WRC第6戦ラリーイタリア・サルディニアは、競技初日の6月1日にSS5〜SS12を走行。TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、セバスチャン・オジエ/バンサン・ランデが首位を維持して最終日を迎える。勝田貴元/アーロン・ジョンストンは、SS9でメカニカルトラブルによりデイリタイア。この結果、エルフィン・エバンス/スコット・マーティンは、ポディウム圏内に30秒差の4番手に順位を上げた。
(以下、チームリリース)
WRC 第6戦ラリー・イタリア サルディニア デイ2
オジエが首位を守りリードをさらに拡大
エバンスは総合4位に順位を上げる
6月1日(土)、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦ラリー・イタリア サルディニアの競技2日目デイ2が、サルディニア島北西部の「アルゲーロ」を起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)が首位を守り、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は総合4位に順位を上げました。また、前日総合4位につけた勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)はデイリタイアとなりました。
ラリー・イタリア サルディニアのデイ2は、サービスパークの東側エリアが戦いの舞台に。午前中に2本のステージを各2回走行し、午後には異なる2本のステージを各2回走行。8本のステージの合計距離は149.00kmと、3日間で最長の一日でした。天気は朝から非常に良く、路面コンディションは前日に続きドライ。気温は日中22度前後と、日差しは強くも過ごしやすい気候でした。
金曜日の午後から始まったデイ1で、オジエは総合2位のオィット・タナック(ヒョンデ)に4.5秒差をつけて首位に立ちました。そして迎えたデイ2は、オープニングのSS5でタイヤがホイールのリムから外れ、首位の座をタナックに明け渡すことになりました。しかし、続くSS6でスペアタイヤがない状態ながらオジエはベストタイムを刻み、首位に復帰。SS7では再び順位が入れ替わるなど一進一退の攻防が続き、午前中のセクションが終了した時点で、首位タナックと総合2位オジエの差は3.5秒となりました。
タイヤフィッティングゾーンでのタイヤ交換および、簡便な整備作業を経て始まった午後のループでは、SS9でオジエが2番手に6.8秒差をつけるベストタイムを記録。タナックを抜いて首位に返り咲きました。さらに、SS10、11とオジエは3ステージ連続ベストタイムでリードを拡大。最終のSS12をエバンスに次ぐ2番手タイムで走り切り、17.1秒のリードを築き首位でデイ2を走破しました。
デイ1で総合6位につけたエバンスは、3番手という比較的早い出走順でデイ2に臨むことになり、滑りやすい路面で思うようにペースを上げることができませんでした。それでもエバンスは堅実な走りを続け、上位のドライバーたちがトラブルやアクシデントでデイリタイアとなったことにより、総合4位にポジションアップ。デイ2最終のSS12では今大会初となるベストタイムを記録し、ポジティブに一日を終えました。
デイ1終了時点で総合4位につけていた勝田は、午前中最後のSS8で3番手タイムを記録。総合3位につけていたライバルのデイリタイアにより、ひとつ順位を上げました。しかし、午後1本目のSS9でトランスミッションに関する問題が深刻化。走行を続けることができなくなり、デイリタイアとなりました。チームは問題の原因を調査した上でクルマを修理し、勝田は日曜日に再出走する予定です。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
今回もまた、土曜日が終了した時点でトップに立つことができたので、我々としては素晴らしい気分です。セブは今日も見事なドライビングを見せてくれました。スペアタイヤが残っていなかったにも関わらず午前中はスピードを維持し、午後はアタックに転じました。 貴元もいい走りでダニ・ソルドを抑えていたので、トランスミッションに関する問題でストップしなければならなかったのは残念です。午前の最後のステージは非常に荒れていて、その結果何かが壊れてしまったようです。エルフィンは今回のラリーでなかなかベストなフィーリングを得られないでいますが、それでも安定した走りを続けています。ティエリーがミスをしたことにより、順位を上げることもできました。明日も全てが順調にいけば、選手権でプラスに働くかもしれません。明日の最終日は比較的距離が短いですが、誰もが全力で挑むと思うので、さらに緊迫した戦いになるでしょう。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
長くてタフな一日でした。 あるステージでは、他のステージよりも速く走ることができていたと思います。少し道幅に余裕があり、路面が砂っぽくなっているステージは自分たちに比較的合っていました。しかし、道幅が狭くツイスティなところでは、まだ少し苦労しています。他の何台かが一日を最後まで走れなかった状況で、自分たちが走り切れたのは良かったですし、その結果順位を上げることができました。もちろん、ポイントを獲得するためには明日も最後まで走り切らなくてはなりませんが、うまくいけば、より多くのポイントを得られるかもしません。
セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)
全体的に素晴らしい一日でした。ステージは非常に荒れていて本当に大変でした。特に午前中のステージは、これまで経験してきた中で最もラフなコンディションで、あまり楽しく感じられませんでした。とにかく生き残ることが全てでしたし、特に最初のステージでタイヤを1本失っていたので、午前中を無事走り切ることができて良かったです。午後は状況が一変し、走っていてとても楽しく感じました。走る喜びが戻ってきたことで、心からエンジョイすることができましたし、タイム差をつけることもできたので、今夜はとてもポジティブな気分です。明日もまだ荒れた路面に遭遇するかもしれませんが、それなりのスピードを保ち、今日と同じアプローチで臨む必要があります。
勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
午前中は全てが順調でした。とてもラフなステージが続くループで、特に最後のステージはクルマにとって非常に過酷でタフなものでした。それでも総合3位まで順位を上げることができたので、良い位置につけていたと思います。しかし、午前中最後のステージで異音が聞こえ始め、トランスミッションに問題があることに気がつきました。通常のミッドデイサービスであれば修理をできたかもしれませんが、タイヤフィッティングゾーンではそれほど多くの作業をできず、トライはしたのですが午後最初のステージで症状がさらに悪化し、クルマを止めざるを得ませんでした。とても厳しい状況ですが、これがラリーなので、前を向いて進むしかありません。
ラリー・イタリア サルディニア デイ2の結果
1 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 2h39m43.2s
2 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +17.1s
3 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +2m12.8s
4 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +2m43.3s
5 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ (フォード Puma Rally1 HYBRID) +5m28.8s
6 サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン (トヨタ GR Yaris Rally2) +5m38.5s
7 ヨアン・ロッセル/バンジャマン・ブルー (シトロエン C3 Rally2) +6m33.2s
8 ヤン・ソランス/ロドリゴ・サンフアン (トヨタ GR Yaris Rally2) +6m45.2s
9 カイエタン・カイエタノビッチ/マチェイ・シュチェパニャク (シュコダ Fabia Rally2 evo) +8m12.1s
10 マルティン・プロコップ/ミシャル・エルンスト (シュコダ Fabia RS Rally2) +8m22.1s
40 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +41m13.6s
(現地時間6月1日22時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
明日のステージ情報
ラリー最終日となる6月2日(日)のデイ3は、サービスパークの北側エリアで2本のステージを各2回走行。ミッドデイサービスおよびタイヤフィッティングゾーンは設定されません。SS14の再走ステージとなるSS16は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。4本のステージの合計距離は39.30km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は192.31kmが予定されています。