新シリーズ「RALLY CARS」
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1冊1車種の新シリーズ「RALLY CARS」。第5弾は「ポルシェ911」を取り上げます
今を遡ること50年、産声をあげたポルシェ911はサーキットやロードレース、そしてラリーで様々な栄冠を勝ち獲りその名声を高めていきました。ワークスとしてのラリー参戦こそ少ないものの、多くのプライベーターたちに愛され、サーキットに負けず劣らず多くの911がラリーに参戦しました。
モンテカルロを制し、ツール・ド・コルスを制し、派生モデルでダカールラリーも手中に収め、その強さとポテンシャルを世界中に知らしめたのです。量産車とモータースポーツのジャンルを超えて名車と謳われた911。60年代から紡がれてきたラリーヒストリーをひもときます。
不変、されど停滞せず
WRCが始まる数年前に誕生したそのクルマは
瞬く間にモータースポーツに不可欠な存在となりました。
ターマックとグラベル、あらゆる路面で勝利を重ね、
30年近く基本構成を変えぬまま進化を続け、
第一線で戦うという離れ業は、
このクルマにしかできないでしょう。
壮大なるサーガの一端を多くの写真と振り返ります。
ポルシェ「ラリーカー」の系譜
911の名声は、サーキットの栄光のみで
築かれたものではありません。
特にヨーロッパでは、ラリーでの実績こそが
「ストリート最強」というイメージを高めていきました。
911だけでなく、914や924、959まで、
ラリーフィールドで戦った
各モデルの変遷と進化を追いかけます。
証言:ペーター・ファルク
911が初めてラリーモンテカルロに参戦した1965年
その際にコ・ドライバーを務めたのが、
開発エンジニアのペーター・ファルクでした。
のちにモータースポーツ車両の開発部門の代表と
レース部門のディレクターを兼任した
ポルシェのモータースポーツ史上でも重要な人物に
ラリー活動について語ってもらいました。
911 RALLY HISTORY
911は、登場当初はその存在に
期待がかけられていたわけではありませんでした。
その寿命をいかにして乗り越え、
50年もの長きにわたって
フラッグシップとして君臨し得たのか。
モータースポーツ参戦の歴史とともに、
911とラリーの不思議な関係を解き明かします。
インタビュー:ビヨルン・ワルデガルド
歴戦の勇者がステアリングを握ってきた911。
その名に誰よりも自分を重ね合わせる男がいました。
ビヨルン・ワルデガルド。
今もなお時折見せる鋭い視線と
繰り出される冷静な分析を交えながら
彼は長きにわたった“彼女”との
恋愛関係について語ってくれました。
最強プライベーター アルメラス兄弟の記憶
ポルシェがWRCで記録しているふたつの勝利は、
どちらもプライベーターによるものでした。
その名はアルメラス兄弟。
大金星から35年以上が経った今でも、
立役者ふたりとそのワークショップは現役バリバリ。
南フランスにあるファクトリーを訪問し
当時の内幕を明らかにします。
インタビュー:ジャン‐ピエール・ニコラ
乗るはずだったルノーのシートを突然失い、
走れるクルマを探して911にたどり着いた
ジャン‐ピエール・ニコラ。
なんとか資金を集めてスタートランプに上がったものの、
体制はプライベーターそのもの。
豪雪となった78年のモンテカルロでの奇跡を
ニコラその人が語ってくれました。
ストリートのロスマンズ・ポルシェ
グループB時代に忽然と現れた
ロスマンズ・ポルシェ・ラリーチーム。
ヨーロッパラリー選手権と中東ラリー選手権で
RRの911 SC/RSを走らせ
4WDのライバルたちに敢然と立ち向かいました。
959でのWRC参戦という野心を持っていた
プロドライブに迫ります。
ダカールを目指した911と959
ラリーを戦うグループBとして誕生した959。
しかし、この959がWRCを走ることはありませんでした。
ポルシェはワークスとして3度ダカールに挑み
2勝という“果実”を手に入れました。
3年の月日をかけて取り組まれたダカールプロジェクトは
RRだった911 SC/RSをベースにした4WDにはじまり、
最終的に959での参戦へ。その道のりを振り返ります。
イラストで見るポルシェ911全記録
60年代後半からラリーフィールドに投入された911は、
卓越したスピードを見せつけ、
多くのイベントで勝利を積み上げてきました。
ポルシェワークスによる関与こそ少なかったものの、
有力プライベーターによりワークスチームを撃破し
80年代末まで活躍を続けました。
その偉大なる記録をモデル別にアーカイブ。