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D-SPORT Racing Teamがミライース・ターボでK4-GP FUJI 10時間耐久に参戦

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D-SPORT Racing Teamは、8月11日、K4-GP 2024年FUJI 10時間耐久にミライース・ターボで参戦し、クラス8位で完走を果たした。前日の10日には参戦車両を公開し、チーム関係者と報道陣の座談会を開催している。

同チームは「モータースポーツを起点としたモノづくり・コトづくり」の活動の一環としてラリーやジムカーナに参戦。ダイハツ・コペンで挑んだWRCラリージャパン(2022年、2023年)では2年連続でクラス優勝を果たした。富士スピードウェイで行われる軽自動車の耐久レース「K4-GP」では2023年1月、最もベーシックな軽自動車であるミライース(NA/CVT)でエントリーし完走。23年8月にはターボ/MT化を行い、走行性能の向上を図った。この「ミライース・ターボ」は2024年のラリーチャレンジや全日本ラリー選手権第1戦ラリー三河湾、第5戦ラリー丹後のオープンクラスでも完走を続け、改良を重ねている。

ドライバーの相原泰祐(ダイハツ工業)によると、旧世代の軽自動車を知るユーザーから、4人乗車のターボ/MTを求める声が多く寄せられるという。
「僕らの世代はその楽しさを知りません。そこで昨年、ターボ/MTのミライースを作って富士を走ったところ、ノーマルよりも格段に楽しいと同時に、冷却とボディ剛性が課題だと分かりました。今年はTGRラリーチャレンジや全日本ラリー選手権に参戦し、改善を重ねてきました」
全日本ラリー丹後では、朝から想定以上に気温が上がりエンジンが熱ダレした。そこでメカニックが、サービス中にほかの作業をこなしながらフレッシュエアを導入する工夫を行った。すると、午後のリピートステージでは大幅なタイムアップを実現したそうだ。

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またボディにも様々な工夫が見られる。
「エコカーとして作られたミライースは、ホワイトボディの重量が軽い。強化するところを絞って補強すると、軽いまま剛性を上げることが可能です」と相原。ロールケージは全日本ラリーのレギュレーションに合致し、安全性だけでなくボディ剛性にも効果があるもの。アフターパーツを開発するD-SPORTとの協業が功を奏しているという。
「クルマの価格が高騰するなかで、中古のミライースを買ってきてアフターパーツを組み込むだけで、誰でも気軽にモータースポーツを楽しめる。全日本ラリーも耐久レースも同じスプリング/ショックアブソーバーで、減衰力の調整だけでいける。あとは世論が高まれば」

ゲストドライバーを務めた国沢光宏は、テスト走行の感触を語る。
「正直、あまり期待していなかった。そこそこ走ればいいと思ったんです。今日、コースインしてアクセルを踏んでみたら、去年、スーパー耐久で乗っていた車両をそのまま小さくした感覚で走れたんです。クルマの基本的な性格はちゃんとしたスポーツカー、レーシングカーになっています。走り出して1周したら『こりゃぁ面白いや』。楽しかったですよ。モータースポーツ入門には最高だし、熟年層のクルマ好きにもいい。10時間の耐久レースを1セットのタイヤで走り切れるのも魅力的です」

チーム監督の殿村裕一(ダイハツ工業)は、チーム編成の狙いを次のように話した。
「日本人にとって軽自動車はもっともベーシックなアシで、実際に運転する人のスキルも体格も様々です。今回のドライバーは、身長185cmの男性から152cmの女性まで、初心者から国際ラリーの優勝者までいます。これらがギュッと合わさった時に、クルマでどんな現象が起こるのか、とても貴重なデータになると思います。チームスタッフもダイハツ工業、D-SPORTをはじめ、色々な立場の人が集まっている。多くの視点で、みんなでやっているところが強みなので、これからもその姿勢は続けていきたいと思います」

ダイハツ工業の井出慶太GRC推進部部長は「我々は、みなさんと一緒になって日本のモータースポーツ活動を盛り上げていけたらと考えています。ヨーロッパのようにカルチャーとしてのモータースポーツが根付くことは、日本の基幹産業である自動車産業がもっと活性化して、日本が元気になることに繋がるのではと。トヨタグループの一員として広げられたらと思っています。国内の自動車販売の40%を軽自動車が占め、そのうち60%が女性というなかで、性別やスキルに関係なく誰でもモータースポーツをやろうよ、という意味で今回の参戦を発信していきたいですね。日本独自のセグメントである軽自動車を盛り上げたい。そこに『スポーツ』というテイストを織り込むことも日本らしさのひとつかなと思います。もちろんダイハツだけで担えるとは思っていなくて、ライバルメーカーも含めて話していけたらいいですね」

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