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©RALLY PLUS
若手ラリードライバーの育成、ラリー競技の活性化を目的に、TOYOTA GAZOO Racingが昨年に創設した、全日本ラリー選手権JN-2クラスのサブカテゴリー「MORIZO Challenge Cup(MCC)」は、2シーズン目となる今年の開幕戦ラリー三河湾の開幕を2月28日に控え、23日に愛知県幸田サーキットでノミネートクルーを対象としたトレーニング「MORIZO Challenge Cup トレーニング in 幸田サーキット」を実施した。
昨年同様、今季のMCCも様々なキャリアのドライバーがエントリーしている。今回のトレーニングは、各選手のレベルに沿って技術の底上げを図ることを目指して実施された。TGR-WRTからミッコ・ヒルボネン、ヨウニ・アンプヤ、コ・ドライバーのヤンネ・フェルムがトレーナーとして来日。サーキットで走行する様子や同乗したうえで、各選手にドライビングやセッティング、ペースノートの作り方のアドバイスなどを行った。世界レベルの講師から指導を受ける貴重な機会が与えられることができる点もMCCの特徴のひとつとなっており、前週にもすでにアンプヤとフェルムの指導のもとにトレーニングが開催されていた。
TGR WRCチャレンジプログラムのコーチも務めているヒルボネンは「昨年は、MCCのプログラムとしては来日することがありませんでしたが、コーチ側としても多くのことを学びました。今年はもう少し深く関わるようになりますが、このシリーズは昨年よりも大きくなっているので、うれしく思います。今年も様々な背景を持つドライバーがたくさん集まりましたが、どんな選手なのか、どんなレベルなのかを直接確認することができたので、アドバイスも与えやすくなります。今年は来日する機会も、もう少し増やす計画です。
昨年から参加するドライバーのほか、新しいドライバーもたくさんいるし、女性ドライバーも参戦してきてくれたのはとてもうれしいですね。色々なレベルの人がいるので、ペースノートの作り方や課題も違うと思いますから、最初はリザルトもかなり差が出ると思います。初めてラリーに挑戦するドライバーもいるので焦る部分もあるかと思いますが、習得には相応の時間が必要です。辛抱して、着実にステップを踏んでいってほしいと思います」と期待の声を寄せた。
昨年までエサペッカ・ラッピと組んでWRCに参戦していたベテランコ・ドライバーのフェルムは「コ・ドライバーの指導には、できる限りたくさんの例を示してあげます。そのなかから、どれを選ぶかはコ・ドライバー次第です。ペースノートのスキルを上げるには、まずはとにかくノートを書くこと。見たことを視覚化し、それを読んでみることです。そしてオンボード動画を見ながら、どこがよかったのか、悪かったのかを研究することですね。
このような仕事をするオファーをいただいた時、夢が叶ったような思いでした。この素晴らしいスポーツをさらに深く学ぶ大きな機会を与えられたのですから。自分が参戦していると自分のことにしか目が行かなくなるものですが、こうして様々な見方でラリーを感じることができます。それに、若い選手が互いに刺激しあって成長していく姿を見るのは、とてもいいものです。本当にワクワクしています」と意欲を語ってくれた。
今季の全日本ラリー選手権は2月28日から始まるラリー三河湾(ターマック、愛知県)で開幕を迎える。今季の戦いが始まるエントラントに向けて、最後にコーチ陣からは次のように激励のコメントがかけられた。
「常に新しいことを学ぶことは、とても重要なことです。今年のMORIZO Challenge Cupは才能のあるドライバーがたくさん集まって、エキサイティングなシーズンになると思います。できるだけ新しいことにたくさん挑戦してください。間違った方向に行ったとしても、それも学びになります。頑張ってください」(ヒルボネン)
「選手だけでなく、チームのみなさんも一生懸命にサポートしている姿を見て、とてもよかったと思います。来週の開幕戦、頑張ってください」(アンプヤ)
「皆さんが新しいことに挑もうとするポジティブな姿勢を見られて、本当に良かったです。開幕戦もぜひ頑張ってください。いいシーズンになりますように」(フェルム)