WRCポルトガル事前情報:シーズンはグラベル7連戦へ突入 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCポルトガル事前情報:シーズンはグラベル7連戦へ突入

©TOYOTA Gazoo Racing WRT

WRCは5月9日〜12日、ラリーポルトガルで再びグラベルイベントを迎える。シーズンはここから、グラベルラリーが7戦続く。1973年にWRCが創設された年からカレンダーに加えられていたラリーポルトガルは、クルーにとっては過酷な試練となるが、ポルト近郊のステージには大勢の観客が集まる。

今年のラリーは、WRC全13戦中の第5戦となり、会期中の5月9日にはWRCプロモーター、FIA、ポルトガル自動車クラブが共催するビヨンド・ラリーフォーラムが開催される。この場でWRCプロモーターは「サステナビリティ・ロードブック」を正式に発表する。このロードブックには、ラリー界が今後、何世代にも渡ってこの競技を持続的に繁栄させ、スポーツの領域を超えてポジティブな遺産を残すためにどのように取り組んでいるかが記されている。

ラリーポルトガルは、WRCの関係者が一堂に会し、選手権のプロモーションをさらに強化するための計画を進める機会にもなる。FIAのチーフコマーシャルオフィサーであるクレイグ・エドモンソンとスポーツコミュニケーション部門の責任者であるトム・ウッドが、ポルトで直接話し合いに加わる。

一方で、選手権争いは開幕4戦で4人が入れ替わりに勝利を収めており、首位ティエリー・ヌービルと2番手のエルフィン・エバンスは、わずか6ポイント差と拮抗している。いずれも優勝経験を持っているこのイベントは、ソフトでサンディなグラベルから、轍、石の多いグラベル路とステージの性格が多彩。特に、2ループ目は、マシンとタイヤの摩耗に大きな影響を与える。

4WDマシンはすべて、公式サプライヤーのピレリタイヤを履く。ラリー1勢の最大使用本数は、シェイクダウンを含めて28。第1選択肢としてソフトコンパウンドのスコーピオンKX WRC SB、第2選択肢としてハードコンパウンドのスコーピオンKX WRC HBを供給する。

■エントリー状況
トヨタ・ガズーレーシングWRT: 直近2戦を制しているトヨタは、ポルトガルラウンドも4連覇中。このイベントには、エバンスと勝田貴元に加え、チャンピオン経験者のセバスチャン・オジエとカッレ・ロバンペラを揃ってエントリーさせる。ふたりが同じイベントに参戦するのは、今季初めて。4台体制で勝利を目指す。

ヒョンデ・シェル・モビスWRT:選手権リーダーのヌービルは、ヒョンデのポルトガル2勝目を狙う。オィット・タナックに加え、サードカーはダニ・ソルドが今季初登場。

Mスポーツ・フォードWRT:若手成長株のアドリアン・フルモー、グレゴワール・ミュンステールが、ポテンシャル発揮に挑む。

■サポートカテゴリー
WRC2部門は、39台と多数のエントリーを集めた。ランキングでトップ3に立つヨアン・ロッセル、(DGスポーツコンペティション、シトロエンC3ラリー2)、オリバー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)、ニコライ・グリアジン(DGスポーツコンペティション、シトロエンC3ラリー2)は3ポイント差にひしめいており、いずれもポルトガルに参戦する。

サファリで優勝を飾ったガス・グリーンスミス(トクスポーツ、シュコダ・ファビアRSラリー2)は、昨シーズンのポルトガルではWRC2優勝を飾っている。ピエール・ルイ・ルーベ(シュコダ)、テーム・スニネン(ヒョンデ)は、今季のWRC2初参戦。サミ・パヤリは、トヨタGRヤリス・ラリー2のWRC2初優勝を狙う。

モータースポーツ・アイルランド・ラリーアカデミーのウィリアム・クレイトン(フォード・フィエスタ・ラリー2)は、2023年のジュニアWRCチャンピオン。WRC5勝のクリス・ミーク(ヒョンデ)は、今年のポルトガル選手権では3勝を挙げている。このイベントは、国内選手権第4戦も併催されている。ポルトガル出身のパウロ・ネト、チェコのヤン・チェルニーは、それぞれWRCマスターズカップ、WRC3にエントリーしている。

■ラリールート

TOYOTA

今年のルートは2023年とほぼ同じだが、多少の変更が行われている。スーパーSSのFigueira da Fozは金曜日から木曜日夕方に移動し、金曜日は日中サービスは設定されない。Mortaguaは2回使用し、Goisは序盤のセクションが新しくなった。さらに、Montimが復活し、Paredesは日曜日から土曜日に移動。Cabeceiras de Bastoはレイアウトが改訂され、日曜日に2回走行する。

木曜日の夕方にはコインブラの中心地でセレモニアルスタートが行われる。金曜日は4SSを2回ループする129.84kmで、アラグニルでのタイヤフィッティングゾーンを挟む。土曜日は、37.24kmのAmaranteを含む4SSを2回走行する145.02kmの構成で、ルーサダのラリークロスコースでのスーパーSSも盛り込まれる。日曜日は計62.18kmの走行で、豪快なPedra Sentadaのジャンプが登場する名門ステージ、Fafeがパワーステージに指定されている。

■ラリーデータ
開催日:2024年5月9日〜12日
サービスパーク設置場所:マトジニョス
総走行距離:1353.08km
総ステージ走行距離:337.04km(SS比率19.94%)
総SS数:22

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3

■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]

エルフィン・エバンス(#33)
セバスチャン・オジエ(#17)
カッレ・ロバンペラ(#69)

[ヒョンデ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#11)
オィット・タナック(#8)
ダニ・ソルド(#6)

[Mスポーツ・フォードWRT]
アドリアン・フルモー(#16)
グレゴワール・ミュンステール(#13)

■2023年ラリーポルトガル最終結果
1 K.ロバンペラ/J.ハルットゥネン(トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッド)3:35:11.7
2 D.ソルド/C.カレラ(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド)+54.7
3 E.ラッピ/J.フェルム(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) +1:20.3

■近年のウイナー
2023年 K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッド)
2022年 K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッド)
2021年 E.エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)
2019年 O.タナック(トヨタ・ヤリスWRC)
2018年 T.ヌービル(ヒョンデi20クーペWRC)



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