WRCサファリ：金曜日を終えた時点でトヨタがトップ3を独占

WRC第3戦サファリ・ラリーケニア（グラベル）は3月29日、ケニアのナイバシャを拠点にSS2〜SS7の6SSを走行。TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、カッレ・ロバンペラ／ヨンネ・ハルットゥネンがこの日全ステージでベストタイムをマークして総合首位に浮上。エルフィン・エバンス／スコット・マーティン、勝田貴元／アーロン・ジョンストンも2番手、3番手で続いた。本格的な競技初日を終えた時点でトヨタ勢がトップ3を独占し、イベント4連覇に向けて好発進を見せている。

（以下チームリリース）

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WRC 第3戦 サファリ・ラリー・ケニア デイ2
ロバンペラがデイ2の全6ステージを制覇し首位に立つ
エバンスは総合2位、勝田は総合3位につけ1-2-3体制を築く

3月29日（金）、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦サファリ・ラリー・ケニアの競技2日目デイ2が、ケニアのナイバシャを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ／ヨンネ・ハルットゥネン組 (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が総合1位に、エルフィン・エバンス／スコット・マーティン組(33号車)が総合2位に、勝田貴元／アーロン・ジョンストン組（18号車）が総合3位につけ、チームは1-2-3体制を築きました。

28日（木）にナイロビ郊外のカサラニで行なわれたスーパーSSで開幕したサファリ・ラリーは、29日（金）のデイ2からサバンナでの本格的な戦いがスタート。サービスパークが置かれるナイバシャの周辺で3本のグラベル（未舗装路）ステージを各2回走行し、その合計距離は127.58kmでした。3月のケニアは雨季の始まりとなりますが、デイ2の午前中は快晴に恵まれ気温は26度前後まで上昇。路面コンディションは全体的にドライでしたが、荒れている区間も多く、クルマとタイヤにとって非常に厳しい一日でした。

前日のスーパーSSで3番手タイムを刻み総合3位につけたロバンペラは、デイ2オープニングのSS2でベストタイムを記録し総合1位に順位を上げました。ロバンペラは、さらにSS3、SS4と3ステージ連続でベストタイムを記録。今大会最長となる31.50kmのロングステージSS4では、2番手タイムのライバルに約11秒差をつけ、総合2位エサペッカ・ラッピ（ヒョンデ）との差を15.5秒に拡大しました。午後の再走ステージが始まるころには上空に雲が広がり、一時的に降雨もありましたが路面は概ねドライコンディション。ロバンペラは午後も全ステージでベストタイムを記録し、デイ2の6ステージを全て制覇。総合2位のエバンスに56.9秒という大きな差を築いてデイ2を締めくくりました。

前日、総合6位につけたエバンスは徐々にペースを上げていき、午後のSS5では勝田と同タイムの2番手タイムを、SS6では3番手タイムを記録。さらに、デイ2最終のSS7を3番手タイムで走破した結果、総合2位につけていた勝田を抜かし、総合2位に順位を上げてデイ2を終えました。一方、勝田はスピードと安定性を両立させた走りを続け、午後の再走ステージでは2番手タイムを2回記録。ライバルのデイリタイアもあり、SS6終了時点で総合2位まで順位を上げました。最終のSS7では4番手タイムでエバンスに総合2位の座を奪われましたが、それでもエバンスと3.9秒差の総合3位につけています。ただし、勝田の6.5秒後方にはティエリー・ヌービル（ヒョンデ）がつけているため、表彰台を巡る戦いは明日も続きます。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
とてもいい一日でした。今日の午後は、サファリ・ラリーがいかに急激に厳しさを増すのかを目の当たりにしましたが、自分たちに関しては非常に喜ぶべき展開だったといえます。我々のクルマは信頼性が高く、ドライバーは忍耐強く戦いました。一日を終えてこの順位につけているのは素晴らしいことです。カッレは素晴らしい走りを続けて大きなリードを築きました。エルフィンはミッドデイサービスでセットアップを変更して自信を取り戻し、貴元も辛抱強く走り続けてくれました。とはいえ、すぐ背後にはティエリーが迫り、プレッシャーをかけ続けています。明日、もっとも大切なのは我慢強く走り続けることです。もし雨が降れば路面のぬかるみが酷くなる可能性が高く、そのようなコンディションを乗り切ることが何よりも重要になるからです。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)

自分たちにとっては本当にいい一日でした。今日はとにかく出走順を最大限に生かそうと考えていましたし、上手くペースをコントロールすることができたと思います。路面のコンディションが良いところではハードにプッシュすることができましたし、特に今日の午後は、荒れた場所ではクルマとタイヤをケアして走りましたが、それでもいいタイムを出すことができたので満足です。とはいえまだ先は長いですし、1分近いリードを築いていても、いかなることも起こり得るこのラリーではたいしたことではありません。もし大雨が降ったらギャップが大きく拡がり、タイムを大きく失う可能性もあります。ですので、明日も今日と同じような戦いを続けるだけです。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
サファリ・ラリーではいつもそうですが、とても大変な一日でした。今日もそうだったように、ここでは簡単にトラブルに巻き込まれてしまいます。自分たちについては、午前中はベストな状態ではありませんでした。思うように物事が運ばず、あまり上手く走れなかったですし、スピードも思うように上がりませんでした。クルマのバランスと自分自身のリズムに少し苦しみましたが、きっと少しコンサバティブ過ぎていたように思います。しかし、ミッドサービスでのセットアップ変更により午後は正しい方向に一歩前進することができましたし、タイムも少し良くなりドライビングを楽しむこともできました。後続とのギャップはまだ僅差ですし、明日は長い一日でなおかつ予想もつかないようなコンディションになるかもしれないので、まだ楽観的にはなれません。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
今日はとてもいい一日でしたし、クリーンに一日を過ごすことができました。ステージは予想通りかなり荒れていましたが、クルマは良く走ってくれましたし、とても扱いやすく感じられました。ただ忍耐強く、クレイジーな走りはしないという自分の戦略に従って一日を過ごしました。午後の最初の2本のステージでは、それほどプッシュしていなかったにも関わらず、いいタイムが出ました。最後のステージは路面が柔らかく、タイムを上げるためには思い切りプッシュしなければならなかったのですが、自分がそうだったように、注意深く走ってしまうと簡単にタイムを失うようなステージでした。明日は何が起こるか読めない重要な一日なので、とにかく道の上に留まり、自分自身の走りに集中するなど、今日やってきたことを明日もまた続けるつもりです。

サファリ・ラリー・ケニア デイ2の結果
1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 1h16m22.6s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +56.9s
3 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m00.8s
4 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1m07.3s
5 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (フォード Puma Rally1 HYBRID) +1m46.6s
6 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ (フォード Puma Rally1 HYBRID) +3m34.2s
7 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +6m51.3s
8 ジョルダン・セルデリウス/フレデリック・ミクロッテ (フォード Puma Rally1 HYBRID) +9m11.7s
9 カイエタン・カイエタノビッチ/マチェイ・シュチェパニャク (シュコダ Fabia RS Rally2) +10m14.3
10 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +10m28.8
(現地時間3月29日19時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

明日のステージ情報
競技3日目となる3月30日（土）のデイ3は、サービスパークの北側に位置するエレメンタイタ湖の周辺で「ソイサンブ」、「エレメンタイタ」、「スリーピングウォーリアー」という3本のステージを、日中のサービスを挟んで各2回走行します。そのうち、毎年様々なドラマの舞台になってきたスリーピングウォーリアーは昨年よりも走行距離が伸び、今大会最長となる36.08kmのロングステージです。6本のステージの合計距離は160.96kmと4日間で最長。リエゾン（移動区間）も含めた一日の総走行距離は409.52kmとなります。