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WRCチリ:霧やウエットに見舞われた最長の1日、ロバンペラがエバンスを逆転

©TOYOTA

2024年シーズンWRC第11戦ラリーチリ(グラベル)は、9月28日(土)に6SSを走行し、トヨタのカッレ・ロバンペラが、チームメイトのエルフィン・エバンスに15.1秒差の首位。33.6秒差の総合3番手にオィット・タナック、43.7秒差の総合4番手にティエリー・ヌービルと、ヒョンデのふたりが続いている。

土曜日のルートはコンセプシオンの南に位置する「Pelun(15.65km)」、「Lota(25.64km)」、「Maria las Cruces(28.31km)」をサービスを挟んでリピートする6SS、139.20km。今回最長の「SS9/SS12 Maria las Cruces」を含むラリー最長の1日となる。

今シーズンから導入された新ポイントシステムにより、土曜日終了段階でトップ10に入っていたクルーは、最終日を完走することを条件に「18-15-13-10-8-6-4-3-2-1」の配分でポイントが与えられる。初日のSS3後にデイリタイアを選んだマルティンス・セスクス(Mスポーツ・フォード)がマシンを修理し、再出走を果たした。

オープニングのSS7は、前日夜半に降った雨により一部ウエットが残るなか、首位のエバンスが、セバスチャン・オジエ(トヨタ)に0.9秒差、ロバンペラに1.4秒差のベストタイム。エバンスを追う総合2番手のタナックはマディな箇所を警戒し、4.1秒差の4番手タイムに留まり、エバンスとタナックの差は7.1秒に拡大した。後方ではグレゴワール・ミュンステール(Mスポーツ・フォード)を抜いて、ヌービルが総合5番手に順位を上げている。

HYUNDAI


SS8、ロバンペラが、走行時に霧が出たことでスピードを抑えたエバンスに9.7秒差の一番時計を刻む。これでスタート直後にスピンを喫したタナックをかわし、ロバンペラが総合2番手にポジションアップ。首位エバンスとの差も1.8秒とし、一気に射程に捉えている。総合9番手につけていたセバスチャン・オジエ(トヨタ)は、フィニッシュ目前でコースオフ。右フロントサスペンションにダメージを負い、ラリー続行を断念した。

この日最長の28.31kmを走るSS9。走行直前に降雨があったため、ステージの一部がかなり滑りやすくなっている。「路面が予想以上に濡れていた」と振り返ったエバンスが、ヌービルに8.0秒差をつけるベストタイム。総合2番手のロバンペラは9.5秒差の4番手タイムに沈んでおり、エバンスのアドバンテージは11.3秒に拡大した。17.4秒差の総合3番手にタナック、リスクを警戒したパヤリをかわし、ヌービルが総合4番手にポジションを上げた。

コンセプシオンのサービスを挟んだ午後のセクション。SS10はエバンスがロバンペラに2.3秒、タナックに3.3秒差のベストタイム。ロバンペラとの差は13.6秒に広がっている。

このままリードを拡大するかと思われたエバンスだったが、思わぬ罠が待っていた。午前中と同様に濃霧となったSS11、「ボンネットから先が全く見えなかった」と語ったエバンスは大きくペースを落とし、このステージでベストのヌービルから24.1秒、ロバンペラから19.1秒も遅れてしまう。これでエバンスは総合2番手にドロップ、5.5秒差をつけてロバンペラがついに首位に立った。総合5番手につけていたパヤリも安全策を取っており、アドリアン・フルモー(Mスポーツ・フォード)、ミュンステールに抜かれ、総合7番手に順位を落としている。

M-SPORT


この日を締めくくるSS12はフルモーがロバンペラに0.8秒差をつけるベスト。エバンスは滑りやすいコンディションに合ったソフトタイヤの手持ちがなく、ここでもペースが上げられず。10.4秒差の4番手タイムに終わり、首位ロバンペラとの差は15.1秒にまで離されてしまった。最終日を前にトップポジションを手にしたロバンペラは「ダンプがあったり、霧が出たりと、かなり難しかったね。特に最後のステージは道の上に留まるだけで精一杯だった」と、難しい1日を振り返っている。

33.6秒差の総合3番手にタナック、43.7秒差の総合4番手にヌービルとヒョンデの2台が入り、総合5番手には前日から3つポジションを上げたフルモーが入った。経験不足から少しずつ上位から遅れてしまったパヤリだったが、SS12でミュンステールをかわし、総合6番手。「初めて走るステージでは、ラリー1でどう走ればいいか、理解しながらドライブすることができたよ」と、成果を語っている。

競技3日目はSS13〜SS16の4SS、SS走行距離は54.80km。オープニングのSS13は、日本時間9月29日の日本時間20時23分にスタートする。

WRCチリ SS12後暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:25:14.3
2. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +15.1
3. O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1) +33.6
4. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +43.7
5. A.フルモー(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +1:23.0
6. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:49.5
7. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +1:50.6
8. E.ラッピ(ヒョンデi20Nラリー1) +5:14.6
9. N.グリアジン(シトロエンC3ラリー2) +6:28.2
10. G.グリーンスミス(シュコダ・ファビアRSラリー2) +6:45.0

WRCチリ 土曜日終了時点暫定ポイント
1. K.ロバンペラ 18
2. E.エバンス 15
3. O.タナック 13
4. T.ヌービル 10
5. A.フルモー 8
6. S.パヤリ 6
7. G.ミュンステール 4
8. E.ラッピ 3
9. N.グリアジン 2
10. G.グリーンスミス 1



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