WRC開幕戦ラリーモンテカルロ(ターマック&スノー)は1月25日、SS10〜SS15の走行が行われ、トヨタのセバスチャン・オジエ/バンサン・ランデが首位をキープして最終日を迎える。エルフィン・エバンス/スコット・マーティンは、激戦の2位争いを展開。カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン、勝田貴元/アーロン・ジョンストン、サミ・パヤリ/マルコ・サルミネンは、それぞれ5番手6番手、7番手で続いている。
(以下、チームリリース)
WRC 第1戦 ラリー・モンテカルロ デイ3
オジエが首位を守りリードをさらに拡大
エバンスは総合2位、ロバンペラは総合5位につける
1月25日(土)、2025年FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦ラリー・モンテカルロの競技3日目デイ3が、フランス南部ギャップのサービスパークを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(GR YARIS Rally1 17号車)が首位を堅持。エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は総合2位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)は総合5位に、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は総合6位につけました。また、TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)は、総合7位につけています。
ラリー・モンテカルロのデイ3は、サービスパークの西側に広がる山岳地帯で、3本のステージを各2回走行。6本のステージの合計距離は120.66kmと、4日間で最長の一日でした。デイ2は雲が多いながらも青空も見え、一日を通して降雨はありませんでした。ステージの路面は全体的にはドライコンディションでしたが、一部湿っているところもあり、早朝は霜に覆われていたり、凍結している区間もありました。また、インカット走行により路面に多くの泥や砂利が掻き出されているコーナーも多く、路面のグリップレベルが頻繁に変化するなど、前日に続きトリッキーな一日となりました。
デイ2で首位に立ったオジエは、デイ3でも好調を維持。遅い出走順により、ライバルよりも不利なダーティな路面を走行することになりましたが、それでも安定して上位のタイムを刻み続け、総合2位の選手とのタイム差をじわじわと拡大。最終的には、アドリアン・フォルモー(ヒョンデ)との総合2位争いに競り勝ったエバンスに対し、20.3秒の差をつけてデイ3を締めくくりました。前日総合2位のエバンスは、2本目のSS11でフォルモーに順位を奪われましたが、SS13で2番手タイムを記録し、1.7秒差をつけて総合2位に復帰。続くSS14ではフォルモーと僅か0.7秒差の総合3位に後退しましたが、最終のSS15で2番手タイムを刻み、再逆転に成功。フォルモーに4.3秒差をつけ、総合2位で一日を終えました。
デイ2で総合4位に順位を上げたロバンペラは、クルマのフィーリング改善を進めながらステージを重ねましたが、順位をひとつ下げ総合5位に。前日総合6位の勝田は、順位こそ変わりませんでしたが、デイ3でスピードが大きく向上。4番手タイムを2回、3番手タイムを2回、ベストタイムを1回記録するなど速さを示し、非常にポジティブな形で一日を終えました。なお、Rally1車両でのラリー・モンテカルロ出場は今回が初となるパヤリは、デイ3でも確実性の高い走りを続けて多くの経験を積み、総合7位の座を守りました。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
今日もいい一日になり、とてもハッピーです。今日は、路面にアイスはそれほど多くなかったのですが、ダートが多く出ていたので、グリップレベルの判断が難しい一日でした。我々のドライバー全員が素晴らしい仕事をしてくれましたし、改善も続いています。貴元とサミは大きく進歩し、カッレはいくつかの区間では非常にいいタイムを記録するも、ツイスティな区間では苦戦していました。しかしシーズンは長く、彼はポイントを獲得することだけを考えており、賢明な仕事ぶりを見せてくれています。上位争いは大接戦となり、首位のセブはリードをうまくコントロールし、エルフィンはフォルモー、タナックと激しく競り合い2位の座を死守しました。明日は激しい雨、あるいは雪になる可能性もあるので、あらゆる状況に備えなければなりません。今の時点では、まだ何も確実なことはないのです。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
全体的には、今日の自分たちの戦いにはとても満足していますし、今晩もかなり良い順位につけています。ステージは路面がかなりダーティなところもあり、様々なコンディションがミックスされた状態で、自分たちのパフォーマンスもそれに左右されました。調子が良いと感じたときはプッシュしましたが、他の場面では少し慎重になり過ぎたかもしれません。今日の最後のステージでは、オィット(タナック)にあまり大きく差をつけられず、アドリアンから2位を奪い返すことができたので、とても満足していますし、明日が楽しみです。まだ何が起こるか分からず、かなり難しいコンディションに直面するかもしれません。
カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
今日も非常に難しい一日でした。ステージやセクションによってはかなり良かったのですが、他のセクションでは少しタイムを失い過ぎてしまいました。完全に自信を持つことができなかったため、難しい一日になりました。チームと共にいくつか小さな変更にトライしていますし、少なくともまだ明日もあるので新しいことを試し、その結果を見ることができます。もちろんベストを尽くして戦いますし、追加ポイントを獲得できることを期待しています。
セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 17号車)
今日も決して楽な一日ではありませんでした。走っていて楽しいセクションもあれば、トリッキーなセクションもありました。とくに、日が暮れ始めてからは泥の上で何度か危ない瞬間があったので、一日を無事に走り終え、タイム差を少し拡げることができたことを嬉しく思います。タイム差はそれほど大きくはありませんが、それでも最終日に向けてポジティブな要素です。例年同様、最後まで難しい状況が続くと思います。なぜなら今晩の天候がどうなるのか予測が難しく、正しいタイヤ選択を行い、最後まで集中力を維持しなくてはならないからです。
勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)
自分にとってはとても良い、ポジティブに感じられる一日でした。昨晩チームとセットアップを少し変更した結果、今日はクルマのフィーリングが大幅に良くなり、よりプッシュできるようになりました。昨日よりもずっと速く走ることができましたし、タイムも良かったので自信がつきました。明日はかなり重要な一日になると思います。どうやら天候は興味深いものになりそうですが、ポイントを獲得するためにベストを尽くして戦います。
サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)
今日、自分たちは間違いなく前に進むことができたのでいい気分ですし、とても楽しむことができました。とくに計画を変えたわけではないのですが、フィーリングが向上したことでタイムも良くなりました。もう少し時間と経験を積めば、さらに良いタイムを出せるようになると思います。 聞くところによると、明日はコンディションがさらに厳しいものになる可能性があるようなので、これまでとはまた違う、難しい一日になるかもしれません。
ラリー・モンテカルロ デイ3の結果
1 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1) 2h42m48.2s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +20.3s
3 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +24.6s
4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1) +27.1s
5 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +55.0s
6 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1m43.7s
7 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +4m09.9s
8 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +5m17.5s
9 ジョシュ・マッカーリーン/オーエン・トレーシー (フォード Puma Rally1) +8m25.4s
10 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シュコダ Fabia RS Rally2) +8m33.0s
(現地時間1月25日19時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
明日のステージ情報
競技最終日となる1月26日(日)のデイ4は、ギャップのサービスパークを起点に、木曜日の夜にSS1、SS3として走行した2本のステージを再走。その後、有名なチュリニ峠のコーナーを含む最終のパワーステージ、SS18「ラ・ボレーヌ=ベジュビー/ペイラ・カヴァ」を経て、モナコでフィニッシュを迎えます。日曜日に関しては、前年に続き日曜日の合計タイムのみで順位を競う「スーパーサンデー」が採用され、パワーステージと同じように最大5ポイントを獲得することが可能です。3本のステージの合計距離は50.90km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は348.26kmとなります。