アドリアン・フルモーがヒョンデに移籍したことで、2024年のWRCでにチーム最上位の活躍を果たしたドライバーを失ったMスポーツ・フォード。フルモーは今季、ポディウムフィニッシュを5回マークし、ドライバーズ選手権では5位に食い込んだが、2025年は新王者のティエリー・ヌービル、2019年王者のオィット・タナックとともに、マニュファクチャラーズタイトル奪還の一躍を担うこととなる。
2024年、ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドのサードカーでシェア参戦してきたエサペッカ・ラッピ、アンドレアス・ミケルセン、ダニ・ソルドは、イベントによって4台目のエントリーをシェアすることになりそうだ。
フルモーのヒョンデ入りが発表された直後、Mスポーツはフルモーの離脱について長文のプレスリリースを発行したが、フルモーの後任については、経験の少ない若手ドライバーのラインナップが予定されていると見られるものの具体的な名前について言及はなかった。
2024年、フルモーとともにフル参戦に挑んだグレゴワール・ミュンステールは、後援者であるジョルダン・セルデリディスからの継続的な支援を受け、2025年もMスポーツ・フォードでのフル参戦が見込まれているが、トップカテゴリーでの実力は、まだ発展途上にある。
Mスポーツが狙っているのは、2024年にラリー1マシンで3イベントに参戦し、見事な好走を披露したラトビアのマルティンス・セスクスだが、経験のほか、予算、ターマックでの走行マイレージについても不足している。WRC2部門のヨアン・ロッセルがターマック要員として名前が挙がっており、ジュニアWRCに参戦してきたアリ・タルクネンがグラベルメインの予算を持ち込むのではとも見られている。
一方、モンツァラリーショーでMスポーツからの最後の参戦を終えたフルモーは自身のSNSでMスポーツのディレクター、マルコム・ウィルソンに向けて「長年に渡るあなたのマネージメントがなければ、自分は今のようにドライバーにはなれなかっただろう」と敬意を表したメッセージを寄せている。
(Graham Lister)