WRC最終戦ラリージャパン(ターマック)は11月23日(土)、午前中に行われたSS10〜SS12までの走行を終えて、ヒョンデのオィット・タナックが首位をキープしている。
ラリー3日目は、岐阜県をメインに走行。新ステージの「マウント・カサギ(16.47km)」、昨年も走った「ネノウエ・コウゲン(11.60km)」「エナ(22.79km)」の3本を、この日もタイヤフィッティングゾーン(TFZ)を挟んでリピートし、豊田スタジアムのスーパーSSで締めくくる7SS、103.87km。恵那市の笠置山周辺に設けられた「マウント・カサギ」は標高も高く、多くのクルーが、金曜日に波乱の舞台となった「イセガミズ・トンネル」に匹敵する要注意ステージに挙げている。
前日コースオフを喫したアンドレアス・ミケルセン(ヒョンデ)はマシンを直し、再出走を果たした。雨の予報もあったものの、天候は快晴、コンディションはドライとなった。この日最初のSS10は、路面は乾いているが落ち葉や細かいグラベルが乗っており、滑りやすいコンディション。
「特に中盤はかなり滑りやすくて路面を読むのが難しかった」と語るエルフィン・エバンス(トヨタ)が、総合首位のオィット・タナック(ヒョンデ)に3.0秒差のベストタイム。ふたりの差は17.9秒差に縮まった。0.1秒差で3番手を争っていたフルモーと勝田貴元(トヨタ)は、フルモーがベストから8.7秒差の6番手、勝田が13.8秒差の7番手タイム。その差は5.2秒と少し離れてしまった。
SS11は、ティエリー・ヌービル(ヒョンデ)が、オジエに1.2秒差、勝田に1.3秒差の一番時計。前日のエンジントラブルで一時は15番手まで順位を落としていたが、12番手とトップ10が見える位置まで挽回してきた。4番手タイムのエバンスは5番手タイムのタナックを1.6秒上まわり、16.3秒差と、ここでも少しだけ差を詰めている。昨年、このステージを走行していないフルモーは6.9秒差の6番手に留まり、勝田が3番手にポジションを上げた。
晴天のもと、多くのスペクテイターが集まったSS12は、この日最長の22.79kmを走行。太陽が照りつけたことで、ペースノートクルーが走行した早朝の時点からコンディションが変化しており、「想定していたコンディションとまったく違う」と、ベストのオジエも不満を口にする。3番手を走行していた勝田が、ステージ中盤でハーフスピンを喫して右リヤをヒット。走行には支障がないものの、ベストのオジエから16.2秒も遅れてしまう。その後、フルモーまでが走行した段階で、コース内にて安全上の問題が発生したため、ステージは中断。一般車両がコース内に進入したことが理由のようだ。ラリージャパンでは2022年大会の際にも一般車進入のインシデントがあった。
SSは再開されずに、SS12のスタート地点に残ったエバンスとタナック以降の競技車両は、代替ルートで中津川市のタイヤフィッティングゾーンに向かった。競技車にはこの後、状況を判断してノーショナルタイムが与えられる見込みだ。