WRCチリ事前テストに参加したサミ・パヤリ「あっという間の2年間。プレッシャーは感じていない」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCチリ事前テストに参加したサミ・パヤリ「あっという間の2年間。プレッシャーは感じていない」

©TOYOTA

トヨタから、WRC第11戦チリ(グラベル)とWRC第12戦セントラルヨーロッパ(ターマック)にトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドでの参戦が発表された、サミ・パヤリ。8月に母国で開催された第9戦フィンランドでラリー1マシンデビューを飾り、ここで衝撃的な好走を披露してから、一気にトップカテゴリーでの活躍に期待が高まっている。9月11日には、フィンランドでWRCチリに向けてイベント前テストに参加したパヤリのコメントが届いた。

「WRCチリに参戦するのは2度目。昨年はWRC2部門に参戦していい成績を収めたから(WRC2部門3位、WRCチャレンジャー部門優勝)、またチリに参戦できるのは、もちろん自分自身としてはワクワクしている。でも、今回(WRCアクロポリス)は、チームとしては厳しい内容になったし、今季もチャレンジングなシーズンになっている。タカにとっても厳しい一年となっているので少し気の毒にも思うが、彼はまたすぐにラリー1マシンに戻ってくる。自分も、自身の参戦を楽しみにしている。WRCチリとWRCセントラルヨーロッパで目指すのは、できる限り多く経験と走行時間を積んで、ラリー1での貴重なマイレージを稼ぐこと。だから、リザルトに関してはプレッシャーは感じていない」

TOYOTA

WRCチリでは、同じく若手のマルティンス・セスクスがMスポーツ・フォードからハイブリッドなしのラリー1マシンで参戦する。
「彼と同じイベントに出ることになるとは思っていなかったから、ちょっと不思議な気分だけど、もちろん同世代の若手がいるのはうれしいし、彼とは違うマシンで何年も戦いあってきた仲。今回も、お互いにちょっと仕様の違うマシンだけど、また一緒のイベントで走れるのを楽しみにしているよ」

WRCセントラルヨーロッパは、パヤリにとってラリー1マシンでの初めてのターマックラリーとなる。3カ国をまたいで開催されるこのラリーは、道の性格がそれぞれに違い、不安定な天候も懸念される難しいラウンドだ。
「今回のフィンランドのテストでも天気としては難しいコンディションだったけれど、セントラルヨーロッパは、フィンランドやチリよりももっとチャレンジングになるだろうね。いずれにしても、ラリー1マシンでの初めてのターマックイベント、初めてというのはいつでもエキサイティングだよ。昨年のあのイベントは天気がすごく過酷だったから、簡単にはいかないと思うけど、焦らずに自分のペースで走り経験を積んでいくだけ」

今後、ワークスドライバーとしての抜擢も期待されるのではと見られる動きにパヤリは「ラリー2での走りでチームが自分を信頼してくれたのは、もちろんうれしいし、ラリー1で走ったフィンランドでもさらに成長を見せられてよかったと思う。この先も同じように進んでいき、将来もっとラリー1に乗れるチャンスを得たいと思っているが、それを実現するためにはたくさんの人が関わっているから、自分の力だけでどうにかなるものではない。自分は自分のやるべきことをしっかりやって、結果にどうつながるかを待つだけだよ」

TOYOTA

トヨタGRヤリス・ラリー2でWRC2部門に参戦したWRCアクロポリスでは、すべてのステージを終えてシュコダ・ファビアRSラリー2のロベルト・ビルベスと同タイムとなり、SS1のタイムで上まわっていたことで規定により優勝を手にしたパヤリ。これにより、タイトル争いにも最後の望みをつないだ。パヤリが選手権を制すれば、GRヤリス・ラリー2にとっては実戦デビューシーズンでのタイトル獲得となる。WRC2部門はそれぞれにノミネートした参戦7戦中、ベスト6戦の合計ポイントで争われるが、パヤリは今季はまだ一戦を残しており、WRCジャパンにはWRC2部門に登場することになりそうだ。
「WRC2のタイトルは、完全には気にしていない。もちろん、まだラリー2マシンでの参戦が一戦残っているけど、チリでオリバー(ソルベルグ、WRC2部門の選手権リーダー)がいい結果を収めれば、自分たちのタイトルの可能性はほぼなくなる。そうだとしても、残りの一戦はベストを尽くすよ。WRC2部門でも自分たちは今シーズン3勝、さらにポディウム2回と強い戦いができているので、そこは心から喜んでいいと思う」

2年前は、まだラリー3マシンとラリー2マシンが混在したプログラムで参戦していたパヤリ。
「この2年間は本当に早かったけど、4〜5年前のことを考えても、あっという間。でも、自分はどのクラスも飛び越えることなく、ラリー5、ラリー4と一歩ずつステップアップしてきた。かなり短い期間で進んでは来たけど、最高の人々とともに過ごしてきたから、本当に素晴らしい旅になっているよ」



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