WRCモンテカルロ:勝田貴元「25年車両はドライブしやすくなった」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCモンテカルロ:勝田貴元「25年車両はドライブしやすくなった」

©Keiko Ito

1月23日に開幕するWRCの2025年シーズン。第1戦ラリーモンテカルロのスタートを前に、各チームがグループ取材に対応した。今季もトヨタ・ガズーレーシング・ワールドラリーチームからフル参戦する勝田貴元は、新シーズンに向けて、地に足をつけた展望を示すとともに、プライベートではモナコに住まいを移していたことも語った。

Q:モナコに引っ越したそうですね。
勝田貴元(以下、勝田)
「モナコのモータースポーツコミュニティはとても充実しています。毎戦の移動でどこが最適かを考えていた時に、ヨーロッパの中心がいいのではないかと考えて、モナコが選択肢のひとつになると思い、昨年、引っ越しをしました。フィンランドのユバスキラで9年間を過ごしたので、それなりに寂しく感じましたし、自分にとってはホームのような場所だったので。今は、テストやミーティングのためにユバスキラを頻繁に訪れています。チームもユバスキラに本拠地がありますし、日本と同じくらい母国に帰ってきたという感じがありますね」

Q:今シーズンはどのように取り組みますか?
勝田
「昨年よりもっと良い仕事をしたいです。昨年の自分のパフォーマンスには満足できていないし、人生で最も難しかった1年と言えます。昨年に比べてもっと安定した結果を出していかなくてはなりません」

Q:今年はタイヤが変わるという大きな変化があります。すでに特徴を学べていますか? タイヤテストを行いましたか?
勝田
「フィンランドで、凍結したグラベルのドライコンディションで、一日テストを行いました。スリックタイヤは悪くありませんでしたが、スノータイヤはかなりトリッキーになると思いますし、ほかのドライバーたちも同じことを言っています。だから今回のラリーの天候に応じて、どうなるか様子を見ながら臨むことになると思います」

Q:ハイブリッドがなくなるという変化もありますが、マシンのフィーリングはどうですか? 重量もバランスも変わりますよね。
勝田
「ドライバビリティに関しては、かなりドライブしやすくなりました。パワーが少なくなったこともあり、急な動きで驚かされることも少ない印象です。軽量化されたのでタイヤがより早く反応してくれますし、急な動きに常に気を遣う必要がないのでストレスも減ります。シーズンの展開を見てみる必要がありますが、これまでよりは運転しやすくなったと感じています」

Q:ハイブリッドブーストについて考える必要がないことは、楽になりますか?
勝田
「ドライビングは以前と比べてかなりラクになりました。ブースト自体のマネージメントはうまくいっていたと思いますが、最も大きな違いは重量です。マシン中心部から少しリヤ寄りに重いシステムがあったので、それがドライバビリティと速度に影響を与えていたと思うのですが、それがなくなったのでストレスも減りましたし、自分のドライビングもそれに合わせていく必要があります」

Q:ポイントシステムも変わりましたが、昨年よりいいシステムだと思いますか?
勝田
「個人的には、昨年よりはいいと考えています。変化があると、場合によっては良かったり良くなかったりしますが、今年のシステムについては、たぶんFIAがいい妥協点を見つけてくれたのだと思っています。日曜日をワクワクさせるような状況は残りますが、ラリーは一週間を通じて行われるもので、土曜日までのものではないのですから、ラリーを通じて一番いい結果を出したドライバーが最大ポイントを獲得できるのがいいと思います」

Q:今シーズン、自分自身はどのような結果を出せると思いますか?
勝田
「昨年は自分自身に期待をかけすぎてうまくいかなかった部分もあるので、もう期待はしないことにしました(笑)。昨年はとにかくプッシュしていましたし、よりいい結果を出すために頑張りすぎてしまっていたところもありました。自分自身は常に最大限の努力をしていきたい性格ですが、状況に合わせて対処していく必要があると思います。昨年最終戦のラリージャパンがいい例で、時には自分的に慎重すぎると感じることもありましたが、我慢をしたおかげで総合4位でフィニッシュし、多くのポイントを獲ることができました。だから、シーズンを通じてそういう走りができればいいと考えています」
(Keiko Ito)



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