全日本ラリー第7戦「ラリー北海道」は9月20日(日)、競技最終日となるレグ2の走行が行われ、前日を首位で折り返した奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションX)がそのまま逃げ切り、今季初優勝を飾った。また、新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)が2位に入賞し、今シーズンのシリーズチャンピオンを獲得した。
前日までの雨がやみ、天候が回復したレグ2は、2位の新井に1分50秒3の差を付けた奴田原が、ベストタイムはターマックSSの1本のみながらも、前日に築いた大量リードに守られ、待望の今季初優勝とともに昨年に続きラリー北海道2連覇を飾った。また、レグ1を2位で折り返した新井は、レグ2オープニングとなるSS12でベストタイムをマーク。その後もこの日に設定された6SS中4本のSSでベストタイムを重ね、2位に入賞するとともにデイポイントトップを獲得。今回は6位に終わった勝田とのポイント差を広げ、自身としては1997年に初獲得以来18年ぶりとなる全日本ラリーシリーズチャンピオンを決めた。また、レグ1はタイヤ選択に苦しみながらも3位で折り返した炭山裕矢/保井隆宏(スバルWRX STI)が、レグ2もポジションを守りきり入賞した。
現行車両と旧型車両の戦いとなったJN5クラスは、レグ1の中盤で3速ギヤと4速ギヤを失った関根正人/竹下紀子(三菱ミラージュ)が、レグ1の最終サービスでミッションを交換し完全修復。一方、フロントブレーキやエンジンマウントにトラブルが出た天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツGRMNターボ)は、関根と同じくレグ1の最終サービスで修復作業を終えるものの、暫定仕様のままという状況だ。レグ2はその両車の差がはっきりと分かれた。レグ1の最終サービスでミッションを完全修復した関根が、オープニングのSS11でベストタイムをマークし、天野を逆転してクラストップに浮上。一方、天野はレグ2もブレーキトラブルに悩まされ2位でフィニッシュ。チャンピオン決定は次戦以降に持ち越されることになった。サバイバル戦となった3位には、全日本ラリー初出場の中村修/木村悟士(三菱ミラージュ)が入賞した。
リタイア車両が続出し、孤軍奮闘の戦いとなったJN3クラスの岡田孝一/鶴田邦彦(マツダ・デミオ)とJN2クラスの阿部敬珠/阿部祥吾(スズキ・スイフトスポーツ)は、岡田が今季4勝目を挙げシリーズチャンピオンを獲得。JN2の阿部も最終SSまでしっかりと走り切り、全日本初優勝を飾った。
■最終結果
JN6クラス
1.奴田原文雄/佐藤忠宜 ADVAN-PIAAランサー 2:04:53.4
2.新井敏弘/田中直哉 富士スバルアライモータースポーツWRX +1:27.3
3.炭山裕矢/保井隆宏 ADVAN CUSCO WRX-STI +4:25.8
4.石崎秀雄/河西晴雄 ADVANフェイスクラフトWRX-STI +6:44.4
5.筒井克彦/高橋 巧 TEAM221 ダンロップ インプレッサ +15:55.5
6.勝田範彦/石田裕一 ラックSTI 名古屋スバル DL WRX +17:48.2
JN5クラス
1.関根正人/竹下紀子 GセキネンDL WM MOTUL ミラージュ 2:23:06.7
2.天野智之/井上裕紀子 豊田自動織機・ラックDLヴィッツGRMN +1:53.0
3.中村 修/木村悟士 ミツバBMK太陽誘電ペトロナスミラージュ +10:05.2
4.木下 聡/小坂典嵩 ARTAオートバックス86 +14:19.9
JN3クラス
1.岡田孝一/鶴田邦彦 キーストーンナビゲーターDLデミオ 2:33:42.1
JN2クラス
1.阿部敬珠/阿部祥吾 ISMFカーショップHIROスイフト 2:44:15.8