイムを延ばせませんでしたが、この状況の中ではベストを尽くせたと思っています。完走することで、GRヤリスの動きを学ぶことができた点は収穫ですし、自分の成長につながる一戦になりました。最終日は一方的に山田選手に離される展開を予想していたのですが、今回のように僅差になったことで、この乗り方で合っているのだと自信になりました。

■KANTA(MCC3位/JN-2クラス7位)
最後まで走り切ることができて、本当にほっとしています。ただ、ラリードライバーとしての経験が浅いため、滑りやすい路面では走るだけで精一杯でした。ようやくスーパーSSのKIZUNAでは気持ち良く走れる状況にはなったのですが、最後は気持ちよく走り過ぎ、タイムロスをしてしまいました。今回、ひとつのラリーをすべて走り切れたことで、全体の流れをつかむことができました。走りに関しては、これから少しずつ進化していきたいです。

■大竹直生(最多SSトップタイム賞/JN-2クラス リタイア)
SS1が先行車両のトラブルにより走れなかったため、クネクネした道は今大会初めてでしたので、クルマのことを確かめながら走っていた段階でした。しかし、初日のSS8でコーナーに少しオーバースピードで入ってしまい、汚れた路面に足をとられてしまいました。ペースノートの精度などはフィンランドで学んできたことが活きて、以前、全日本ラリー選手権に出ていた時よりも確実に良くなっているという手応えがあります。結果は残念でしたが、ちゃんと走れば良いタイムを出せることが分かったので、しっかり反省して、次は確実にポイントを獲得できるようにしたいと思います。

全日本ラリー選手権第1戦 Rally三河湾2024 Supported by AICELLO
1 山田 啓介/藤井 俊樹(FIT-EASY Racing ZEAL GRYARIS) 1:17:21.9
2 貝原 聖也/西﨑 佳代子(ADVICS×多賀×K-One GRヤリス) +5.1
3 KANTA/保井 隆宏(TK motorsport GR Yaris) +4:18.8
4 星 涼樹/梅本 まどか(CUSCO GRヤリス) +5:37.4
R 大竹 直生/藤田 めぐみ(GR YARIS GR4 Rally)
R 中溝 悠太/小藤 桂一(カヤバ DUNLOP GR YARIS)
R 最上 佳樹/前川 富哉(FIT-EASY Racing ZEAL GRYARIS)
参戦8台、出走7台、完走4台



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