WRCドライバーズ選手権2番手でWRC第11戦チリを迎えたオィット・タナックだが、ヒョンデのチームメイトで首位に立つティエリー・ヌービルをかわして2度目の世界タイトルを獲得することは、壁が高いと考えているようだ。
9月26日にチリのコンセプシオンで開幕した今季のWRC最後のグラベルイベントを、タナックはヌービルに34ポイント差で迎えた。チリを含めて今季残り3戦で獲得できる最大ポイントは90。
まだ一度も世界タイトルを手にしていないヌービルは、今季ここまでの10戦で10ポイント以上獲得できなかったのは、一戦しかない。チリでは開幕ステージから砂利掃除役を強いられるが、どうしても勝たなくてはならないというプレッシャーはない。
「最後の3戦は、差をコントロールすることに重点を置く。そのためにも、チリは重要なイベント」とヌービルは語っている。
一方、タナックは、ヌービルのタイトル獲得を阻止できるかという問いに対し「可能性が低い部類に入るね。ティエリーが残り3戦で0ポイントになる場合もあるかもしれないが、自分たちは最大限の力を発揮し、残り3戦で何が起こるか見守ることしかできない」
昨年のWRCチリではMスポーツ・フォードから参戦して勝利を飾っているタナックだが、WRC開催3回目を迎えたこの南米のグラベルイベントでは、過去の成功は何の意味も持たないという。
「過去に起きたことは、過去のこと」とタナック。
「経験があるのはいいことだが、違うマシン、違うチームから参戦するのだから、その経験を活かすのは難しい。自分たちは、またゼロから始めなくてはならない。もちろん、優勝は目指すよ」
(Graham Lister)
WRCドライバーズ選手権ランキング(第10戦終了時点)
1 T.ヌービル(ヒョンデ) 192
2 O.タナック(ヒョンデ) 158
3 S.オジエ(トヨタ) 154
4 E.エバンス(トヨタ) 140
5 A.フルモー(Mスポーツ・フォード) 130
6 K.ロバンペラ(トヨタ) 86