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シュコダは、投入3シーズン目を迎えるシュコダ・ファビアRSラリー2のパフォーマンスを強化するアップグレードキット「パケット25」の公認を取得した。今後デリバリーするファビアRSラリー2に投入するほか、既存のオーナーへの販売も進める。
2015年、当時のR5規定車両としてシュコダ・モータースポーツがラリー界に送り出したファビアR5は、WRCをはじめ様々な選手権でこのカテゴリーを牽引してきた。このモデルでののべ出走回数は2万5000回を超え、世界各国でポディウムフィニッシュを7000回マークしている。この偉業は、最新スペックのファビアRSラリー2にも受け継がれており、2022年以来、150ユニット以上を売り上げてきた。ファビアRSラリー2のドライバーたちは、WRCや地域選手権、国内ラリー選手権でタイトルを数多く勝ち獲っている。
シュコダ・モータースポーツは、2022年9月1日に最初の公認を取得して以降も開発を継続。今回、リリースする大規模なアップデート・パッケージでは、性能、信頼性、クルーの快適性を向上させることを目的としている。「パケット25」の開発において、シュコダ・モータースポーツは自社の経験だけでなく、12人のラリードライバーからのフィードバックを反映。12人は、のべ4000kmにわたって様々なコンディションで新しいコンポーネンツのテストを行ってきた。
シュコダ・モータースポーツのミカル・フラバネクは「成功を収めるラリーカーへの取り組みは、決して終わることはない。シュコダ・ファビアRSラリー2はここまで、素晴らしい成功を収めてきており、我々は常にトップにあり続けようと努力を続けてきた。だからこそ、我々は発売以来、このクルマの開発を続けてきたのだ。 新しい改良は徹底的にテストされ、その価値が証明されており、このたび、カスタマーに届けるためのFIA公認を取得した」とコメントしている。
パケット25では、エンジン関連のコンポーネンツは、ファビアRSラリー2のパワートレインの熱力学的特性を改良するために設計されている。排気システムを強化することで排気ガスの流れが最適化され、混合気の調製と燃焼が改善される。新たに最適化されたエキゾースト・マニホールドは、シリンダー内のガス交換に必要なエネルギーを27%削減。エキゾースト・システムに施されたそのほかの改良により重量が軽減され、エンジンマネージメントの新しいソフトウェアと組み合わせることで、ホイールに供給されるパワーの大幅な向上と、より強調されたエンジンサウンドに寄与している。
パケット25の重要なポイントのひとつが、新開発のグラベルダンパー。高荷重に耐え、過酷なグラベルステージでの耐久性を向上させるよう設計されている。これらの変更には、従来のダンパー重量を維持しながら、ダンパーリザーバーとシールを含むいくつかの内部コンポーネントの変更が含まれている。強化されたリヤアップライトプロテクションは、ドライブシャフトブーツ、ブレーキキャリパー、ブレーキ冷却ホースの寿命を延ばす。さらに、新たに開発されたサスペンション・ユニボールシールは、ユニボールの稼働時間を大幅に延長し、カスタマーのランニングコスト全体を削減する。
快適性において最も重要な革新は再設計されたルーフベントで、コックピットへの水の侵入を防ぐと同時に、キャビンへの空気の流れを改善する。さらに、新しいレーシングシートにより1台あたり約2kgの軽量化を実現。マシンの重心を下げることに役立っている。