初めてのWRCラリーモンテカルロに挑んでいるTOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム2期生の小暮ひかる、山本雄紀の土曜日のコメントをお届けする。山本はSS12でコースアウト、デイリタイアを喫している。
小暮
── 午前中の様子はどうでしたか?
昨日よりはかなり自信をもって走ることができました。路面コンディションは基本的にはドライで、ちょっと湿っていたりウエットだった場所もあった感じでした。土は濡れているので、泥がどんどん出てきています。グラベルクルーの情報は昨日よりも合っていて、自分もその情報を信頼できたのでタイムの向上につながりました。
── 左リヤのダメージは何がありましたか?
SS11はスピンであまりいいタイムが出せませんでした。SS12のタイトで巻き込んでいく先が見えないロングコーナーで、グラベルクルーからの情報より泥が多く出ていたのでサイドブレーキを引いたら、外側のガードレールにヒットさせてしまいました。その影響で金属部分がタイヤに擦っていて、その音が車内で聞こえたので抑えて走り、リエゾンでタイヤを交換しました。ギリギリなんとかパンクしなくてよかったです。
──今日を終えていかがでしたか?
ルートノートクルーがギリギリまで粘ってくれたこともあって、ノートの情報に一貫性が出てきたと思います。いつも(コ・ドライバーの)トピ(ルフティネン)が情報を書き写しているのですが、スタートの30秒前に書き写しが終わるような忙しいループでした。いい感覚はつかめましたが、自分自身でもっと詰められるところがあると思いました。トピもノートのコールに苦戦していました。噛み合わなかったり、自分もよく聞き取れなかったりしたこともあり、ちょっと抑えてしまったところもありました。
──明日はチュリニ峠などを含む3ステージ、天候が難しそうですがどのように臨みますか?
最初のの2本は雨で、最後のチュリニは雪かもしれないと聞いています。今日も雪のところはかなり滑ったので、そのあたりも感触をしっかり確かめながら、いけるところは攻めて。チュリニはかなりトリッキーなコンディションだと思うので、攻めすぎずしっかり完走して、アイスコンディションでどれだけ滑るかという経験を積んでいきたいと思います。
山本
SS12でのアクシデント後、サービスにて
──かなり激しいクラッシュだったようですが、身体は大丈夫ですか?
実際には低速でのアクシデントでした。SS12で一番アイスの層が厚い場所があり、情報としてはそれまでの凍結していた場所とあまり変わらない感じだったのですが、自分の注意が足りず、十分にスピードを落とし切らずに入っていくと、想像以上に厚いアイスがあって、速度が高すぎていました。その後は何もできず、まっすぐ滑っていった感じです。そこで木に当たったのですが、その手前にスノーバンクなどはあって減速したので、ぶつかった瞬間には時速25kmくらいでした。ただ、アイスに乗った瞬間は、50〜60kmくらい出ていたと思います。メカニックたちが、いま修理に取りかかってくれています。コクピットには何も影響がなく、フロントも交換できない部品にダメージはありません。
──どのように走ればよかったと思いますか? スタッドは履いていましたか?
スリックを履いていたので、アイスに対してもうちょっと抑えなくてはなりませんでした。昨日はもう少し冷えた路面で、アイスだという情報がたくさんあったのですが、実際に行ってみると融けていた状況があったので、ノートクルーと話し合う必要があり。両方の側面が反省としてはありますね。
──再スタートできれば明日はチュリニ峠などのステージですが、かなりトリッキーなコンディションになりそうだと聞いています。
チュリニの上の方は雪の可能性があると聞いているので、たぶんステージの中でも最初はドライで、その後が雪になることも考えられます。それもまた新しい経験なので、無理をせず。コンディションの変化に対してどうアプローチをするかがとても重要になるので、明日もまたモンテらしいコンディションでいい経験ができると思いますし、走り切ってこのラリーを終えたいと思っています。
(Keiko Ito)