今週末開催のWRCスウェーデンに、ヒュンダイ・モータースポーツは今季初の3台体制で臨む。
既報通り、ダニ・ソルドがトレーニング中にマウンテンバイクから落下して負傷したため、エースドライバーのティエリー・ヌービルのチームメイトとして、ヒュンダイモータースポーツNのヘイデン・パッドンが#8 i20 WRCをドライブ。テストドライバーのケビン・アッブリングが、急きょ#20 i20 WRCでヒュンダイからのWRCデビューを果たす。 アッブリングは、WRカーでの参戦も今回が初めてとなる。
開幕戦モンテカルロでは2台がトップ6でフィニッシュし、順調に滑り出したヒュンダイ・モータースポーツ。ソルドの負傷というアクシデントに見舞われても、今季初の3台体制は予定通り維持して第2戦スウェーデンを迎える。
カレンダー唯一の本格ウィンターラリーに向けて、チームは12月中旬に4日間のテストを敢行。先週はさらにスウェーデン近郊で2日間のテストを行い、ヌービルとパッドンがそれぞれ半日、急きょ参戦が決まったアッブリングは1日フルで走行した。
チーム代表のミシェル・ナンダンは「デビューシーズンとなった昨年、ラリースウェーデンは若いチームにとって最も過酷な試練の一つだった。このイベントから学んだことは多く、今年はその経験を活かしていく」とコメント。
「ドライバーの顔ぶれは変わったが、予定通り3台体制で臨めることをうれしく思う。怪我をしたダニについては、一日も早い回復を願っている」
ヌービルのスウェーデンでの自己ベストは5位。昨年はセカンドベストも数本マークしており、今季はさらに上のポジションが期待される。
「シーズン唯一のスノーイベントであるラリースウェーデンは、特別なチャレンジだがたくさんある。これまで3回参戦したが、参戦する度に学ぶことがある」とヌービル。
「4回目の参戦では自分の速さも自身もさらに向上させることができる手応えがある。若手の時にこのような高速コースを走り込んでいなければ、リズムをつかむことは難しい。今回はよりコンペティティブでありたいね」
昨年はヒュンダイから6戦に参戦し、オーストラリアでは総合6位、スペインでは自信初のWRCでのステージウィンを刻むなど、見事な活躍を見せた。
「今年は大きな年になりそうだから、ニュージーランドで十分リフレッシュしてまた競技に戻ることができてうれしいよ」とパッドン。「ラリースウェーデンには3年前に一度参戦したことがあるだけなので、自分にとっては新しいイベントのようなもの。スノーラリーの経験もあまりないから、たくさんのことを学べそうで楽しみにしている」
一方、アッブリングはスウェーデンは初参戦。ヒュンダイ・モータースポーツからの参戦も初めてとなるため、重要な経験となりそうだ。
「ヒュンダイ・モータースポーツからラリースウェーデンに参戦するチャンスを得られて、うれしく思う。WRカーでの初参戦という特別な機会だからね」とアッブリング。「もちろん、この機会が与えられた状況は理想的なものではない。みんなと気持ちは同じ、ダニの回復を願っているよ。速さを得るために懸命に準備を進めてきたけど、今回は経験を積むというつもりで臨むし、チームのために全力で挑む。深いところに飛び込むような感じだけど、こういうチャレンジは大好きだよ」