9月10〜12日にかけてスペイン北部のアストリアスで開催されたIRC第9戦ラリーアストリアスは、シュコダ・ファビアS2000を駆るヤン・コペッキーの逆転優勝で幕を閉じた。なお、このラリーでプジョーは3年連続となるマニュファクチャラーズタイトルを獲得している。
デイ1を終えて、トップはアバルトのジャンドメニコ・バッソ。8.2秒遅れてシュコダを駆る地元のアルベルト・エビア、10.4秒離れてシュコダワークスのヤン・コペッキーが3番手につけている。4位以降は2分以上遅れており、優勝争いは実質この3人に絞られたとみていい状況の中、ラリーカーはデイ2のスタートを切った。残されたステージは6SS、90.28km。
オープニングとなるSS10ではプジョーのクリス・ミークが一番時計。前日はパンクに見舞われ下位に沈んでおり、上位との差を少しでも詰めておきたいがための渾身のアタックをかけている。2番手につけていたエビアはこのステージでコペッキーにひっくり返され3番手に。
さらなるドラマが起きたのはSS12、11.96kmのステージでのこと。トップを行くバッソはスピンを喫しコースアウト。のみならずボディとリバースギヤまでダメージを追ってしまい、再び走り出すまでに7分半を失うという絶望的な状況に追い込まれた。これで労せずコペッキーがトップを奪取。コペッキーのライバルは9.5秒差で追いすがるエビアだけとなった。
バッソの脱落でプジョーのニコラ・ブイヨーとクリス・ミークは3番手を争いバトルを展開。とはいえミークはブイヨーに対して40秒近くのビハインドを負っている。残りは45km。ミークはキロあたり1秒詰めて追いつけるかどうかだ。全身全霊のアタックを繰り返すも、ブイヨーのスピードはそれを上回っていた。SS13では0.4秒、続くSS14では9.6秒の差で逆に差を広げられてしまう。
ところがこのSS14でエビアがパンクし6位にドロップ。これによりブイヨーとミークのプジョー勢は2〜3位を確定させた。そしてブイヨーは最終のサービス出口のTCにわざと遅れてチェックイン、ペナルティを受けミークを2位に押し上げた。
この結果、ミークはチャンピオンシップで辛くも首位を堅持。
プジョーは早々に3年連続のマニュファクチャラーズタイトルを決定している。