2024年の英国ラリー選手権(BRC)は最終戦のコンウィ・カンブリアンラリーが10月26日に開催され、クリス・イングラム/アレックス・キフラニが優勝。四つ巴の激戦となったタイトル争いを制して王者に輝いた。所属するカストロールMEMラリーチームはBRCチームズタイトルも獲得している。
1990年代にWRCを戦ったトヨタ・カローラWRCにインスパイアされた、カストロールカラーのGRヤリス・ラリー2を駆る2019年ERCチャンピオンのイングラムは、過酷で名高い英国北ウエールズのステージを攻略し、タイトルチャンスを残す3人のドライバーを押さえ切り、BRCタイトルを手にした。
「とにかくホッとした」と最終ステージを走り終えたイングラムは、感情を露わにした。
「今日はウィル(ウィリアム・クレイトン)がハードにプッシュしていたので、全力を尽くさなくてはならなかった。素晴らしいシーズンだったし、本当に楽しかった。最高の戦いだったよ。楽なシーズンではなかったが、本当に思い出に残る日々だった」
イングラムのタイトル獲得もかなり際どい状況で、同じくタイトルの可能性を残していたクレイトン(フォード・フィエスタ・ラリー2)は、開幕ステージではイングラムのベストタイムに0.9秒差の2番手につけた。
最初のループの残りのステージも、イングラムはその差を5秒以内に抑え、このループ最後のSS4ではまったくの同タイムと激戦となった。しかし、午後の3本でイングラムは引き離しに成功。最終的に20.8秒差で勝利を手にした。
イングラムの緻密に計算されたペースと正確性に追いつけなかったクレイトンは「挑んだ。難しい一年だったし、ラリー2にステップアップして、BRCのトップカテゴリーで戦えたのは最高だった。本当に幸運だった」とシーズンを振り返った。
この最終戦では、ほかにオシアン・プライス、キース・クローニン(いずれもフィエスタ・ラリー2)がタイトルの可能性を残していたが、クローニンはSS2でステアリングトラブルに見舞われ、プライスはペースがつかめず、3位でポディウムに上がることが精いっぱいだった。
一方、4位には、ラリー2マシンで3度目のグラベルイベントに挑んだマックス・マクレー(フィエスタ・ラリー2)が大健闘。SS7では、イングラムに0.3秒差をつけてのベストタイムもマークした。
イングラムは、11月21日〜24日に開催されるWRC最終戦ラリージャパンにも、GRヤリス・ラリー2でWRC2部門にエントリーしている。