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TGRが東京オートサロンでラリー開幕直前トークショーを実施。TGR-WRTが全日本ラリーも担当

©Jun Uruno

トヨタ・ガズーレーシングは1月11日、千葉県の幕張メッセで開催された東京オートサロンの中で「ラリー開幕直前トークショー」を実施。デモンストレーション走行を終えたばかりのTGR-WRTチーム代表、ヤリ‐マティ・ラトバラ、今季はヨーロッパ・ヒストリックラリー選手権に参戦するラトバラ不在時に代表代行を務めるユハ・カンクネン、LUCK with ROOKIE RACINGから全日本ラリー選手権に参戦する勝田範彦、TGR-WRJで今季から監督を務める眞貝知志、ドライバーとしてモリゾウチャレンジカップ(MCC)に参戦する大竹直生と平川真子、MCC初代王者の山田啓介、ダイハツ・ガズーレーシングの相原泰祐に加え、TGR-WRTの春名雄一郎CEOが登壇した。

TGR‐WRJの監督として眞貝を起用したことについて春名CEOは「WRCを運営しているフィンランド拠点のTGRが、全日本ラリーも担当することになったので、体制をしっかりつくってよりプロフェッショナルになるための仕組み作りをしようと考えた時、ドライバーとしての経験や人柄を含め眞貝さんにお願いできないかと考え、このような体制になった」と経緯を語り、TGR-WRJもフィンランド拠点のTGR-WRTが担当することを明らかにした。

2024年のラリージャパンまでTGR-WRJドライバーを務めていた眞貝は、監督をオファーされた時の心境について聞かれると「正直複雑です。ずっとドライバーとしてやってきたし、まだまだドライバーとしてやっていきたい、やれるという感情はある一方で、世界レベルで全日本のラリーチームを再編したい、その中心として務めてもらいたいというお話をいただいて、とても光栄でした。ひと晩だけ考えて、この際、すぱっと気持ちを切り替えて新しい役割にチャレンジしようと思いました」と語った。
「2025年は、全日本ラリーチームの意義は人材育成だと思います。クルーはもちろん、エンジニア、メカニック、それぞれが安全を確保して、改善のループを回しながら、次にWRTの舞台でチャレンジできる人材を育成していく、という役割がキッチリ与えられているので、それができるようにサポートしていくことが自分の役割だと思っています」

Jun Uruno/新たにTGR-WRJの監督に就任する眞貝知志


眞貝新監督のもとでMCCに挑む大竹は「創立1年目の昨年のモリチャレは結果的にはシリーズ2位と悔しいシーズンになりましたが、全日本ラリーに若手が増えて、自分が参戦していた時よりも若々しくなった感じがありました」と感想を述べた。また今季はTGR-WRJからMCCに挑む平川は「初めての4駆ターボでのフル参戦なので、楽しみが一番大きいですが、まずは楽しむことを第一に、学びのできる一年にしたいと思います。そのうえで、シリーズチャンピオンを目指します」と笑顔を見せた。

一方、全日本ラリー選手権のトップカテゴリーでの戦いを続ける勝田は、今季のコ・ドライバーとして保井隆宏と組むことが発表された。
「ラリー2での一年、ぶつけないようにフェンダーに“MORIZO号”と書いてあるので、かなり緊張して乗ってました(笑)。今年はセットアップなど、まだまだ乗り慣れていないところはありますが、ラリージャパンで世界の走りを見て足りないところも感じました。こんなオッサンですが、僕はがんばりますよ! 去年の反省点を1コ1コ活かして、チャンピオンを目指します。コ・ドラも含め、チーム体制も大きく変わるので、楽しみにしていただきたいと思います」

Jun Uruno/GRヤリス・ラリー2でチャンピオン奪還を狙う勝田範彦


昨年、MCCで初代チャンピオンと目標を達成した山田は、今季は全日本ラリーでJN-2クラスに参戦。コ・ドライバーは引き続き藤井俊樹が務める。
「モリチャレを卒業してJN-2クラスに参戦します。モリチャレの初代チャンピオンというところで注目される立場になるので、自分を見て憧れてラリーを始めようと思ってもらえるようなドライバーになっていきたいと思います。JN-2で勝って、ステップアップしていくことを目指しているので、今年は必ず勝つ、さらに速さを見せていきたいと思っています」と力強く語った。その山田は、MCCのチャンピオン特典として、WRCチャレンジプログラム4期生のファイナルセレクションとなるフィンランドでのトレーニングに参加してきたばかり。その感想について「フィンランドで得たものは大きかったです。クルマの動かし方や考え方が変わりましたし、フィジカルの大切さもWRTの現地の人がどのようにやっているのかを、ひとつひとつ教えてもらえたので、それを自分自身にプラスアルファとして還流していきたいと思っています」

Jun Uruno/全年度のMCC王者、山田啓介はJN-2クラスに参戦


なお、春名CEOはWRCチャレンジプログラムを今後も継続し、今年も秋頃に5期生の募集をする予定であることも明かしている。

ダイハツ・ガズーレーシング(DGR)として、TGRラリーチャレンジや全日本ラリー選手権、WRCラリージャパンに、様々なトライアルを施したダイハツ車両で参戦を続けているダイハツ社員でもある相原は「毎回、課題を出して改善して、を繰り返していまして、ラリチャレは改善した結果をまず試す場。その改善を、距離が長い全日本やラリージャパンで試して、コペンのラリーカーで得た知見を、ミライースのラリーカーやロッキーのラリーカーなど、クルマ屋としての知見を得る、という活動をしています。ダイハツ“GR”がついているということで、GRと同じマインドで活動させていただいています」と活動の意図を説明した。今回の東京オートサロンでは、TGRは展示ブースを北館に移し、DGRも並ぶレイアウトとなった。

Jun Uruno/ダイハツ車をモータースポーツの現場で鍛える相原泰祐


「DGRができたきっかけは、ダイハツでも、社員のクルマ屋としての知見をつけてもっといいクルマ作りとマインドを変えていこうとなったのがきっかけです。クルマ好きのみなさんを笑顔にしたい、という思いがあり、それを維持費の安いクルマでみなさんを笑顔にできたら、という思いを持っています。ラリージャパン参戦のコペンも展示しているので、ぜひその目で見ていただいて、どんな改善をしたらいいか、声を聞かせてください!」と呼びかけた。

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