2024年シーズンWRC第12戦セントラルヨーロッパ(ターマック)は、10月19日(土)に6SSを走行し、トヨタのセバスチャン・オジエが、ヒョンデのオィット・タナックに5.2秒差の首位。14.0秒差の総合3番手にトヨタのエルフィン・エバンス、勝田貴元(トヨタ)は1分31秒8差の総合5番手につけている。
土曜日はカルプフハムのサービスを拠点に、ドイツとオーストラリアのステージを走行。「Granit und Wald(20.05km)」、「Beyond Borders(24.33km)」、「Schardinger Innviertel (17.35km)」を午前と午後でリピートする6SS、123.46km。ラリー最長の1日となる。
今シーズンから導入された新ポイントシステムにより、土曜日終了段階でトップ10に入っていたクルーは、最終日を完走することを条件に「18-15-13-10-8-6-4-3-2-1」の配分でポイントが与えられる。前日コースオフを喫したアンドレアス・ミケルセン(ヒョンデ)はマシンを直し、再出走を果たした。
オープニングのSS9、タナックがオジエに3.9秒、エバンスに4.6秒、勝田に4.7秒差をつけるベストタイム。首位のティエリー・ヌービル(ヒョンデ)は、予想以上に汚れた路面を警戒し、7秒遅れの5番手タイム。この結果、タナックがオジエをかわして総合2番手に浮上し、首位ヌービルにも0.8秒差にまで迫ってきた。
後方では、総合7番手のアドリアン・フルモー(Mスポーツ・フォード)が、フロントデフに問題を抱えたまま後輪駆動で走行し、ステージ序盤でコースオフ。コースに復帰したものの、20秒近くをロスした。フィニッシュ後、バーチャルシケイン違反により、勝田に16秒のペナルティが課されている。
霧が立ち込め、路面の一部にウエットが存在するSS10。エバンスが、オジエに1.2秒差、ヌービルに2.3秒差をつけるベスト。タナックは7.2秒差の5番手タイムに留まり、オジエが再び総合2番手に順位を戻した。パンクを喫したフルモーは、ステージ内でタイヤを交換。5分以上をロスし、総合16番手まで大きくポジションダウン。トラブルを抱えるフルモーは、SS11へと向かうロードセクションでリタイアを決めた。
SS11、首位のヌービルがステージ序盤でスピン。走行を続けたもものの、今度はコースオフを喫し、ディッチにはまってしまう。復帰に手間取ったことで合計30秒以上を失い、ヌービルは総合4番手にドロップ。代わってこのステージを制したオジエが、タナックに4.6秒差をつけてトップに立った。タナックから3.7秒差にはエバンスも迫っており、10秒差以内にトップ3がひしめく大混戦だ。このステージでは総合5番手につける勝田もコースから大きく外れて、20秒近くをロス。順位こそ変わらないが、首位とは1分以上離れてしまった。
サービスを挟んだ午後のセクション。SS12は「難しいコンディションだったけど、1回目の走行でやるべきことは分かっている」と語ったタナックが、この日二度目のベストタイムを刻む。オジエとエバンスは3.4秒差のセカンドベストで並び、首位オジエとタナックの差は1.1秒、緊張感のあるバトルが続く。
SS13、オジエがタナックに3.0秒をつけるベストタイム。オジエはタナックとの差を4.1秒とした。SS14もオジエがタナックに1.1秒差、エバンスに2.0秒差の連続ベストで、長い1日を締め括った。総合2番手のタナックに5.2秒、総合3番手のエバンスに14.0秒のアドバンテージを持って、オジエは最終日に挑むことになる。
「終盤は少し滑りやすいセクションがあったが、悪くない走りができたと思う。いい一日だったし、ベストでまとめられて満足しているよ」と、オジエは笑顔を見せる。一方のタナックは「最後の2SSは思っていたよりも路面が乾いていたね。クリーンなコンディションではトヨタに分があるようだ」と、冷静に分析した。
首位スタートながらも、ミスで優勝争いから脱落してしまったヌービルが39.8秒差の総合4番手。以下、1分31秒8差の総合5番手に勝田、2分07秒3差の総合6番手にサミ・パヤリ(トヨタ)、3分22秒7差の総合6番手にグレゴワール・ミュンステール(Mスポーツ・フォード)というオーダーで3日目を終えている。
競技4日目はSS15〜SS18の4SS、SS走行距離は54.08km。オープニングのSS15は、日本時間10月20日の日本時間14時05分にスタートする。
WRCセントラルヨーロッパ SS14後暫定結果
1. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:10:12.7
2. O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1) +5.2
3. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +14.0
4. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +39.8
5. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:31.8
6. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:07.3
7. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ラリー1) +3:22.7
8. N.グリアジン(シトロエンC3ラリー2) +7:39.6
9. O.ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +8:10.6
10. F.マレス(トヨタGRヤリス・ラリー2) +9:30.4
WRCセントラルヨーロッパ 土曜日終了時点暫定ポイント
1. S.オジエ 18
2. O.タナック 15
3. E.エバンス 13
4. T.ヌービル 10
5. 勝田貴元 8
6. S.パヤリ 6
7. G.ミュンステール 4
8. N.グリアジン 3
9. O.ソルベルグ 2
10. F.マレス 1