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WRCドイツ・ポスト会見「ドライのラリードイツは最高」

©VOLKSWAGEN

WRCラリードイツのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。フォルクスワーゲンの母国優勝を完璧な走りで決めたオジエ。過去2年間の辛さは今年、顔に当たったコルクの痛さだけに留まったことをコドライバーのイングラシアが暴露した。

●WRCポストイベントカンファレンス出席者
1位:セバスチャン・オジエ=SO(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
1位:ジュリアン・イングラシア=JI(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
2位:ヤリマティ・ラトバラ=J-ML(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
2位:ミーカ・アンティラ=MA(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
3位:アンドレアス・ミケルセン=AM(フォルクスワーゲン・モータースポーツII)
3位:オーラ・フローネ=OF(フォルクスワーゲン・モータースポーツII)
ヨースト・カピート=JC、フォルクスワーゲン・モータースポーツ代表

Q:
フォルクスワーゲンの1-2-3フィニッシュ、本当におめでとう。セブはWRC30勝目、ポロR WRCにとっても30回目の勝利だ。フォルクスワーゲンのドイツでの失点も、これで相殺された。素晴らしい勝利だ。フィニッシュした時の気分は。
SO:
すごくいいよ。僕らみんなが、とにかく素晴らしい気分だった。去年、ここでトラブルが起きたので、今日ついに全員が揃ってポディウムに上がった光景を見ることができて、本当によかった。フォルクスワーゲンにとって、最高だ。彼らは僕たちに多くのものを与えてくれている。素晴らしいマシン、素晴らしいチームオーナーたち。30回目の勝利に触れていたが、23回くらいはこの2年半くらいの間にポロで果たしたものなのだから、アメージングだ。この週末についての話をすれば、このラリーは僕には本当に信じられないような内容になった。マシンのフィーリングはよく、本当に楽しかった。ドライコンディションでのラリードイツは、本当にいいね。めったにあることではないけど、このラリーがさらによかったと思う。どのクルーも、このラリーを楽しんでいた」

Q:
雨は、ラリーが終わるまで降らなかった。チームにとっても特別だが、君にとっても素晴らしい勝利だった。序盤2日間はヤリマティと素晴らしいバトルになっていた。しかし昨日の、特にパンツァープラッテでは、君が決定打を打った。昨日の最後のステージは、渾身の走りだった。
SO:
そうだね、特別だった。もちろん、パンツァープラッテがラリードイツの山場であることは間違いない。あそこはタイム差が大きくつく。あそこでギャップを一気に広げ、その後はラリーの終わりまでリラックスしていた。しかし、ヤリマティは舗装でも速くなった。僕にとっては、舗装で本当にプッシュできないコンディションの時もあった。最後に本当に攻めたのは、昨年のドイツだが2回クラッシュしたから、今回は少し違う形で準備しなくてはならなかった。スタート前にも言ったと思うが、本当に勝つためのモチベーションが高まっていたし、過去のミスを取り戻したかった。今回はいいフィーリングだったし、テストも順調でポロも本当にドライブしやすかった。でも、フィーリングがよければいつでもベストのリザルトが出せるとは限らない。僕の場合、今回がそうだった。最上のリザルトは、ここで勝つことだった。もちろん、ラリードライバーや他のコンペティターはエゴを持っているし、僕らも自分たちの興味のあることを考える時だって多い。でも、この週末は、僕たちを支えてくれたチームのために何としても勝ちたかった」

Q:
次戦では、タイトル獲得の可能性出てきた。ここでは条件が多かったが、オーストラリアではそう難しくはなくなってきた。
SO:
そうだね、だんだん現実的になってきた。ちゃんとは計算していないが、これで本格的なチャンスが出てきた。オーストラリアでは自力で確定させられるチャンスも出てきたんだから、狙わない手はないよ。心からそう願っている。あそこの雰囲気は大好きだ。他とは違う。とても親しみを感じる。特別な雰囲気は好きだし、道もすごくいい。とても速いし、あそこを楽しんで、あそこで祝福したい。

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Q:
セブからこの勝利の意味について素晴らしいコメントが出た。自分たちだけでなく、チームのためでもあると。君にとっても同じか。
JI:
もちろん。ビッグボスと約束したし、彼とだけではなくチームのみんなとも、勝利を持ち帰ると約束した。3クルー全員が、同じ気持ちだった。みんなをハッピーにするためにベストを尽くすと。だから特別な気持ちだよ。でも、ラリードイツには辛い思い出がある。今年も同じ、セブの目を見れば分かるだろう。シャンペンのコルクが顔に当たったんだよ。

Q:
スタート前はナーバスになっていたか。モチベーションはいつもよりも高まっていたか。今回に向けて特別な準備はしたか。それがこの結果につながったのか。それとも、いつもと変わりはなかったか。
JI:
ラリードイツは少しモンテカルロと似たところがあって、とてもタフだ。舗装では、小さなミスがリタイアにつながりかねない。このラリーには100%の備えで臨んだが、いつも以上のモチベーションはない。そうなってしまうと、プッシュし過ぎてしまうからね。道の上に残っていれば自分たちは速いことは分かっていた。そして、それを週末を通してやるだけだった。初日の朝はリスクを負い過ぎず、徐々にリズムをつかんでいった。セブは一切ミスをしなかったから、この勝利を誇りに思えるよ。

Q:
ヤリマティ、このラリーのことを話す前に、最終ステージについて聞きたい。映像では、心臓がドキドキしている素振りをしてみせた。最終ステージはすごい走りだったが、何を伝えようとしていたのか。
J-ML:
ドラマはこれからだってことを見せたかったんだよ。

Q:
まさにその通りの走りだった。マキシマムポイント狙ってそれを獲得できたが、ヒヤッとする場面もあった。
J-ML:
そうだね、正直、起きてはいけないことが起きてしまった。あそこはラッキーだった。あのステージは、昨年僕がクラッシュしたステージ。集中を維持したかったし、いい走りがしたかった。そして、あのステージでいい思い出を作りたかった。だから、いいリズムで行こうと考えたんだ。リズムはとてもよかった。あの左コーナーだけだった。ノートには、あそこはラインがあると書いてあったので、ラインをなぞったが、大きなグラベルが出ていてマシンの下に入り込んでマシンと一緒に動いたから、驚いて膨らんでしまった。

Q:
今週末全体については、とてもコンペティティブな走りだった。セブとは素晴らしいバトルだった。その後、彼が引き離しにかかった。その時は何を考えていたのか。追いつけないと思ったか。
J-ML:
正直、パンツァープラッテの2回の走行でのセブのパフォーマンスは、本当に信じられなかった。通常、パンツァープラッテは僕と相性がいいんだけど、今年はフィーリングがつかめなかった。自信も持てず、コーナーのアペックスまでブレーキを踏んでいたし、道幅いっぱいを使っていた。2回目の走行では、チャンスがないと思った。週末の始めから、昨年や2013年に起きたことを思い返し、ミスの余地はないと思っていた。ドライビングを余裕でコントロールできる安全圏で勝負していたのだと思う。もちろん、パワーステージではヒヤッとする場面もあったが、ミスはなく、目標通りに堅実でいいパフォーマンスが出せたから、ハッピーだよ。

Q:
ミーカ、1-2-3フィニッシュはチームにとっても大きな意味を持つ。その一躍を担ったことの意味は。
MA:
もちろん、チームにとってこの夢を叶えたことは、とても光栄だ。この結果をもたらすことができて、本当にうれしいよ。きっとヤリマティも、そして僕自身も、このラリーで2位入れて、すごくハッピーだ。

Q:
リザルトも素晴らしいし、パフォーマンスも素晴らしかった。今日は、彼を落ち着かせなくてはならないと感じていたか。特にタイムが速かった時などは。あるいは、彼はコントロールできていたか。
MA:
感じてはいなかった。今日はとてもリラックスしたドライビングで、この一週間ずっと同じだった。セブとジュリアンは今週、明らかに速かったが、僕も言ったように2位はとてもハッピーだからね。

Q:
アンドレアス、去年は3位でポディウムに上がった。今年も3位だが、今年はもっとペースが高かった。この結果には満足か。
AM:
とてもハッピーだよ。去年と今年の僕のパフォーマンスを比べると、かなり成長している。去年はポディウムに上がったが、他の不運もあった。今年のパフォーマンスはとてもよかったと思う。もちろん、ラリーの最初からいいペースを心がけていた。クリス・ミークがコースオフした時、自分が3位につけていて、後ろとの差が開いていることに気付き、セブとヤリはお互いすごくプッシュしていた。だから、基本的には確実に3位をキープすることにして、できるだけリスクを負わないようにした。あの差を詰めるには、かなりリスクを負わなくてはならなかったからね。その後は、面白いラリーというわけではなかった。今日の午前までは、自分との戦いになったからね。最初のステージでダニが2秒詰めてきたし、次のステージでは自分がリラックスしたら、ダニは11秒も先行したから、13秒後ろに迫ってきた。だから、サービスでタイムを取り戻すために少しプッシュしていこうと決めた。それができた後は落ち着いたので、パワーステージは確実に1-2-3フィニッシュすることを目指した。いい週末だったよ。あまりバトルがなく、ちょっと退屈だったけど、オーストラリアではそうは行かないよ。

Q:
ではドラマもなかったか。
AM:
週末を通して、とても安全なドライビングだったし、限界まで攻めなかったから、ラリーの結果としては成功だが、上位の2人と戦いたかったね。

Q:
次のオーストラリアでは、いいリザルトを目指すイベントだと言っていた。ここでは上位の2人とも戦うことになるだろう。オーストラリアでは、どんなモードで臨むのか。
AM:
準備はいつもと同じだ。来週はドイツのアルプスで3デイイベントに参加して、チームスポンサーのサロモンで走る。アルプスを3日間走るのは本当にタフだし、オーストラリアに向けていい体作りができるはずだよ。

Q:
オーストラリアでは優勝も狙える手応えはあるか。
AM:
優勝争いの候補になれると信じているよ。2013年、2014年のパフォーマンスを見てもらったように、年々よくなっている。だから、いい流れになればオーストラリアで優勝も狙えると考えているよ。

Q:
1-2-3フィニッシュという大興奮の中にいる感覚はどうか。
OF:
言葉にならないよ。テレビで自分の姿を観たら、気付くんじゃないかな。いい仕事ができたし、僕らは常にすべてに集中している。僕の周りでは興奮している人がたくさんいたけど、僕自身が飲み込むにはテレビや新聞を見てからでないと。でも正直、ここにいるのはとても光栄だよ。

Q:
ヨースト、フォルクスワーゲンが選手権に参入してから、ホームイベントであるドイツでの勝利を願っていた。2年待って、今年1-2-3という形で実現できた。これで選手権カレンダーのすべてのイベントで勝利を経験したことになる。最高の気分なのでは。
JC:
その通り、ラリードイツは、我々のホームイベントだがこれまで勝てなかった。だから、3回目の挑戦でのプレッシャーは大変なものだった。しかし、今回はそれを実現できることが証明できた。チームはレッキからずっと完璧な仕事をして、プレッシャーの中でさらに強くなった。去年は、アンドレアスがポディウムに上がっただけだったが、次のオーストラリアではチーム初の1-2-3フィニッシュを決めた。今年も大きなプレッシャーの中で、SSタイムで1-2-3をマークし、パフォーマンスがあると信じていた。本当に勝つのが難しいラリーだから、チーム全員が誇りに思っていい。

Q:
今日は緊張したか。過去2年間は最終日に事態が一転した。最終ステージではヤリマティがグラベルで転倒しそうになったが。
JC:
幸いTV番組が数秒遅れて伝えられるので、テレビでそれを見た時、スクリーンはグリーンライト(走行中の表示)だったから、安心していたよ。

Q:
チームは、数週間後のオーストラリアで、選手権タイトルを確定させられるチャンスが出てきた。
JC:
今回は、ドライバーズ選手権の可能性がフォルクスワーゲンのドライバーに絞られたということが達成できた。ここまでチームオーダーは出していないが、ここから先はチームオーダーは出さずに自由に戦ってもらうことができる。このことで、よりエキサイティングな展開になると思う。オーストラリアで両選手権が確定させられれば素晴らしいが、チームメイト同士の戦いにもワクワクしているよ。

Q:
ヤリマティ、バトルという点ではシーズンの残りを楽しみにしているか。
J-ML:
もちろん。このようにドライバー同士の戦いを認めるというのはあまりないと思うが、このチームでは、それができる。
SO:
でもヨースト、フィンランドや今回もすごい戦いだから、ここまでもかなり張りつめた戦いになっていると思うけど?
Q:
これ以上激しい戦いはできないか。
JC:
ここまでも素晴らしいバトルだった。チームオーダーは出していなかったが、みんなお互いのバトルを刺激に変えていたし、今季最後までそれは続くだろう。チームオーダーを出さない事が、チームにとって利益になっていると強く信じている。どのドライバーも自由に戦うことができれば、チームもよくなる。チームオーダーを出さないために1、2戦を落とすことは馬鹿げているように見えるかもしれないが、全体としては、シーズンの終わりにはチームオーダーを出さない方がより多くポイントを獲得していることになると思うね。



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