ダカールラリー2025でトヨタ勢が1‐2フィニッシュ – RALLYPLUS.NET ラリープラス
現地速報がすぐわかる! バックナンバーが読み放題。ラリプラLINE限定コンテンツ配信中

ダカールラリー2025でトヨタ勢が1‐2フィニッシュ

©TOYOTA

1月3日〜17日にサウジアラビアで開催されたダカールラリー2025では、ヤジード・アル-ラジ/ティモ・ゴットシャルク組、ヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス組と、GRダカールハイラックスEVOが1‐2フィニッシュを飾った。プライベーターチームから参戦したアルラジは、サウジアラビア人としては初のダカールウイナーとなった。
(以下、発表リリース)


ダカールラリー2025 結果レポート
GRダカールハイラックスEVOを駆るTGRラテガン/カミングス組が僅差の2位
同ハイラックスを駆るプライベーターのアル・ラジ/ゴットシャルク組が
総合優勝を果たし、ハイラックスが1-2フィニッシュ!

世界一過酷なラリーとして知られる、ダカールラリー2025がサウジアラビアを舞台に1月3日から行われ、1月17日(金)に約7,500km(当初の8,000kmから短縮)の激戦を終え、ゴールを迎えました。

今大会は歴代最高の難易度と言われ、多くの有力選手が脱落する中、GRダカールハイラックスEVOの6台体制で挑んだTOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、ヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス組が総合2位フィニッシュ。このラテガン/カミングス組を終盤かわし、僅か4分差で勝利を挙げたのは、プライベーターとしてGRダカールハイラックスEVOで参戦したヤジード・アル・ラジ/ティモ・ゴットシャルク組で、地元サウジアラビア出身のアル・ラジにとって、悲願とも言えるサウジアラビアでのダカールラリー初勝利を勝ち取りました。TGRとしての勝利にはならなかったものの、トヨタ・ハイラックスが1-2フィニッシュを飾りました。

ラテガン/カミングス組はステージ2で首位に立った後、ステージ8までその座をキープ。ステージ9で逆転されるも翌ステージで再逆転するなど、ステージごとに総合首位を入れ替える僅差の首位争いを最後まで続け、2週間、約7,500kmに及ぶ戦いで4分差という激戦を戦い抜きました。

TOYOTA

期待の若手セス・キンテロ/デニス・センツ組は、ステージ2勝で総合9位フィニッシュ。サオード・ヴァリアワ/フランソワ・カザレ組は、ヴァリアワが19歳での最年少ステージ勝利記録を更新し、ルーカス・モラエス/アルマンド・モンレオン組もステージ7とステージ12を制すなど、TGRのGRダカールハイラックスEVOは全12ステージ中6ステージで勝利を飾り、その速さと耐久性/信頼性の高さを証明しました。

また、トヨタ車体株式会社のラリーチーム、チームランドクルーザー・トヨタオートボデー(TLC)から市販車部門に参戦したランドクルーザー300 GR SPORTは、ドライバーの三浦昂/ジャン・ミッシェル・ポラト組がクラス首位、チームメイトのロナルド・バソ/ジャン・ピエール・ギャルサン組がクラス2位で見事完走。TLCとランドクルーザーはこの部門で12連覇を達成しました。

日野チームスガワラからHINO600シリーズでトラック部門に参戦した菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組は、様々なトラブルに苦しみながらも、この部門総合13位、そして見事34回連続の完走を果たしました。

【プロローグ】
1/3(金) ビーシャ > ビーシャ 総走行距離 79km | SS距離 29km
ラテガン/カミングス組がプロローグトップタイム
1月3日(金)、スタート地点となるサウジアラビアの南西部の街ビーシャで、翌日のスタート順を決定するプロローグランが行われました。29kmと短い走行で、ヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス組が最速タイムを記録。このプロローグランの結果はレースタイムには影響しないものの、序盤戦へ向けた重要な舞台であり、TGRのGRダカールハイラックスEVOは6台全車が問題なくこのプロローグランを走破。3台がトップ10に入る速さを見せ、素晴らしいスタートを切ることとなりました。

【ステージ1】
1/4(土) ビーシャ > ビーシャ 総走行距離499km | SS距離 413km
キンテロ/センツ組がオープニングステージを制す
1月4日(土)、いよいよ長いイベントのスタートが切られました。初日から400kmを超える競技区間は、ゴロゴロとした岩が続き、砂埃で視界も遮られる、気の抜けないハードコースが待ち受けました。
このステージ1では、翌日に待つ48時間クロノステージのスタート順を考慮してペースを調整する車両が多い中、TGRのセス・キンテロ/デニス・センツ組がトップタイムをマーク。22歳のキンテロは、史上最年少でのステージウィナーとなりました。キンテロ/センツ組はステージ中、アクシデントに見舞われた他の競技者を救助するために停止し、タイムをロスしましたが、ゴール後主催者によりこのタイムは短縮され、ステージ優勝を決めました。

また、サオード・ヴァリアワ/フランソワ・カザレ組もトップと僅か1分48秒差の3位でフィニッシュし、TGRは若手の2台が表彰台フィニッシュを果たしました。
翌日のスタート順を見越してペースを調整したルーカス・モラエス/アルマンド・モンレオン組は8位、ヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス組は遅い車両の巻き上げる砂埃に苦しみましたが10位でフィニッシュ。ガイ・ボッテリル/デニス・マーフィ組は15位、ジニエル・ド・ヴィリエール/ディルク・フォン・ジッツェヴィッツ組は19位と、TGR勢は6台共に大きくタイムを失うことなくステージを走り切りました。

【ステージ2】
1/5(日)~1/6(月) ビーシャ > ビーシャ 総走行距離992km | SS距離 947km
過酷な「48時間クロノ」でラテガン/カミングス組が総合首位浮上
ステージ2は、2日間にわたって競われる「48時間クロノ」ステージ。初めて実施された昨年は、イベント後半に設定され、多くの競技者を苦しめましたが、今年は距離が倍近くに増やされ、コースも波乱に富んだ設定となったこの厳しいステージがイベント序盤に設定されました。

約1,000kmにわたる競技区間を2日間にわたって走行し、1日目は午後5時を過ぎたところで近くのビバークへ。クルーはテントで夜を過ごし、翌朝からレースを再開しました。
柔らかい砂丘など難しい路面が延々と続く、この難ステージではラテガン/カミングス組が素晴らしい走りを見せ、首位から6分59秒差の4位でフィニッシュ。ステージ2までの合計タイムで総合首位に躍り出ました。

モラエス/モンレオン組は砂丘越えでスタックを喫するも、ハイペースでの走行を続けて首位と28分50秒差の12位でフィニッシュし、総合8位に浮上。
キンテロ/センツ組はステージ1の勝利により、ステージ2は最初にスタートしてコースを切り拓いていく難しい役割となりました。キンテロは速さを見せたものの、200km地点でナビゲーション用電子機器の故障に見舞われタイムロス。それでも首位から21分58秒遅れにとどめ、このステージは16位でフィニッシュ。
ド・ヴィリエール/ジッツェヴィッツ組は1日目を9位で終えるなど、ベテランらしい走りを見せていましたが、1,000kmにわたるこのステージ2フィニッシュ目前の、ゴールまで僅か40kmというところで、激しい砂埃で視界が遮られ、ヴァリアワ/カザレ組と接触しクラッシュ。共にクルーは無事でしたが、TGRにとってはチームメイト同士の2台が大きなダメージを負うという厳しいステージとなってしまいました。
ド・ヴィリエール/ジッツェヴィッツ組は2時間以上のタイムを失いながらも、なんとか車両を修復し、このステージを完走。ヴァリアワ/カザレ組も8時間以上と大きく遅れながらステージをフィニッシュしました。
ボッテリル/マーフィ組はリアデファレンシャルのトラブルにより前輪駆動での走行を強いられ、幾つかのチェックポイントをスキップせざるを得ず、ペナルティで大きく順位を落とすこととなりました。

【ステージ3】
1/7(火) ビーシャ > アルヘナキヤ 総走行距離 793km | SS距離 327km
ヴァリアワ/カザレ組が最年少ステージ優勝記録を更新
前日、激しいクラッシュに見舞われたヴァリアワ/カザレ組でしたが、メカニックの素晴らしい作業により定刻でステージをスタート。悪路の厳しいコースで好走を見せ、ゴール直前でパンクに見舞われるも、見事トップでフィニッシュ。19歳のヴァリアワは、史上最年少ステージ優勝の記録を更新しました。

ラテガン/カミングス組はナビゲーション機器の故障に苦しむも、安定した走りで首位から7分31秒差の12位でフィニッシュ。総合では2位との差を7分17秒に広げて首位をキープし、さらにステージ4を12番手という絶好のポジションからスタートすることとなります。
キンテロ/センツ組はパンクに見舞われてタイヤ交換を強いられるも、ステージ3位でフィニッシュ。総合でもトップ10圏内に浮上しました。
モラエス/モンレオン組も終盤ブレーキトラブルに見舞われ、コースアウトでパンクを喫するも、9位でフィニッシュ。総合でも首位と19分40秒差の5位につけています。
前日クラッシュを喫したド・ヴィリエール/ジッツェヴィッツ組もこの日巻き返し、10位でフィニッシュ。総合20位で、まだまだ諦めることなく追い上げを目指します。
ボッテリル/マーフィ組はステージ2で大きく遅れ、147番手と非常に遅いスタート順となり、多くの車両の砂埃に苦しめられましたが、100台以上をかわし、ステージ11位と素晴らしい結果を残しました。

【ステージ4】
1/8(水) アルヘナキヤ > アルウラ 総走行距離 588km | SS距離 415km
ラテガン/カミングス組が首位をキープ。ハイラックスがステージトップ3を独占
このステージ4と翌日のステージ5はあわせてマラソンステージに設定されています。この2日間はチームのメカニックによる整備は禁止され、車両のメンテナンスはドライバー/コ・ドライバー自身が行わなくてはなりません。
この日は岩が多くパンクが多発し、上位勢も多くの波乱に見舞われる展開。そんな中、ラテガン/カミングス組は2回のパンクに見舞われながらもステージ2位でフィニッシュ。総合首位の座を守りました。

モラエス/モンレオン組も3回のパンクに見舞われ、スペアタイヤは2本しか積んでいないために他の車両からの支援を待つこととなりタイムロス。それでも首位と30分ほどの差の総合5位の座はキープ。このステージではプライベーターでハイラックスを駆るヤジード・アル・ラジ/ティモ・ゴッツシャルク組が勝利し、トップ3をハイラックスが占めました。

【ステージ5】
1/9(木) アルウラ > ハイル 総走行距離 492km | SS距離 428km
キンテロ/センツ組がステージ2勝目で総合トップ10入り
ステージ4を終えてドライバーとコ・ドライバーは自らの手で車両を整備し、マラソンステージの2日目となる428kmの競技区間に挑みました。
このステージでは僅差の首位争いが展開され、キンテロ/センツ組がわずか1秒差でトップフィニッシュ。ステージ1に続き今大会ステージ2勝目を飾りました。これで今年のダカールラリーでは、プロローグから前半の5ステージまで全てトヨタ・ハイラックスがステージを制することとなりました。キンテロはこの好走で総合でもトップ10圏内に浮上しました

ラテガン/カミングス組はトップと1分以内の僅差でステージ4位フィニッシュ。総合首位の座を守ったまま前半戦を終えました。
ヴァリアワ/カザレ組はこのステージ5を6位で終え、続く7位でフィニッシュしたモラエス/モンレオン組は総合5位を守っています。
ダカールラリーは前半6日間の戦いを終え、ハイルで恒例の休息日を迎えます。競技者はつかの間の休息を取る一方で、メカニックは後半戦へ向けて車両を完全に整備し直す忙しい一日となります。

TOYOTA

【ステージ6】
1/11(土) ハイル > アルダワディミ 総走行距離 829km | SS距離 605km
休息日を経て後半戦開始。ボッテリル/マーフィ組がステージ4位
10日(金)のハイルでの休息日を経て、完全に整備し直された車両と、体力と英気を養ったクルーは、イベント2週目の後半戦に挑みます。
後半戦最初のステージ6も前週以上にタフなステージとなり、総合首位のラテガン/カミングス組はパンクに苦しみステージを7位フィニッシュ。やや詰められるも7分16秒差で首位をキープしました。

このステージではボッテリル/マーフィ組が序盤メカニカルトラブルに見舞われるも、ステージの大半で首位を走行、最後のポイントからゴールまでのわずかなナビゲーションミスで首位を失うも、トップと3分25秒差の4位でフィニッシュ。
キンテロ/センツ組は13分3秒差の12位でフィニッシュし、1時間36分37秒差の総合8位へひとつポジションをアップしました。
ド・ヴィリエール/ジッツェヴィッツ組はステージ中盤の悪路走行時にジッツェヴィッツが首を負傷。ペースを大幅に落としての走行を強いられました。
総合5位につけていたモラエス/モンレオン組はダンパーのトラブルに見舞われ、ステージ序盤で車両ストップ。3時間近い大幅なタイムロスを強いられ、首位と3時間半差の総合15位へと順位を落とすこととなりました。

【ステージ7】
1/12(日) アルダワディミ > アルダワディミ 総走行距離 709km | SS距離 412km
モラエス/モンレオン組が今大会初のステージウィン
ステージ7はアルダワディミをスタート/ゴールとするループコース。この日は、前日トラブルにより大きく順位を落とすこととなったモラエス/モンレオン組が素晴らしい走りを見せ、今大会初のステージウィンを飾りました。

総合首位を行くラテガン/カミングス組は、この日も好調な走行を続けていましたが、ステージ中盤、ロードブックのミスにより、リードしていたタイムが無効となり、15位でフィニッシュ。首位の座は守ったものの、2位との差は僅か21秒となりました。
キンテロ/センツ組は2度のパンクに見舞われながらも5位、ヴァリアワ/カザレ組が8位と若手が共にトップ10フィニッシュを果たしました。
ド・ヴィリエール/ジッツェヴィッツ組は、前日負傷したジッツェヴィッツが痛みを訴え、メディカルチェックの結果、レース続行は不可能と判断。無念のリタイアとなりました

【ステージ8】
1/13(月) アルダワディミ > リヤド 総走行距離 733km | SS距離 483km
ラテガン/カミングス組がステージ勝利で後続との差を広げる
ステージの砂が競技者を苦しめたステージ8では、15番手と好位置からスタートしたラテガン/カミングス組が今大会初勝利。TGRはこれでここまでの8ステージ中5勝目となりました。ラテガン/カミングス組はこのステージウィンにより、総合でも2位との差を5分41秒へと広げることに成功しました。

ボッテリル/マーフィ組もこの日は好調で、ラテガン/カミングス組と1分47秒差の2位でフィニッシュし、TGRは1-2フィニッシュを果たしました。
キンテロ/センツ組はトップ10フィニッシュ。ヴァリアワ/カザレ組が23位。
前日ステージ優勝を果たしたモラエス/モンレオン組は、この日最初のスタートでコースを切り拓いていく役目を強いられ、首位から23分29秒遅れの24位でフィニッシュしました。

【ステージ9】
1/14(火) リヤド > ハラド 総走行距離 589km | SS距離 357km
ラテガン/カミングス組は逆転を許し2位へ後退
前日、サウジアラビアの首都リヤドへ入りビバークしたあと、ラリーは西へ向かい、ハラドを経由して最終地点のシュバイタへと向かいます。ハラドへと向かうステージ9では、前日ステージウィンを飾ったラテガン/カミングス組が最初にスタートを切り、序盤ナビゲーションミスでタイムロス。加えてパンクにも見舞われ、この日はトップから16分02秒遅れの11位でフィニッシュ。首位を争う、プライベーターとしてハイラックスで参戦しているアル・ラジ/ティモ・ゴットシャルク組がラテガン/カミングス組を逆転し、総合首位に立ちました。ラテガン/カミングス組は7分09秒差の2位となり、残り3ステージでの逆転優勝を目指します。

ラテガン/カミングス組をサポートすべく、共に走行を続けていたボッテリル/マーフィ組は、6速全開走行中に段差に乗り上げて激しく横転。クルーは無事でしたが、惜しくもここで2人のラリーは終わることとなってしまいました。
キンテロ/センツ組はウェイポイントの見落としで15分のペナルティを受けることとなりましたが、それでも総合トップ10圏内を維持。モラエス/モンレオン組も同様のウェイポイントミスでペナルティ、総合順位は14位。ヴァリアワ/カザレ組はパンクやナビゲーションで苦しみながらも、この日20位でフィニッシュしました。

【ステージ10】
1/15(水) ハラド > シュバイタ 総走行距離 635km | SS距離 115km
舞台はエンプティ・クォーターへ。
ラテガン/カミングス組が総合首位を奪還

今ステージでは500kmに渡る長いリエゾン(移動区間)を経て、いよいよ戦いの舞台はエンプティクォーター(空白地帯)と呼ばれるルブアルハリ砂漠の砂丘地帯へと入りました。
この日、ラリーの結果を大きく左右するかもしれない翌ステージ11でのスタート順を考慮した、上位勢による戦略的な戦いが繰り広げられました。

100km以上にわたる砂丘の戦いで、ラテガン/カミングス組はライバルのアル・ラジ/ゴットシャルク組よりも9分36秒速いタイムでフィニッシュし、総合首位の座を奪い返しました。しかし、その差は僅か2分27秒と、残り2ステージ、全く気の抜けない戦いが最後まで続きます。
モラエス/モンレオン組はステージ2位。キンテロ/センツ組は柔らかい砂地に苦しみながらもステージ8位と好位置でフィニッシュ。ヴァリアワ/カザレ組は遅い車両に阻まれタイムロス、14位でフィニッシュしました。

【ステージ11】
1/16(木) シュバイタ > シュバイタ 総走行距離 384km | SS距離 152km
ハイラックス同士の僅差の首位争い。決着は最終ステージへ
残り2日となったダカールラリー。このステージ11は、エンプティ・クォーターの砂丘で争われる本格的な最後のステージでした。しかし、現地は朝から濃霧に覆われ、視界が確保できないためスタートが順延。後方スタート車両が日没後に砂丘走行を強いられることを避けるため、競技区間は当初の280kmから152kmへと短縮されることとなりました。

前日総合首位を奪還したラテガン/カミングス組は、11番手からスタートを切りましたが、前走車に追いついてしまい、タイムを大幅にロス。このステージを5位でフィニッシュしましたが、アル・ラジ/ゴットシャルク組はこのステージを3位でフィニッシュし、再び総合順位でラテガン/カミングス組を逆転。2位のラテガン/カミングス組との差は6分11秒となりました。
前日ステージ2位となったモラエス/モンレオン組は、これを学習の機会と捉え、砂丘の続くコースを切り拓いていく役割を担いながら走行。そのスピードとナビゲーションスキルを証明し、17位でフィニッシュしました。
ヴァリアワ/カザレ組は砂丘ステージで苦戦。長い砂丘ステージ特有の乗り物酔いの症状にも苦しみ、それでも19位でフィニッシュ。キンテロ/センツ組はダンパーの不調で、修復のために停止するも、ジャッキの油圧トラブルにも見舞われ大きくタイムロス。この日は22位でフィニッシュ。総合でのトップ10は守りました。

【ステージ12】
1/17(金) シュバイタ > シュバイタ 総走行距離 131km | SS距離 61km
ラテガン/カミングス組の追い上げ4分及ばず。
モラエス/モンレオン組がステージ2勝目

この日はゴール地点のシュバイタをスタート/ゴールとするループステージで、観客の見守る中、複数台同時のスタートから61kmの短い競技区間を経て、各車両はゴールセレモニーへと向かいました。

総合2位で追うラテガン/カミングス組は、首位との6分11秒の差を詰めるべくプッシュし、総合3位でフィニッシュしましたが、逆転にはステージが短すぎ、2分差を詰めたものの総合では3分57秒差の2位フィニッシュ。アル・ラジ/ゴットシャルク組が2025年のダカールラリー総合優勝を勝ち取り、TGRは惜しくも2位となったものの、GRダカールハイラックスEVOは1-2フィニッシュとなりました。

この結果、このダカールラリーが初戦となるW2RC(FIA/FIM 世界ラリーレイド選手権)では、第1戦を終えた時点でアル・ラジが70ポイントで首位、ラテガンが55ポイントの2位で続いています。

若きキンテロ/センツ組は総合9位でフィニッシュ。様々な困難を乗り越え、自身2度目のダカールラリーをトップ10で終えてみせました。キンテロは今大会2度のステージウィンを飾るなど速さを見せ、W2RCでは28ポイントで6位につけています。
このステージではモラエス/モンレオン組がトップフィニッシュ。ステージ7に続き今大会ステージ2勝目を飾りました。モラエス/モンレオン組はラリー序盤で首位を争いましたが、ステージ6でのトラブルによりタイムロスを喫し、優勝争いからは脱落しましたが、その後ステージ2勝を挙げ、総合15位でフィニッシュ。W2RCランキングでは18ポイントの10位となりました。

ヴァリアワ/カザレ組はステージ3で勝利を挙げ、アルティメットクラスでの最年少ステージ優勝者となりました。しかし、ステージ2でのクラッシュなどもあり、総合29位でラリーを終えました。W2RCでは13ポイントを獲得しています。
ド・ヴィリエール/ジッツェヴィッツ組は、ステージ中にジッツェヴィッツが首の痛みを訴え、ドクターストップでリタイア。22回目のダカール出場となったベテランのド・ヴィリエールにとって、初のリタイアとなりました。
ボッテリル/マーフィ組はステージ9まで安定した走りを見せていましたが、クラッシュでリタイアを余儀なくされました。

今大会、TGRを含むトヨタ・ハイラックスは全12ステージ中8ステージを制し、ビーシャのプロローグでもトップタイムをマークしました。また、1-2フィニッシュを含め、トップ10に4台が入る活躍を見せ、トヨタ・ハイラックスの品質と耐久性、信頼性、そして、モータースポーツ起点の「もっといいクルマづくり」を証明することができました。

ダカールラリー2025総合結果(1月17日時点):
総合順位 ドライバー/コ・ドライバー(チーム) 首位との差
2位 #211 ヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス
(TOYOTA GAZOO Racing) 3秒57秒差
9位 #204 セス・キンテロ/デニス・センツ
(TOYOTA GAZOO Racing) 2時間20分04秒差
15位 #203 ルーカス・モラエス/アルマンド・モンレオン
(TOYOTA GAZOO Racing) 5時間23分30秒差
29位 #218 サオード・ヴァリアワ/フランソワ・カザレ
(TOYOTA GAZOO Racing) 9時間29分56秒差
リタイア #205 ガイ・ボッテリル/デニス・マーフィ
(TOYOTA GAZOO Racing) –
リタイア #206 ジニエル・ド・ヴィリエール/ディルク・フォン・ジッツェヴィッツ
(TOYOTA GAZOO Racing) –

コメント:
ヘンク・ラテガン
(No.211):
2週間にわたり、早朝から深夜まで走り続けた、数千kmに及ぶ戦いの結末が、僅か4分差での2位というのは、なんとも言えない、ほろ苦い結果です。しかし、表彰台に上れたのは良かったですし、なにより私にとって初のダカールでの表彰台なので、本当に嬉しいです。今大会で我々とチームが成し遂げたことは驚嘆に値しますし、誇りに思います。今年もさらにプッシュを続けクルマを改良し、我々自身も経験を重ねて成長して、もっと強くなって来年戻って来ます。

セス・キンテロ(No.204):
ようやく自分らしさを発揮できたように感じられ、ほっとしています。昨年は何度か勝利などもありましたが、安定していなかったので、この大会でとても安定してレースを戦えたことは良かったです。チームや私自身の力だけではどうにもならないことも幾つかあり、それが結果に響いてしまいました。TGRはチーム全員がこの2週間、素晴らしい仕事をしてくれました。我々はここ数ヶ月、大変な努力を続けてきましたが、それは間違いなく報われました。今年レプソル社がチームに加わったことはとても大きな意味を持ちます。再生可能燃料は、この先ずっとレースを続けていくための道しるべになるでしょう。

ルーカス・モラエス(No.203):
何と言っていいかわかりません。いつも言っていることですが、生きている限り、失うものは無く、常に勉強です。もちろん、総合結果だけ見れば、決して望んでいた結果ではありません。しかし、完走できただけでも満足していますし、特にステージ優勝できたことは嬉しいです。誰もがプッシュする最終ステージで勝利できたというのは、我々にスピードがあること、クルマがどれだけ速いかということを証明できたと思います。来年はもっと強くなって戻ってきたいと思います。

サオード・ヴァリアワ(No.218):
信じられないようなレースでした。思い返せば、昨年は初めてのダカールでした。今年は昨年よりもはるかに難易度が上がっており、主催者は最初の週で我々をふるい落とそうとしていたと思います。しかし、クルマは素晴らしかったですし、2度目のダカール挑戦で完走を果たすことが出来て本当に嬉しいです。

アンドレア・カルロッチ(TGRチーム代表):
恐らくサウジアラビアに移ってから最高のダカールで、素晴らしいラリーだったと思います。もちろん、トヨタにとっても素晴らしい結果となりました。1-2フィニッシュを果たし、各ステージでも多くの表彰台や勝利を勝ち取りました。それにより、ある意味クルマの速さと強さも証明しました。参加者たちにも多くの栄誉がもたらされたと言えるでしょう。彼らは最後の最後まで全力で戦い続け、本当にエキサイティングでした。これこそがモータースポーツのスピリットであり、それ以上は望めません。



RALLY PLUS