©小暮・ルフティネン組 / TOYOTA
11月21日〜24日に愛知県・岐阜県で開催されたWRC最終戦ラリージャパンに、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム2期生の小暮ひかると山本雄紀が、トヨタGRヤリス・ラリー2でWRC2に参戦。日本で初めてのWRC参戦に臨み、小暮は部門6位でフィニッシュ、山本は最終日にクラッシュによりリタイアとなったが、選手権屈指の難関ターマックで多くの経験を得た。
（以下、発表リリース）
TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム
2期生の小暮と山本がラリージャパンに初出場
ホームイベントで多くの学びを得る
TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生である小暮ひかる、山本雄紀が、11月21日(木)から24日(日)にかけて愛知県と岐阜県で開催された、FIA世界ラリー選手権(WRC)第13戦「ラリージャパン」のWRC2クラスに、GR Yaris Rally2で参戦。小暮はクラス6位でフィニッシュしました。一方、山本は速さを示しながらも最終日にクラッシュを喫しリタイアとなりました。
FIA世界ラリー選手権(WRC)のカレンダーに復帰して3年目となるラリージャパンは、今年も愛知県の豊田スタジアムのサービスパークを中心に、愛知県と岐阜県の舗装された山道で4日間に渡り競技が行われました。ラリージャパンのターマック（舗装路）ステージは全体的に道幅が狭く、中低速のツイスティなコーナーが多くを占めます。路面は基本的にフラットで舗装もスムーズですが、秋季の開催のため落ち葉や小枝が路面に散らばっている区間も多く、苔などもあることから非常に滑りやすいセクションがありました。そのためグリップの変化を読み取ることが難しく、トップカテゴリーに出場する経験豊かなドライバーでさえもミスを犯しやすい、難易度の高いイベントとなりました。
小暮は、怪我によりしばらく出場を見合わせていましたが、8月初旬のWRCラリー・フィンランド以来となる、GR Yaris Rally2でのラリー出場に高いモチベーションをもって臨みました。一方、山本は9月にイタリアで開催されたターマックラリー、ミッレ・ミリアで得た好調を維持し、好結果を残すべくスタートを切りました。
小暮・ルフティネン組 / TOYOTA
小暮は序盤ペースをつかむのに少し時間を要しましたが、週末にかけて徐々に自信とペースを高めていき、WRC2クラス6位まで順位を上げフィニッシュしました。一方、山本は金曜日に4番手のタイムを刻むなど速さを発揮。土曜日は、経験豊富な他のドライバーと同じコーナーで石に当たってクルマにダメージを負い、それにより40分以上を失ってしまいました。しかし、修理後は引き続き速いペースで走行。SS15では3番手タイムを記録しました。日曜日は、朝2本目SS18のハイスピードな右コーナーでラインが僅かに膨らみクラッシュ。残念ながらホームイベントでの完走を逃すことになりました。
山本・サルミネン組 / TOYOTA
小暮ひかる：
今週末の当初の目標は、とにかく長い距離を走ることだったので、初日はかなりセーフティサイドに振った運転を続け、なかなか良いリズムを掴むことができませんでした。しかし、ラリーが進むにつれてルートノートクルーから得た情報をペースノートに反映させる能力が向上し、自信を持ってコーナーに入って行けるようになったので、ペースが上がりました。シーズン中に怪我で数か月間戦線を離脱したことは辛かったですが、このラリージャパンで復帰することだけに集中することができましたし、それが上手くいったので嬉しく思います。多くのファンが応援してくれたので素晴らしい経験になりましたし、自分にとって助けになりました。
山本雄紀：
多くのことが起こったラリーでした。初日にパンクを喫し、次のステージではスピンをしてクルマにダメージを受けましたが、それでも金曜日のステージを走り切ることはできました。土曜日は徐々にペースをつかみ、その日の最後のステージまでに3番手タイムを記録することができたので、自分たちのペースを見せることができたのではないかと思います。このような形でラリーを終えることになったのは残念ですが、ラリージャパンは難しいイベントでした。いくつか改善を進め、自分たちに競争力があることも分かっていますので、もっとクリーンに走れば結果はついてくるでしょう。その意味で、今回自分たちが達成したことは励みになります。大勢の日本のファンの皆さんが応援してくれたことは本当に嬉しかったですし、モチベーションも上がりました。とても素晴らしいイベントだったと思います。
ユホ・ハンニネン (チーフインストラクター)：
何度か良い区間タイムを記録するなど雄紀のペースは素晴らしかったのですが、ラリーを通してそのスピードを維持するのは難しいものです。彼はまだ多くのことを学んでいる最中なので、3日間を通してそのペースを維持するためには、さらに多くの作業と経験が必要です。一方、ひかるはラリー・イタリア・サルディニア以降、走行距離が非常に少なかったので、初日は慎重に走り、ラリー後半にペースを上げるというアプローチは良かったと思います。経験を積むためには、ラリーを最後まで走り切る必要があります。彼はシーズン中盤にラリーを欠場するという難しい状況に直面しましたが、今回きっちりと巻き返しました。雄紀にとっては理想的な結果ではありませんでしたが、シーズンを通して彼は大きく成長したと思います。彼の自信が明らかに向上していることは、ステージタイムを見れば明らかです。
ラリージャパンの結果 (WRC2クラス)
1 Nikolay Gryazin/Konstantin Aleksandrov (Citroën C3 Rally2) 3h33m45.3s
2 Sami Pajari/Enni Mälkönen (Toyota GR Yaris Rally2) +1m46.5s
3 新井 大輝/松尾 俊亮 (Škoda Fabia R5) (Škoda Fabia Rally2) +3m20.0s
4 Gus Greensmith/Jonas Andersson (Škoda Fabia RS Rally2) +4m11.5s
5 Kajetan Kajetanowicz/Maciej Szczepaniak (Škoda Fabia RS Rally2) +6m46.6s
6 小暮 ひかる/トピ・ルフティネン (Toyota GR Yaris Rally2) +8m48.7s
R 山本 雄紀/マルコ・サルミネン (Toyota GR Yaris Rally2)
