WRCアクロポリス:タナックがソルドを従えてトップ、首位快走のオジエはターボトラブルに – RALLYPLUS.NET ラリープラス
現地速報がすぐわかる! バックナンバーが読み放題。ラリプラLINE限定コンテンツ配信中

WRCアクロポリス:タナックがソルドを従えてトップ、首位快走のオジエはターボトラブルに

©HYUNDAI

2024年シーズンWRC第10戦アクロポリスラリー・ギリシャ(グラベル)は、9月6日(金曜日)に6SSを走行し、ヒョンデのオィット・タナックが、チームメイトのダニ・ソルドに21.8秒差の首位。45.2秒差の総合3番手にもティエリー・ヌービルが入り、トップ3をヒョンデが独占している。

今年のアクロポリスは、昨年から構成を大幅に変更することになった。アテネでのセレモニアルスタートは行われず、5日木曜日の夜にラミアで盛大なセレモニアルスタートを実施し、6日金曜日から本格的なラリーが幕を上げる。初日はラミアの西部の山岳エリアを走行。「Ano Pavliani(22.47km)」、「Dafni(21.67km)」、「Tarzan(23.37km)」の3SSをサービスを挟んでリピートする6SS、135.02km。20km強のタフなステージが並ぶ、ラリー最長の1日となる。

オープニングのSS1、予報どおりの晴天が広がり、コンディションはドライ。ここまでシーズン3勝を挙げているセバスチャン・オジエ(トヨタ)が、2番手スタートながら、オィット・タナック(ヒョンデ)に0.6秒差をつけてベストタイム。0.8秒差の3番手にアドリアン・フルモー(Mスポーツ・フォード)、パンクを警戒してフルアタックを回避した勝田貴元は2.7秒差の4番手でまとめた。

M-SPORT


ポイントリーダーのヌービル(ヒョンデ)は今回も先頭スタートによるグラベル掃除を強いられた上、エンジンが3気筒になるトラブルも抱え、このステージだけでベストから10.3秒も遅れた6番手タイム。「レッキの段階で想定した以上だった、ずっとグラベルを掃除することになったよ!」と肩を落とす。今シーズン厳しい戦いが続くエルフィン・エバンス(トヨタ)はパンクを喫し、スタートから15.1km地点でストップ。ステージ内でのタイヤを交換で2分以上のロスし、早くも優勝争いから脱落している。

SS2は「攻めすぎずにいい走りができた」と振り返った勝田がタナックに1.9秒、オジエに3.9秒差をつけるベストタイム。この結果、タナックが首位、勝田が0.2秒差の総合2番手にポジションを上げ、オジエは総合3番手に後退した。前のステージでパンクを喫したエバンスは、ターボトラブルにも見舞われており、スローダウン。このステージでも3分以上を失っている。

午前中のセクションを締めくくるSS3。総合2番手を走行していた勝田がペースノートのミスにより、スタートから5km地点で岩にヒット。右リヤホイールを失ったまま走行を続けるが、6.9km地点でマシンを止めた。トヨタは大きく遅れたエバンスに続き、勝田までもが戦線を離脱している。それでも、このステージではオジエがフルモーに4.9秒差をつけるベストタイムをたたき出し、再び首位に立った。

ハードタイヤを履いたことでマシンバランスに苦しむタナックは、11.2秒差の4番手と遅れ、首位から3番手へとドロップ。オジエに5.9秒差の2番手には、堅実に走行するフルモーが浮上した。19.4秒差の総合4番手にダニ・ソルド(ヒョンデ)。先頭スタートに苦しんだヌービルは、35.7秒差の総合5番手につけている。

ラミアでのサービスを挟んだ午後のセクション。総合2番手につけていたフルモーが、スタートから10km地点のジャンプで着地に失敗。フロントサスペンションに大ダメージを負って、リタイアを決めた。首位のオジエはタナックに1.9秒差のベスト。フルモーの脱落により、11.7秒差の総合2番手にタナックが浮上する。総合3番手にソルド、総合4番手にヌービルと、オジエに続き3台のヒョンデ勢が並ぶ。

TOYOTA


SS5、ここまで好調に走行を続けてきた首位のオジエにまさかのターボトラブルが発生してしまう。ベストのタナックから16.7秒差の6番手タイムに沈み、トップの座から陥落。オジエに5.0秒差をつけてタナックがトップに立った。「ステージ終盤で突然パワーダウンした。自分たちにできることは何もなかったよ」と、うなだれた。

ターボトラブルによるパワーダウンを抱えたオジエは、続くSS6でもペースを落としたまま走行を続け、2分以上をロス。総合4番手に順位を落としながらも、なんとかすべてのステージを走り切った。ここではヌービルがソルドに0.7秒差をつけて、今ラリーの初ベストタイム。首位にタナック、21.8秒差の総合2番手にソルド、45.2秒差の3番手にヌービルと、ヒョンデ勢がトップ3を独占した。

首位から2分26秒4差の総合4番手にオジエ。2台のラリー2勢を挟み、総合7番手には午前中はハンドブレーキトラブル、SS6ではパンクに見舞われたグレゴワール・ミュンステール(Mスポーツ・フォード)がつけている。

競技2日目はSS7〜SS12の6SS、SS走行距離は116.23km。オープニングのSS7は、日本時間9月7日の日本時間14時16分にスタートする。

WRCアクロポリス SS8後暫定結果
1. O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1) 1:40:16.9
2. D.ソルド(ヒョンデi20Nラリー1) +21.8
3. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +45.2
4. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:26.4
5. R.ビルベス(シュコダ・ファビアRSラリー2) +3:10.9
6. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +3:12.4
7. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +4:08.4
8. K.カエタノビッチ(シュコダ・ファビアRSラリー2)  +4:09.0
9. F.ザルディバール(シュコダ・ファビアRSラリー2)  +4:19.7
10. N.グリアジン(シトロエンC3ラリー2) +4:22.5



ラリプラメンバーズ2024募集中!!