[更新日]:
2014年02月24日
【たけぶぅの取材のウラ】ちょっとだけ、アバルト500ラリーR3Tの走り
RALLYPLUSのTwitterでも写真を公開しましたが、昨日行なわれたテストのマシンは、アバルト500ラリーR3T。R規定のラリーカーです。
現在WRCを中心に主流となりつつあるR規定はR1〜5までの数値によって区分されている規定。そのなかに、ターボなら「T」がついたり、改造範囲によって「A」や「B」がついたりというオマケもあります。
アバルト500ラリーR3Tは、R3という規定のなかのターボ車両。同クラスには、シトロエンR3Tがありますね。昨年はWRC3というクラスではシトロエンDS3 R3Tが走っていましたし、今年からはJWRCがDS3 R3Tのワンメイクとなります。
このアバルトもそんなマシンと肩を並べて戦える、れっきとしたラリーカーなのです。
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今回はテスト走行でしたが、実はこのR3Tは日本のラリーには(そのままでは)出場できません。
日本のラリーは、日本独自の車両規定で争われています。ざっくり言うと、RN(グループNの日本版)、RJ(JAF登録車両で安全規定に配慮した日本独自の規定)、RF(結構色々なところまでチューニングできる広めの規定)、RPN(ノーマル+αくらいの今年からスタートする規定)など。それらが排気量などによって6クラスに分かれています。
残念ながら、現在の日本の規定ではここにR3T規定の車両が入る余地がないんです。簡単に言えば、ナンバーがつかないので公道が走れない=ラリーができない。なので、実際にラリーに出場する時にはオープンクラスで、R3Tのパーツも日本の規定に合わせたパーツに交換して出場することになりそうです。
今回取材したのも、日本の規格に合わせる前の「素のR3T」であるうちに、世界のラリーカーを見てみたい! という思いからでした。
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実際にクルマを見てみると、非常に美しく作られたアバルトワークスのラリーカーという印象。なんとなく数字が小さいと「どうせそんなに速くないんでしょ?」とか思われるかもしれませんが、いやいや、シーケンシャルシフトや前後ブレーキバランサーも装備し、エンジンチューニングはWRCと同じマネッティ・マレリと、ラリーファンなら「ほぉ〜〜」とため息をついてしまうようなマシンです。
リヤのストロークはやはり非常に小さく、普通のコーナーでも内輪が浮くような走り。でも非常に固められたシャシー性能があるがゆえで、ドライバーのインプレッションいわく、「ストロークは小さいけど走りはしっかりしている」と感心しきりでした。
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東京オートサロンで発表されているとおり、全日本ラリーでは、ムゼオ・チンクエチェント・レーシングチームから、2012年の全日本ラリー選手権 JN3クラスチャンピオンの眞貝知志(DC2インテグラ)がステアリングを握ります。オープンクラスなのでポイントなどはつきませんが、日本の林道を走る姿はきっとワクワクすること間違いなし。ぜひ全日本ラリーの現場で、生の走りを見てみてください。
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今回の取材の模様は、4月1日発売の「プレイドライブ 2014年5月号」と6月発売予定の「RALLY PLUS 2014 vol.2」で詳しくレポートする予定です。ディテール写真やドライバーインプレッションなど、ここでしか読めない内容が満載。ぜひこちらもご期待ください!
プレイドライブ 2014年3月号
[巻頭特集] ジムカーナ/ダートトライアル/ラリー
2014年全日本選手権 ガイダンス」