TOYOTA GAZOO Racingは、トヨタ自動車の社員メカニックが製作したヴィッツGRMNターボで全日本ラリー選手権に参戦することを発表した。
製作を担当したのは、「いいクルマづくり」に向けたラリーを通じての人材育成として今年4月に同社内に発足した凄腕技能養成部の社員メカニック。選抜された5名の社員メカニックは、今季、開幕戦から第4戦までラリーメカニックとして実戦を重ねながら、より速いスピードで様々な路面の変化に対応し、完走に導くための技能を学んできたという。その技能を活かし、衝撃に耐えうるための補強や、ダメージから車を守るための対策など、日本最高峰のラリーで勝利を目指す参戦車両の製作を進めてきた。車両名は「TOYOTA GAZOO Racing Vitz GRMN Turbo」。
緒戦となる7月23-26日に開催される第5戦「がんばろう!福島MSCCラリー2015」で、競技中のサービス作業もこの社員メカニックが務めるという。福島戦でドライバーを務めるのは、TOYOTA GAZOO Racing チャレンジプログラムで選出され育成プログラムを開始した勝田貴元。コ・ドライバーは永山聡一郎がエントリーされている。
ヴィッツGRMNターボは、JN3の絶対王者として君臨してきた天野智之が、今季から本格的に使用。JN5にステップアップしての挑戦だが、第4戦を終了した時点でポイントスタンディングスではクラス首位につけており、注目を集めている。
このJN5クラスは今季、トヨタ86、スバルBRZをはじめ、三菱ミラージュやホンダ・シビック、ダイハツ・ブーンX4などのラリー常連マシンに加え、プジョー208 GTi、MINIジョン・クーパー・ワークス・クロスオーバーが参入してくるなど豊富な車種が揃う激戦区だけに、トヨタの社員メカニックの奮闘を支えに、自らもラリー活動での成長を目指す勝田の走りにも注目が集まる。