WRCスウェーデン:三つ巴の首位争い。3日目を終え勝田貴元は首位エルフィン・エバンスから3.0秒差の2番手 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCスウェーデン:三つ巴の首位争い。3日目を終え勝田貴元は首位エルフィン・エバンスから3.0秒差の2番手

©TOYOTA

2025年シーズンWRC第2戦ラリースウェーデンは、2月15日(土)にラリー3日目の7SSを終え、トヨタのエルフィン・エバンスが、チームメイトの勝田貴元に3.0秒差をつけて首位を走行。6.3秒差の3番手にはヒョンデのティエリー・ヌービルがつけている。

土曜日はサービスが置かれたウメオ西側の3SS「Vannas(15.65km)」、「Sarjoliden(14.23km)」、「Kolksele(16.06km)」をサービスを挟んでリピートし、最後に「Umea Sprint(5.16km)」で締めくくる7SS、97.04km。この日の天候も晴れ、ただ圧雪路のライン上には一部ルーズスノーが残っている。この日は、上位クルー全員がスペアタイヤを1本搭載してサービスをスタートした。

オープニングのSS9、「昨日よりもマシンに自信を持ってドライブできている」と語るカッレ・ロバンペラ(トヨタ)が、今大会初のベストタイム。2.0秒差のセカンドベストでまとめた勝田は、首位エバンスに0.1秒差にまで迫ってきた「思ったよりもグリップがない箇所がありましたが、いい走りができました」と、勝田は笑顔を見せた。2.8秒差の総合3番手にオィット・タナック(ヒョンデ)、10.7秒差の総合4番手にアドリアン・フルモー(ヒョンデ)、13.9秒差の総合5番手にヌービル、23.0秒差の総合6番手にロバンペラのオーダーで続く。

TOYOTA


SS10、エバンスがロバンペラに0.4秒差、勝田とフルモーに1.9秒差のベストタイムを刻む。これで勝田との合計タイム差を2.0秒に拡大したエバンスは「これだけプレッシャーの掛かる展開は、すごく楽しい」と、余裕のコメント。このステージ、ウインドスクリーンにオイルが付着し、視界を遮られた状態で走ったタナックは4.6秒差の6番手タイムに沈み、首位から7.4秒差とわずかに後退している。

この日最長の16.06kmを走るSS11は、一部荒れたセクションが存在するなかでヌービルがベスト。勝田は、4.8秒差の4番手タイムを記録したエバンスから0.8秒遅れた5番手タイム。ここまで総合3番手をキープしていたフルモーは、スタート直後にヘルメットのストラップを締めるためにストップ。20秒近くを失って、総合6番手にドロップ。ベストのヌービルは、依然としてウインドウの視界不良に見舞われた状態のタナックもかわし、総合3番手にポジションを上げた。

午前中のセクションを終えて首位エバンスと勝田の差は2.8秒に拡大し、11.2秒差の総合3番手にヌービル、12.7秒差の総合4番手にタナック、21.6秒差の総合5番手にロバンペラ。31.4秒差の総合6番手と、表彰台争いから脱落したフルモーは「スタートの数秒前にヘルメットがしっかりと締められていないことに気がついた」と、肩を落とす。少し離れた1分7秒3差の総合7番手にマルティンス・セスクス(Mスポーツ・フォード)、1分20秒6差の総合8番手にサミ・パヤリ(トヨタ)という、若いふたりが続いている。

ウメオのサービスを挟んだ午後のセクション、前日同様に路面には午前中の走行により、一部グラベルが出ている。SS12、勝田はスタート直後のジャンクションでオーバーシュートを喫して、数秒をロスしてしまう。それでもベストタイムのフルモーから4.4秒、エバンスから3.2秒遅れの6番手タイムでリカバーし、首位エバンスに6.0秒差の総合2番手の座をキープした。1.0秒差のセカンドベストをマークしたタナックは、ヌービルをかわし、総合3番手を取り戻している。

SS13はエバンスがヌービルに1.2秒差、ロバンペラに1.6秒差のベストタイム。勝田は2.6秒差のSS4番手タイムで走行し、エバンスとの合計タイム差は8.6秒に拡大した。セカンドベストのヌービルは、再度タナックを抜いて総合3番手に浮上。前を行く勝田との差も、6.5秒と射程圏内に入ってきた。その後方ではフルモーがスタートから800m地点でコースオフ。コース脇の雪にスタックしてしまい、クルーは脱出を試みたもののマシンを動かすことができず、リタイアに終わっている。

HYUNDAI


SS14はヌービルが勝田に1.0秒差、タナックに2.4秒差のベスト。エバンスはグリップの低いセクションでマシンのコントロールを失って数秒をロスし、3.6秒差の3番手タイム。勝田との差は6.0秒に縮まった。

この日を締めくくるSS15は、当初距離を伸ばした「Umea(10.08km)」を走行する予定だったが、主催者が急遽「Umea Sprint 3(5.16km)」に変更。完全に夜の帷が落ちる中、ヌービルがこの日3度目となるベストタイムをたたき出した。勝田は2.2秒差のセカンドベスト、エバンスはスタートから3.7km地点のジャンクションで痛恨のエンジンストールを喫したことで、5.2秒差の7番手タイム。この結果、首位エバンスと勝田との差は3.0秒に縮まり、総合3番手のヌービルとは6.3秒差、さらに12.8秒差の総合4番手にはタナックもつけるという、大混戦のまま最終日を迎えることになった。

タフな3日目を総合2番手で走り切った勝田は「最後までこのラリーを走り切りたい、それだけです。明日、どのような方針で走るのかは、チームと話すことになるでしょう。色々なことに飢えていますが、今回はクレバーでなければなりません」と、自分に言い聞かせるように語っている。

競技4日目はSS16〜SS18の3SS、SS走行距離は68.78km。オープニングのSS16は、日本時間2月16日の15時27分にスタートする。

M-SPORT


WRCスウェーデン SS15後暫定結果
1. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:00:04.2
2. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +3.0
3. T.ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) +6.3
4. O.タナック(ヒョンデi20 Nラリー1) +12.8
5. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +22.9
6. M.セスクス(フォード・プーマ・ラリー1) +1:31.4
7. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:43.6
8. J.マカリアン(フォード・プーマ・ラリー1) +2:05.8
9. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ラリー1) +2:45.9
10. O.ソルベルグ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +6:09.6

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