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WRCフィンランド:勝田貴元、初導入のバーチャルシケイン「前方を見ていられないのは危ない」

©2024 FIA World Rally Championship / Round 09 / Rally Finland / 1st - 4th August, 2024 // Worldwide Copyright: Toyota Gazoo Racing WRT

WRC第9戦ラリーフィンランド、ユバスキラ市街地に設定された開幕のショートステージ、SS1で2番手タイムをマークした勝田貴元。スタート前のコメントをお届けする。


──レッキを終えての感想を聞かせてください。
いつものフィンランドですが、新しいステージや、かなり難しいステージも多いので、しっかりプッシュしながらいきたいと思います。天候も不安定なので、うまく走りのマネージメントができるようにしたいです。

──レッキでは雨は降っていましたか?
火曜日はあまり降りませんでしたが、水曜日はかなりひどかったですね。水曜日ほど降ると、コンディションとしても難しいと思います。広く全体的に雨というよりはスポットで降る感じなので、それがステージに当たるかどうかという感じになります。

──こうしたコンディションの場合、出走順はどこが一番最適だと思いますか?
どうでしょう。雨の量にもよると思いますが、通常、フィンランドではほかのラリーほど出走順の不利・有利はないはずです。あるとしても、2ループ目に小さい車両の轍などが自分のクルマと合わずに少し難しい、ということでしょうか。1ループ目はそんなに大きな差はないと思います。

──フィンランドは、母国ラリーとも言えるわけですよね?
もちろん、ここはふたつ目の母国ですし、高速でジャンプの多いステージは大好きなので、とてもエキサイティングなラリーだと思います。

──今年はどのような結果を期待していますか?
昨年は表彰台を獲得したのですが、今年はさらにコンペティター同士の戦いが接戦になっているので、最初からプッシュしていかなくてはなりませんし、天候も不安定で難しい週末になると思いますが、準備はできていると思います。

──ジャンプに臨む際、自分がどこで、どのようなコンディションで着地できるかというのは、ある程度想像できるものなのですか?
そうですね。

──それは、フィンランドのジャンプに慣れているからですか?
慣れているというのもありますが、クレストの形状や、クルマが浮く瞬間にクルマどういう状態になっているかとか、見た目でクレストの状態が分かるので、あとは着地のところがどうなっているかをレッキの時に確認しておけば、分かります。あまりにも危ないジャンプというか、クルマの姿勢が悪くなるジャンプは、ちゃんとペースノートに記載しておきます。

──今回、初めて導入されるバーチャルシケインについてはどう思いますか?
アイデアはいいと思いますが、再加速のタイミングを確認するためにはコ・ドライバーの足下にあるディスプレイを確認しなくてはならないので、自分にとってはあまり意味をなさない状況です。自分の目の前に情報があればいいと思うのですが、全員が慣れてシステムがうまく機能するようになればいいと思います。

──多くのドライバーも言及していましたが、コ・ドライバーの足下を見なくてはならないのは危ないですよね?
危ないと思います。結局は自分たちもGPSをフォローしなくてはいけなくて、車体にはGPSは付けておらずSASというタイムキーパーが使っているシステムが唯一のGPSなのですが、あれでスピードを測定しなくてはならないんです。でも、あのシステムにも多少ディレイがあるので、そのデータをディスプレイに表示していいかと聞いたらダメだと言われたので、そうなるとコ・ドライバーの足下を見るしかありません。コ・ドライバーが「いいよ」と言うまでブレーキを踏むという手もありますが、そうするとタイムラグができますしミスにつながる可能性も出てくるので、一番確実なのはドライバーが自分の目で見て確認しながら60kmまで落とすことなのですが、そうすると前を見ていることができなくなるので……。

──バーチャルシケインのある場所は直線なのですか?
そうです、そこは直線です。

──最初はトライアルで、これからどう推移していくかという感じですね。
そうだと思います。
(Keiko Ito)



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