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成功の舞台裏

 

ペター・ソルベルグのNEVER GIVE UP! 「成功の舞台裏」

勝利だけ追い求めてもダメなんだ!
何かをマスターして勝ち始めると、もっと勝ちたくなる。そしてもっと勝つと、さらに勝ちたくなる。コツは、自分が収めた成功を大切にすること。なぜなら、さらに勝利への欲望が高まって、最終的に過剰になってしまってはいけないからだ。

今季の滑り出しは、少し独特だった。2勝+2位が2回というのは、ラリークロスの様な予測不能の競技においては、かなり予想を上回る上出来の内容だ。マシンが素晴らしい事、それを生み出したチームが優れている事はもちろん十分に分かっている。でも、それ以上に開幕4戦続けてトップ2でのフィニッシュを果たすためには、まだまだ理解していない要素もたくさんある。



シリーズを戦うには、機材の移動、拠点の設営などなど緻密に計画しなくてはならないことがたくさんある。

開幕前の3月上旬、チーム全員が集合して今季に向けての話し合いを行った。そこで、最初の4戦での戦略が重要な議案として挙がった。4週間のうちに4戦をこなさなくてはならないため、慎重に計画を立てなくてはならない。レースの前も間も、その後もミスが許される余地はまったくないのは明らか。当然、留意することと、それを正確にこなすことに、最大限の注力を行うことを目指すプランになった。

・RXマシンに大きなダメージを負わせない
・現地のセッティングから荷ほどきまで、チームの移動に関するすべてのことを極めて効果的に行わなくてはならない
・あらゆる状況に対して、明確な対策を立てておかなくてはならない

このミーティングではこんな話しもしていた。最初の4戦は、その後のシーズンの流れすべてを決めるベースになる。ここまでの3ヶ月、一人一人が必死でがんばってきたチームが挑んでいく開幕4戦が非常に過酷であり、これまでにないほどの努力が求められることは明白だった。幸い、僕のチームは全員がすぐに、自分に求められる事を理解し、それに挑んでいきたいというメンバーだった。


プライベーターチームのPSRXを支えてくれるのはチームスタッフとスポンサーのみなさん。今年はチームズタイトルも狙うよ!

そして、ポルトガル、ドイツ、ベルギー、英国と開幕4戦を終えて、僕たちは選手権ポイント112を獲得。2位以下に29ポイントの差を築いたんだ。

実現できたことが、これ以上ないってくらいうれしいよ

すべては、僕のチームとスポンサーたちあってのこと。ライバルたちのようなマニュファクチャラーからの支援を一切受けず、僕らはこれをやってのけたんだぜ!

実は、初めて打ち明けるんだけど、リッデンヒル(英国)で勝利を収める直前、僕は難しい選択を迫られていた。僕たちは、米国テキサス州オースチンで開催されるXゲームへの名誉ある招待を受けていたんだ。すぐに返事をしなくてはならなかった。

Xゲームでゴールドメダルを獲る事を夢見ない人なんて、いるかい? 僕だって、思ってもいなかったオファーだった。

とても参加して勝ちたかったし、それが可能なだけの力もあったと思う。でも、僕たちの芯はブレなかった。僕たちの最重要課題は、2015年FIA世界ラリークロス選手権だ。そのためにこの200日間、取り組んできた。僕たちの機材は、世界選手権の13戦分しかない。米国に参戦して、もし何か問題が起きた場合、世界選手権の活動に与えるリスクは計り知れないほど大きいものになってしまうんだ。

だからXゲームには参戦せず、予定通りスウェーデンのヘリェスで2日間、非常に重要なテストを行った。このテストでは、世界ラリークロス選手権でのこの後のシーズンに向けて、マシンの能力やパフォーマンスを整えることができた。

順調に滑り出した今季。北米への遠征を前に、ドイツとスウェーデンでもゼンカイで攻めるよ!

もちろん、この4週間での内容に、僕が心から満足しているのは疑いないのないことだよ。今は、ドイツとスウェーデンでのレースに専念して、その後すべての機材をカナダに送る。この3週間はとても慌ただしくなるけど、それが過ぎればつかの間の休暇を楽しむことができる。この数週間の準備は、上々だ。FIA世界ラリークロス選手権の、新たな冒険に乗り出す準備は万端。とても楽しみにしている。

苦労は報われる。チーム全体が、何十時間も、幾晩も夜を徹してがんばってきた。オースチンを蹴ってヘリェスでのテストを選んだ選択が正しかったのかどうか、結果はこれからだ。

チームも僕もそう思っているし、それを願っている。
答えは、この週末!



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