今季WRC唯一のフルスノーラリーとなるスウェーデン戦。開幕戦モンテカルロではセバスチャン・ローブのスポット復帰で話題を呼んだシトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチームだが、この第2戦では、マッズ・オストベルグ、クリス・ミークの2人をエントリーさせる。
本拠地ハグフォース周辺はここ数週間、冬らしい気候が続いており、豪雪により厚い雪層が路面を覆っている。ラリースウェーデンが本格的なスノーラリーらしいコンディションに恵まれるのは久しぶりのことだ。
このため、スウェーデン戦だけに登場するスタッドタイヤもスタッドの減りが遅くなるのではと見られる。
モンテカルロで2015スペックのDS3 WRCを登場させたシトロエン・レーシング。改良されたエアロダイナミクスは、速度域が高いことでも知られるスウェーデンのステージで絶大な効果が期待される。またリアサスペンションのジオメトリーも見直されており、さらにドライビングしやすくなっているという。
ここ4年間、スウェーデンでのポディウムフィニッシュを続けているシトロエン勢。国境を越えて母国ノルウェーにもステージが設定されるこのイベントは、ノルウェー出身のオストベルグにとっては母国戦も同然で、さらなる期待がかかる。オストベルグが初めてスウェーデンに参戦したのは、18歳だった2006年の時。モンテカルロでも4位と好調な滑り出しを見せている。
先週末はノルウェー国内戦にDS3 WRCで参戦し、総合優勝をマークしたオストベルグ。WRCでも使用するステージで、理想的なテストを行ったことになる。
「ラリースウェーデンは、ボクのシーズンにとって鍵になるポイント。ここ数年ポディウムフィニッシュを続けているし、去年はDS3 WRCで3位に入っている。今年はさらに上の順位を目指すよ」とオストベルグ。
「スタート順の点では、僕の4番手という位置は、理想的ではないと思うけど、大きな問題でもないと思う。2014年でいい結果を出せたので、今回はトップを目指すよ。2015スペックのDS3 WRCでの初めてのラリーになるので、優勝に挑んでいきたい」
オストベルグと比べてスウェーデンでの経験は圧倒的に少ないミークは、昨年が初参戦だった。英国出身のミークにとって、スノーやアイスのコンディションは他のライバル勢に比べてもあまり馴染みがない。
「モンテカルロでは速さを出せていたのに結果につながらず、少し残念だった。それでも、期待できる内容ではあった。去年は気温が高く完璧なコンディションではなかったけど、いい経験になった。とはいえ、カレンダーで唯一のスノーラリーで経験値が少ないので、現実的なターゲットはトップ5か6でフィニッシュすること。自分の限界の中でドライビングをして、自分の経験につなげたい」