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Hyundai N × TOYOTA GAZOO Racing Festivalが韓国で開催

©Hyundai Mobility Japan

2024年10月27日(日)、韓国のYongin Speed Way(ヨンイン)で「Hyundai N × TOYOTA GAZOO Racing Festival」が開催された。

このイベントはWRCで活躍するふたつのメーカーが初めて手を組んで、両社の高性能モデルとレーシングカーを披露するイベントだ。開催のきっかけは、豊田章男トヨタ自動車会長とヒョンデの鄭義宣(チョンウィソン)会長が様々なラリー会場で顔を合わせ、WRCは自国で欧州ほど認知されていないという共通の課題を語り、とりわけ韓国では日本のように人気競技に成長していないことから、今回のイベント開催のアイデアが生まれたとチョン会長は話した。そこでモータースポーツ文化の発展をともに目指すことで共催が実現したという。

Hyundai Mobility Japan


イベント開催にあたり、TGRからはヤリ-マティ・ラトバラと勝田貴元が登壇、ヒョンデからはティエリー・ヌービル、ダニ・ソルド、アンドレアス・ミケルセンが出席した。Hyundai Nブランド マネージメント・モータースポーツ事業部のチャン・ジハー氏は、「歴史的なこのイベントは、両社の会長がアジアのモータースポーツと韓国のためにこうしたイベントで手を繋いで実現しました。ラリーで競争はしていますが、ふたつのチームの情熱と楽しさを届けたいと思います」とコメントしている。

Akira Takahashi


現在チャンピオンシップをリードするヌービルは、メディアセッションで今季好調の理由と現在の心境について質問されると、「持続的にHyundai Nチームが支援をしてくれて、また会長のWRCへの支援がチームの成長に繋がったと思う。そして競争力のあるライバルチームの存在も大きく、ライバルと競うことで成果を上げることができたと思っている。さらに、ここ数年は新しいチームを作りF1から来たスタッフもいて、非常にエネルギーに溢れており、それがチャンピオンシップをリードする成果に繋がったと思う」と答えている。

Akira Takahashi


チャンピオンシップのリーダーでいる現在の心境については「1年中ずっとプレッシャーを感じている。1レースだけで感じるものではなく、シーズン中ずっとだ。それはここ数年、すべての結果がチャンピオンシップのリザルトに影響するからで、一度負けると取り返すのが厳しくなる。ラリーは簡単なスポーツではないから、良い時もあれば悪い時もある。それはチーム全体もそうだしドライバーもそうだ。だからプレッシャーはいつも感じているんだ。そうした中で、ドライバーとチームのブランドを守らないといけないというプレッシャーもあり、さらに今は残り1戦あって、トヨタと競わなければならないプレッシャーがある。ベストを尽くしてふたつのタイトルを獲ることが自分の目標だ」と、強烈なプレシャーを感じていることが分かるコメントを残した。

ランキング2位を何度も経験してきたヌービルだけに、今季のチャンスは絶対に手にしたいタイトルであることが伝わるインタビューだった。

Akira Takahashi


一方、勝田貴元へは韓国人ラリードライバーがいないことに対してのアドバイスを求める質問が韓国メディアからあった。
「自分は12歳の時にレーサーデビューをして、F3に進んでレーシングドライバーを目指したこともありました。F1への夢も持ちましたが、父や祖父の影響もあり、また父の活躍を見て、WRCを選択してもっと成長することを望み、トヨタのサポートを受けてここまで成長することができました。プレッシャーも感じますが、プレッシャーはモチベーションにもなります。日本でもラリーを目指す人が増えていますが、目標に向かって頑張ればできると伝えたいですし、失敗することもありますが、絶対に諦めないことだと思います。自分も諦めないですし、この先も努力を続けていきます」

最後にチャン・ジハー氏から「このイベントは成立するまでが非常に大変だった。今の段階では具体的なネクストステージは予定していないが、良い結果を出せれば次につながると思う」と。このイベントの成果次第だといったニュアンスを残すコメントで締め括った。
(Akira Takahashi)



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