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2009年08月31日
【編集部ブログ】ラリーアートドライバーズレッスンを体験!
8月29日(土)、スポーツランドやまなしで今年2回目となる「ラリーアートドライバーズレッスン」が開催されました。アジア-パシフィックラリー参戦中の田口勝彦選手、8月のアジアクロスカントリーラリーに三菱トライトンで参戦した味戸厚二選手を講師に迎えて、直接アドバイスを受けながら自分のクルマでサーキット走行を楽しめるというイベント。今回ラリーアートさんのご好意で、ガッチリ体験取材してきました!
このイベントに企画段階からかかわっている田口選手は、「ラリーの若手育成のための練習会などをしていて、教えればできるのにやっていない、考えが正しくないために走れていないってことが多かったんです。数十周走ってもタイムが上がらず、ちょっと教えてあげるとたった1周で2、3秒もタイムアップする。それじゃあもったいないですよね。ガス代とタイヤ代をたくさん使って走っても上達しないという状況を解決してあげたいんです」と実施したきっかけを語ってくれました。
メンバーはWRC PLUS編集部からサーキット走行初体験のたけぶぅ、姉妹誌レーシングオン編集部からチューニングや走行会の経験豊富なオヤカタの2名。マシンは、ランサーエボリューションX GSR-PremiumのTC-SST(ツインクラッチ・スポーツ・シフト・トランスミッション)搭載車! ここでは「参加したいけど具体的な中身を知りたい!」という方のために、内容をご紹介します。
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開講式、講義
まず、サーキットを走る前に田口選手がコースの攻略方法、危険なポイントを説明。全長1.2kmと短く、コースの幅が狭いタイトなコースで、抜きつ抜かれつという状況も少なく初心者にはうってつけのコースです。田口選手は特にシートポジションについて注意。「ステアリングをいっぱいに切った時にシートに肩がくっついているようにしましょう。ブレーキングしてステアリングを切る時が一番バランスが悪くなるとき。そのときに不安定にならないことが重要です」とアドバイス。
続いて味戸選手からは荷重移動の大切さを説明。「クルマの重心がどこにあるのかを常に感じながら走るようにしてください」とのアドバイスを受けて、慣熟走行、フリー走行1本目にトライ。現状の自分の走りを確認しました。A〜Dまで各クラス9台程度に別れての走行で、ここではタイムも計測されるので、まずはお手並み拝見という感じですね。
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コーナー練習
このイベントの目玉のひとつがコーナー練習です。これは、講師が走り方のポイントを解説したあとでひとりずつひとつのコーナーを攻め、その走りを講師がチェックしてアドバイスするというもの。グランツーリスモのライセンス取得テストに似ているかも? ひとつのコーナーだけを攻めればいいので、コース全体の攻め方が分からなくても集中できます。
たけぶぅが体験したのは、田口選手が担当した第4コーナー。第3コーナーを抜けたところから下り坂を加速し、ブレーキをかけてアプローチしますが、やや奥にクリップを取るように、といったポイントを聞いてからいざスタート!
1本目の走行では「コーナーに入る前のブレーキが弱いですね。踏み始めが弱くて奥に行くほど踏力が強くなる。もっと最初にきっちり踏んで荷重をフロントに乗せてください」とのアドバイスが。
2本目はその辺に気をつけてブレーキに集中しましたが、思ったより手前でスピードが落ち切ってしまい、今度はライン取りがおそろかに……。「ラインをしっかり取りましょう。手前からインにつきすぎて奥のクリップが取れていないので、もっとアウト側から進入してラインを意識してください。ブレーキが早めに終わってもラインはきっちりね」とやっぱりしっかり見られていました。
3本目は個人的にはまとまったイメージでしたが、「やっぱりブレーキの初期が弱いですね。最初は強く、だんだん踏力を抜いていくイメージです。クリップまでにアクセルを少し踏んでおかないとブーストがかからずに加速できないので、脱出時の速度が乗りませんよ」とのこと。さすがに3本だけでは簡単にうまくはなれませんが、今後の課題としてとても勉強になりました。
もちろん、実際の走行時にはコース全体で考えなければいけないので、必ずしもこのコーナーのブレーキのタイミングは今回と同じとは言えません。ただ、このレッスンの目的は今回のように条件を限定したなかで、ドライバーがその場に最適な走り方を考えるというもの。その意味では、今後色々な場面で応用できそうですね。
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ライン取り走行
もうひとつの目玉が「ライン取り走行」です。テストアンドサービスのデモカーで、講師の田口選手がランエボX、味戸選手がギャラン フォルティス スポーツバック・ラリーアートバージョンで、参加者を3人乗せてライン取りを実際に体験できるというものです。私たちは味戸選手のクルマに乗車。TC-SST車のスポーツモード(ATのように自動的にギヤチェンジするモード)でのドライブでしたが、スピードもラインも全然違う! 怖いと思うほどのスピードで飛び込んで、自分は曲がれないと思っていたスピードでもしっかり曲がっちゃうんです。三菱お得意の電子制御のすごさも体感できたことは、かなりカルチャーショックでした。
逆に言えば、上達すればここまでのスピードで走れるという指標ができたわけで、フリー走行2本目はそのイメージを持ったままチャレンジできますよね(もちろん、無茶は禁物ですが)。
「最初にこれを体験させてくれたら、午前のフリー走行でもうまく走れたかも……」とも思いましたが、「そうすると、午前中から無茶をしてしまう方、最悪事故を起こしてしまう方も出てしまいますよね。ちゃんと基本を経験したうえで、上達のステップを踏んでもらうことが大事だと考えました」と味戸選手。素人の考えなどお見通しでした。お恥ずかしい……(^^;)
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講評、閉講式
最後に一日の総括。「レッスンを受けてから2秒以上もタイムアップした人などもいて、成長度合いに驚きました」と田口選手も参加者のレベルアップを実感していたようです。そして講師が印象的だと感じた参加者に、ミニカーやタオル、ワイパー、オイルなど、協力会社から提供された記念品が贈呈されました。
そして味戸選手が、「皆さんの腕が上がった分、一般道などを走るときにあまり運転に慣れていないようなドライバーがいたら、今回体験したドライブ時の余裕を持って、そういう人たちをカバーしてあげてほしい」と締めてレッスンは終了。単に速く走るだけでなく、このようなモータースポーツ向けのレッスンが安全に走ることにもつながるという、教訓になりました。
ちなみに、たけぶぅ&オヤカタチームも頑張りましたが、やはり初めてのランエボXのドライブは難しく、課題が山積み、タイムも……な感じでした。残りのイベントには、個人的に自分のマシンで参加してみようかなぁ。
次回は岡山でジムカーナ方式、その次は千葉で同じくジムカーナ方式とのこと。申し込みは1カ月前くらいからラリーアートのホームページで始まります。ぜひチェックしてみてください。
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●イベント紹介
第3回 10月24日(土)なださきレークサイドパーク(岡山)
参加申込受付期間:8月24日(月)〜10月2日(金)
協力:ラリーアートピット岡山
参加費:15,000円(イベント保険、お弁当付)
体験走行:6,000円
※RMC会員(ラリーアートメンバーズクラブ)は2,000円引き。体験走行はRMC会員割引の対象外。
※ドライバーズレッスン開催時間【予定】:8:00〜16:00(開会式〜レッスン〜閉会式)
※体験走行については開催時間中に先導車付走行等スローペースで2枠設定予定。なださきレークサイドパーク
http://www.city.okayama.okayama.jp/kankou/midokoro/shisetsu/nadasaki/index.html
住所:岡山県岡山市灘崎町北七区
TEL:08636-2-1500第4回 11月21日(土)浅間台スポーツランド
参加申込受付期間:9月18日(金)〜10月30日(金)
参加費:18,000円(イベント保険、お弁当付)
体験走行:6,000円(イベント保険込)
※RMC会員(ラリーアートメンバーズクラブ)は2,000円引き。体験走行はRMC会員割引の対象外。
※ドライバーズレッスン開催時間:8:00〜16:00(開会式〜レッスン〜閉会式)
※体験走行については開催時間中に先導車付走行等スローペースで2枠設定予定。浅間台スポーツランド
http://asamadai.jp/
住所:千葉県香取郡栗源町岩部179-2
TEL:0478-75-2217●申し込み方法
ホームページよりドライバーズレッスン参加申込書をプリントアウトして事務局宛にFAXする。詳しくは下記ホームページを参照。
http://www.ralliart.co.jp/09news/driverslesson2.html
※申し込み多数の場合は先着順。●参加資格
普通運転免許をお持ちの方(AT限定免許の方はAT車で参加)●対象車種
保安基準適合車:普通乗用車
※メーカー問わず
※オープンカーの場合ロールケージ等の安全装備が必要。
※「ワンボックス車」などの背高車は参加できません。●申し込み先/問い合わせ先
RMC事務局
TEL:0120-705507(9:30〜18:00)定休日 土/日、祝日
FAX:0120-707655(24時間)
e-mail:rmc@jcs-ex.co.jp