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WRCチリ:トヨタはGRヤリス・ラリー1ハイブリッドを4台エントリー

©TOYOTA

TOYOTA GAZOO Racing WRTは、9月26日〜29日にかけてチリのコンセプシオンを拠点に開催される2024年WRC第11戦ラリーチリ(グラベル)にタイトル争いでの巻き返しを図るべく、レギュラーのエルフィン・エバンス/スコット・マーティンに加え、現王者のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン、8冠王者のセバスチャン・オジエ/バンサン・ランデを投入。さらにWRCフィンランドで衝撃的なラリー1デビューを飾ったサミ・パヤリ/エンニ・マルコネンが、4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドでエントリーする。

(以下チームリリース)


WRC 第11戦 ラリー・チリ・ビオビオ プレビュー
3回目のWRC開催となる南米のグラベルラリーに
4台のGR YARIS Rally1 HYBRIDで参戦

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)は、9月26日(木)から29日(日)にかけて、南米チリのコンセプシオンを中心に開催される2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第11戦「ラリー・チリ・ビオビオ」に出場。カッレ・ロバンペラ(GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)、サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン(5号車)の4台のGR YARIS Rally1 HYBRIDで臨み、今シーズン7勝目と、選手権での巻き返しをはかります。

ラリー・チリは、2019年の5月に初めてWRCとして開催され、昨年4年ぶりにWRCのカレンダーに復帰したグラベル(未舗装路)イベントです。今回も戦いの舞台となるのは、南北に長いチリの中部に位置するビオビオ州。その州都であるコンセプシオンに、今年もサービスパークが置かれます。コースは森林地帯の中高速ステージが大部分を占め、北欧のラリーのようなフラットな路面と流れるようなコーナーが連続します。しかし、同時にツイスティなコーナーも少なくなく、昨年は多くの新しいセクションが加わりました。さらに、昨年は開催時期が5月から9月に移動した影響もあり、路面コンディションが大きく変化。タイヤをすり減らすようなざらざらとした路面が増えたことで、タイヤのマネージメントも非常に重要な一戦となりました。今年も引き続き開催時期が9月のため、天候次第では昨年と同じようなタイヤに厳しいコンディションとなる可能性があります。

TGR-WRTは今回、ロバンペラ、オジエ、エバンスの3名をマニュファクチャラーズポイント獲得ドライバーとして登録。現世界王者のロバンペラと元世界王者のオジエは、今シーズン全てのイベントには出場していないにも関わらず、それぞれ3勝を獲得しています。彼らは直近のラリーでも最終日まで首位を走行していましたが、アンラッキーな出来事により優勝を逃しました。それだけに今回はシーズン4勝目を得るべく、モチベーションを高めています。一方、エバンスは不運なラリーが数戦続きましたが、今回のチリで流れを変えようと強い意志でラリーに臨みます。また、今回は今年のラリー・フィンランドで初めてトップカテゴリー車両のGR YARIS Rally1 HYBRIDをドライブし、総合4位を獲得したパヤリが、4人目のドライバーとして出場します。サポートカテゴリーであるWRC2に、GR Yaris Rally2で出場しているパヤリは、前戦アクロポリス・ラリー・ギリシャで今シーズン3回目となるWRC2優勝を獲得。総合でも4位に入る好結果を残しました。TGR-WRTは、世界中の様々な道で若く才能あるドライバーを育てる取り組みの一環として、変化に富んだチリの未舗装路で最高の経験を積む事を期待し、パヤリに再びGR YARIS Rally1 HYBRIDのステアリングを委ねます。

なお、WRC2では、今回初めてGR Yaris Rally2がヨーロッパ圏外のラリーに出場。ここまでGR Yaris Rally2は、直近のグラベルイベント6戦のうち、4戦で勝利を飾っています。今回のチリに関しては、5月の第5戦ラリー・ポルトガルでWRC2を制したスペイン人ドライバーのヤン・ソランス(テオ・マルティン・モータースポーツ)が出場し、シーズン2勝目を目指します。

2024年のラリー・チリは、26日(木)の午前中にシェイクダウンが、夜7時からコンセプシオンでセレモニアルスタートが行われます。競技は27日(金)の朝から始まり、サービスパークの南東エリアでデイ1として3本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走ります。28日(土)のデイ2と29日(日)のデイ3は、サービスパーク南側、ビオビオ川の西側エリアが戦いの舞台に。デイ2は、これまで使われたことがないセクションも含む3本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。その合計距離は139.20kmと、三日間で最長の一日となります。ラリー最終日のデイ3は一日を通してサービスの設定がなく、2本のステージを各2回走行。4本のステージの合計距離は54.80kmと短く、そのうち最終のSS16は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。全16本のステージの合計距離は306.76km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1239.23kmとなります。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
直近の2戦は、チャンピオンシップにおける我々の目標という点では思い通りに行きませんでしたが、戦いを諦めるつもりはありません。シーズン最後の3戦で勝利を収めることに集中し、ライバルにプレッシャーをかけ続けるためにできる限りのことをしていくつもりです。チリで良い結果を残したいというモチベーションがチーム全体にみなぎっていますし、エルフィン、セブ、そしてカッレという非常に強力なドライバー陣で優勝を目指します。ステージは全体的にハイスピードで、流れるようなコーナーが続くので、我々のドライバーとクルマには合っているはずです。昨年出場して発見したことのひとつは、路面がドライな状況ではタイヤの摩耗がかなり激しいということなので、その点には注意する必要があります。サミにとっては、フィンランドで示した非常にいい走りをベースに、異なる地の道でRally1カーをドライブする際のフィーリング確かめ、経験を積むいい機会となるでしょう。全てが上手くいけば、チリの道も彼に非常に合っている可能性があるので、今回も力強いパフォーマンスを見ることができるかもしれません。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
チームの巻き返しに貢献できるように、チリでは全力を尽くします。チリの道はハイスピードで、フィンランドのように流れるようなコーナーが続きます。しかしグラベルと路面のベースは特性が大きく異なるので、タイヤの摩耗コントロールが非常に重要です。昨年は自分たちにとって簡単なイベントではありませんでしたが、少なくとも速さはあったので、チームとともに昨年の戦いから学びを得、クリーンに週末を戦い、表彰台争いに加わりたいと思います。この夏ヨーロッパで出場した数戦では、非常に良いペースで走ることができたので、今回もスタートから良いフィーリングを得られることを期待しています。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
チリの道を走るのは本当に楽しいので、ラリーを心待ちにしています。ステージはデイによってキャラクターが少しずつ異なります。初日の道は起伏が多く、ある意味フィンランドに似たテクニカルなコースです。2日目はより道幅が広く視界も開けていて、ウェールズにも少し似ています。昨年は、少なくともペースという点については、自分たちは速さを発揮できていました。ただ、ドライコンディションでのタイヤの摩耗を過小評価していたために、優勝を狙うチャンスを逃してしまいました。ですので、天候次第ではそうなる可能性があるということを、心に留めておく必要があります。ここ数戦は様々な理由で難しいラリーが続きましたが、今回のチリではよりポジティブな結果を残せることを願っています。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)
前戦ギリシャでの我々のチャレンジは、期待していたよう結末にはならず、両チャンピオンシップにおけるポイント差は悪い方向に拡がってしまいました。しかし、まだ逆転できる可能性はありますので、シーズン最後の3戦は諦めずに全力を尽くして戦います。昨年、私はチリに出場しませんでしたが、2019年に出た時の記憶では、走っていて楽しいステージでした。また、南米らしい非常に素晴らしい雰囲気も感じたので、再びチリに戻れることを嬉しく思います。今回は知っているセクションと、初めて走るセクションが混在すると思いますが、私自身はチャレンジを恐れていません。最近の我々のペースはかなり良く、ライバルたちよりも平均して高いポイントを獲得しているので、この調子を維持できればと思っています。

サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 HYBRID 5号車)
チリで再びRally1車両に乗れることに、とても興奮しています。自分にとって、本当に楽しめるイベントになることを願っています。昨年初めてWRC2カテゴリーでチリに出場しましたが、かなりいいペースで走ることができました。ステージの道は良く、ほとんどがハイスピードで流れるようなコーナーが続くなど、フィンランドと少し似ているところがありますが、もちろん特有の難しさもあります。自分としては、フィンランドの時と同じような週末を過ごせればと思っています。運転を楽しみ、1キロメートルごとに上達し、結果についてはプレッシャーを感じないようにしたいと思います。とにかく、このクルマで経験を積み、可能な限り運転する時間を増やすことが重要です。



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