先日のポーランドでワークス陣に劣らないパフォーマンスを見せたペター・ソルベルグ。ラリーの流れに助けられた部分はあるにせよ、旧型クサラのハンデをものともせず4位でフィニッシュしている。
これまで8戦で25点を獲得し、同点のヤリ‐マティ・ラトバラに継ぐランキング6位。マシンを考慮に入れると、この点数でもソルベルグが一線級のドライバーであることに異論を挟む余地はないだろう。
アクロポリス前にシェルが新たにスポンサーとしてついたものの、依然としてペター・ソルベルグ・ワールドラリーチームの台所事情がすべてクリアになったわけではないという。
「ホントのところ、今年はずっと1戦ごとに参戦費用を工面している状況だよ。もちろんなにかあれば自費でまかなっているし、お金が尽きたらすべてはそこでストップさ。クルマは僕のフルプライベートカー。つまり使うこと自体にリスクがあるわけだ。とはいえ走り続けていないといずれ忘れられてしまうし、力を見せる機会だってなくしてしまう。
もちろん途中でやめたいなんてこれっぽっちも思っていない。こうして走れていること自体に感謝しているんだ。ご存じのとおり、僕のチームには溢れる情熱があるし、妻のパニラだってチームを一生懸命手伝ってくれている。僕らは僕らでベストを尽くしている。本当によくやっていると思うよ」
フィンランドラリーのエントリーリストには、ソルベルグのマシンがシトロエン・クサラと記載されている。しかし他のマシンで出場する可能性もゼロではないと示唆する。
「ラリーポーランドの前週、僕は三菱をテストした。スバルもその前にドライブした。おそらく今週末にはプジョーに乗るだろうし、その後シュコダもテストするかもしれないよ!
今は情報収集の段階だ。マシンごとに色々な違いが見えて非常に興味深い。というわけで、僕の手の内には色々な可能性がある。そのなかからベストなものを選び出せるんだ。ファクトリーチームの連中にはマネできない芸当だろう?」
そう言って親指を立て、ソルベルグはいたずらっぽく笑う。
“フィンランド・グランプリ”は1カ月後の7月31日、首都ヘルシンキから北に約300kmのユバスキラでスタートする。